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50代 サービスサポートの男性社員からのお悩み相談

 本日もお悩み相談募集にご連絡頂いた件についての内容となります。お悩み相談の趣旨については以下のリンク先をご覧ください。

 このnoteをご覧になっている皆様も是非、お気軽にご相談ください。比較的中堅以上の世代が続いているのはたまたまだと思いますので、気にされないでください。特に、22年度となりましたので、新入社員のお悩みなどお聞かせ頂けたら、とても嬉しいです。ちなみに過去のご相談内容は以下の通りです。

— お悩みの内容 —

 私はWebサービスを企画/開発/販売する会社に勤めています。15年前に転職してきてからずっとこの会社で、所謂大企業なので様々な業種や業務を担当してきました。今はサービスを保守サポートする組織の課長を任されていて、8人の部下のマネジメントをしています。

 大企業あるあるだと思いますが、毎年4月1日には大きな組織改革があります。管理職の末端である課長の私にも毎年少々の影響があります。ですが、今年は”少々”では済まされない影響がありました。

 昨年度まで隣の部署に居たいわゆる”問題児”とされる社員を突然部下にさせられたのです。その問題児は今年の12月に定年というご年配社員なのですが、昨今の働き方改革に対応できず、周りの人の仕事の仕方やスピードや精度についていけず、ついには諦めてしまい、今では定年までなんとか逃げ切ろうと考えているタイプの人です。

 突然、こんな部下を押し付けられて、どうしろと言うのでしょうか。

— アドバイス —

 相当辛い立場で大変な想いをされているのだと思います。所謂問題児をマネジメントするのは「ババ引いた」と言っても過言ではないかと思います。

 私の経験則ですが、問題児のマネジメントを突然押し付けられるというのは責任の擦りつけのケースが多いです。普通は問題児のマネジメントは慎重に行うので、突拍子もない人事異動などは行わないのがセオリーです。触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに、そっとしておく事すら珍しくありません。それにも関わらず突然問題児の上司が変わるということは、それ相当の理由があるからです。あくまで推測ですが、問題児の前の上司が逃げて、相談者様に問題児のマネジメントを押し付けたと考えます。問題児を問題児のままにしておくと上司(前上司)の成績が下がってしまうので、自分の成績を守る為かもしれませんし、シンプルに問題児のマネジメントに嫌気が差してしまったのかもしれません。理由はわかりませんが、面倒なマネジメントを押し付けられた可能性が高いと思います。

 さて、相談者様が今後どうすれば良いかが本題ですが、まずは「彼は問題児だ」という先入観を無くして相談者様が普段されているマネジメントをすることをお勧めします。前のマネージャーの元で働いていた人が問題児だったとしても、今のマネージャー(相談者様)の元で働いても変わらずに問題児であるとは限りません。プレイヤーが問題児かどうかは、実はマネージャーとの関係性に依存する問題だったりするのです。マネージャーが変わる事で、問題児と言われていた人が立派に働けるようになるケースは決して珍しくありません。この為、相談者様にはまずは通常通りのマネジメントをして頂き、様子を伺って欲しいです。

 通常通りのマネジメントを行って、やはり問題児だと認識されたら、一人のマネージャーとして悩むのではなく、問題視している事を上位のマネージャーや人事へ相談するべきかと思います。相談者様は大企業に勤められているということなので、相談ルートは潤沢にあると思いますし、人事部もある程度のソリューションは用意していると思います。前の上司は突然逃げ出したと思われますので、問題を一人で抱えてしまっていたのかと思います。それは大きな間違いで、社内で問題が発生したら報連相が当たり前です。例えマネジメントの問題でも、上司や人事への報連相は必ず行いましょう。そうすることで、良くない例えですが問題児の人が心が病んでしまった時でも責任を分散させることができます。言い換えると、他人に相談しないで問題を一人で抱えている間に問題児が心を病んでしまったら、全ての責任が相談者様にいってしまいます。問題は一人で抱えず、報連相という手段で周りに分散するというのが鉄則です。

 スタートアップやベンチャーや中小企業は少し違う場合もありますが、大企業においては立場や課題に関係なく、とにかく”報連相”です。大企業はとにかく体力があります。これだけが強みと言っても過言ではありません。どんな問題が発生しても、強靭な体力でなんでも耐え凌ぐことができます。大企業にとって、1億円の損失なんて蚊に刺された程度です。経営陣に報告すらいかない些細な問題です(それはそれで良くない悪習なのですが・・・)。問題児と言われる社員が一人いたところで、会社的には何の問題もないのです。その問題児の年収が800万だったとして、問題児が定年退職するまでの9ヶ月を穏便に済ませられるなら給与として600万円(800万円×9ヶ月/12ヶ月)を支払うことなんて安いもんです。ここで心が病んでしまって会社が保障しなければいけなくなったら、何千万、もしかしたら何億と請求されるかもしれません。だとしたら、たった600万なら払うという判断になるのが普通です。

 ここで要注意なのが「問題児が心を病んでしまった時の保障」です。相談者様がきちんと会社に報連相をしていれば、問題児の用件は会社としての要件になりますが、報連相していないと相談者様単独の要件になってしまうかもしれません。請求された慰謝料の大半を相談者様が単独で支払う可能性も0ではありません。そういったリスクを分散する為にも、問題だと感じたことについては必ず報連相する事をお勧めします。報連相というと新入社員に対するアドバイスのように聞こえますが、誰もが意識するべきことなのです。

 それと気付きたくなかった事実かもしれませんが、大企業で無気力なご年配社員という人は、ほぼ確実にシニア採用を希望すると思われます。年収は新卒以下に激減しますが、今までお世話になった会社にこれからも勤め続けるのがシニア採用です。シニア採用の場合、多くが部署の異動はなくて、定年を迎えた時に所属していた組織に属することになります。今更”新天地での成長”なんて求める余裕の無い人だから部署異動がないのです。問題児となっているご年配社員は今年の12月に定年かもしれませんが、その後数年に渡って今の組織に属することを前提にマネジメントされることをお勧めいたします。

 ご検討をお祈りいたします。

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