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奈良、仏三昧の日

平日の昼間なら
混雑は大丈夫だろうと
空海展へ。

仕事の途切れた狭間、
やる事もやらずに
「負い目」と二人連れで、
奈良に着く。


まずは、ここ

▼ 奈良県立美術館

特別展「小川晴暘と飛鳥園 100年の旅」

入場料:1,200円が
空海展のチケット見せて200円引き
1,000円

レンズを通して見つめ続けた、人々の祈り。その100年の歩み。
 本展は、小川晴暘・光三親子の写真作品を中心に、文化財保護活動を支えると同時に仏像写真を芸術の域に高めた飛鳥園の活動を振り返ります。

奈良県立美術館HPより

仏像の本や
飛鳥園のクレジットの小冊子など、
いつの間にか
見たことのある写真がたくさんあった。

また、知り合いの
仏像好きのデザイナーさんより
奈良仏像カレンダーを
時々、送っていただいたりもしていた。

今ではデジタルデータばかりだが
大きなフィルムで撮るカメラ
仕事をやり始めた頃を思い出す。


飛鳥園のHPも興味深い。

空海展の前に
東大寺にも行こう。

人出を避けて
裏から行くが、

▼ 東大寺

やっぱり大勢の人達がいる。

私調べの肌感は
今日ここは
外国人旅行者と修学旅行の学生が
およそ85%位だと思う。

大仏殿へは行けないが
正面の参道を横切って
そのまま東へ



左の二月堂と並ぶ

三月堂とも呼ばれる

法華堂

法華堂の堂内には本尊の不空羂索観音像を中心に合計10体(国宝、奈良時代)の仏像がところ狭しと立ち並んでいる。これらの群像のかもし出す雰囲気は、観る人をしばし厳かな「ほとけたちの世界」にいざなう。

東大寺HPより

入館料800円
ちょっと高くなっているのか?

ここまで来れば、
さすがに学生はいない。
堂内は落ち着いた観光客数名。

本尊は不空羂索観音像。
すごい、なんかこう放射状の
エネルギーが、
見える形以上に溢れている。
仏というより宇宙人みたい。

お堂内の正面には
板張りの腰掛け、
休憩しながら眺める。

宝冠、全体像ポストカードとリーフレット

尊名の「不空」とは「むなしからず」、「羂索」は鳥獣等を捕らえる縄のこと。従って、不空羂索観音とは「心念不空の索をもってあらゆる衆生をもれなく救済する観音」を意味する。

戻り
仁王門付近の

東大寺ミュージアム

入館料800円
どうやら4月1日より入館料は改定されたようだ。

こちらは、学生も外国人観光客もちらほら
警備員さんは、
写真を撮ろうとする人を見張っている。

常設展示の
ミュージアムのご本尊という、
千手観音菩薩像。

ダイナミックなフォルム、
蛇のような太い腕。
こちらはもっと
原始的な物理的な力が溢れている。

写真は平面的、静的なのだが、
実物を右から左から眺めると
動的、立体的に、今にも動き出しそうに感じる。

すごい。

ポストカードとリーフレット

東大寺のこの2体は、何度でも見たい。


次は、人出を避けた道を探し
南の公園内の

▼ 奈良国立博物館


なら仏像館

飛鳥時代から鎌倉時代にいたる日本の仏像を中心に、国宝、重要文化財を含む常時100体近くの仏像を展示する、国内の博物館では、もっとも充実した仏像の展示施設です。

奈良国立博物館HPより

https://www.narahaku.go.jp/guide/butsuzo/

いつ行っても、
いろんな仏像に出会える。
それぞれの説明板を、よく読むと
あー、あちらの方でしたか!
と気づくことも楽しみ。

ただ、お寺の環境、背景がないので
ありがたみが薄れる。


写真可能の仏像もたくさんあり、
わかりやすく説明してくれている。

こちらの不動明王は、
立像で左手を上げているのは珍しいとのこと。
でも坐像は、この形でないと座れない。

つい最近,テレビで紹介していたが
展示の仏像に対して、年に4回供養をするそうだ。
展示物としての仏像だが
信仰の対象の仏像でもある。


仏像館を出て
地下の通路、土産物屋の書籍コーナー
気になる本がたっぷりある。


地下の通路を特別展会場に
入り口へ上がると、2時半ごろ


平日3時以降なら混雑はないと
ネット情報。

確かに、
チケット売り場の列は外まで続いているが
チケットを持っているので
すぐに入れた。

入場料:2,000円を
金券ショップで購入し
前売り金額の1,800円

音声ガイド:650円

空海 KŪKAI―
密教のルーツとマンダラ世界

密教がシルクロードを経由し東アジア諸地域、そして日本に至った伝来の軌跡をたどることにより、空海が日本にもたらした密教の全貌を解き明かします。また、多数の仏像や仏画により、空海が「目で見てわかる」ことを強調した密教の「マンダラ空間」を再現するとともに、各地で守り伝えられてきたゆかりの至宝を一堂に展示し、空海と真言密教の魅力を紹介します。

空海公式サイトより

入ってすぐに
立体的にマンダラを展示。

マンダラ空間の展示は
スペースを有効に使い、面白い。

少し混雑している場所もあるが
見やすい展示。

仏像、書や仏具を通じて
年代順に紹介。
全体イメージは
空海の
公式プロフィールのようだ。

展示の企画は
密教のルーツと曼荼羅に
焦点が当たっているので
少し物足りなく感じる。

特に空海の足跡として、
井戸が湧いたとか、病気が治ったとか
そういう伝説や縁起譚が知りたい。

土木や医療の新しい知識や文化を
持ち帰った空海。


「南無大師遍照金剛」
庶民信仰のお大師さんの側面、

そういう如何わしい
あやしげで、信用できないものは
公式では展示できないというのは
現在の常識の範囲なのだろう。


音声ガイドは、

以前の仏教は
薬の効能を伝えるだけが
真言密教は薬そのもので、
効果効能があるのが特徴。
的なことを説明していて
納得、得心した。

いわゆる奈良仏教は
お勉強的なイメージだが
現世利益がないと
中々広まらないというのも
リアルな話。


たぶん、あの手この手で
仏は伝えてくれるので
いつか腑に落ちれば良いのだと思う。

あるいは、
あの手この手で救ってくれる存在が
あるということを
人が求めて、仏を生み出したのか?

人がいなければ、仏は存在できるか?
存在とか、そういう尺度で考えることが
間違っているか?
とまあ、グルグルと考えは巡るが
結果は出ない。

縁( えん)なき衆生(しゅじょう)は
度(ど)し難(がた)し

「すべてのものに慈悲の心で接する仏でも、
仏縁のないものを救うことは難しい」

ただ、音声ガイドは、
悟れなくても、
煩悩が消えなくても
悩む必要はない。
煩悩をエネルギーにすれば良い
的なことも言っていた。


写真コーナーとお土産物
曼荼羅クッキーまで売っていた。
これもまた仏縁なのだろうか?

子供向けのサイトだがよくわかる。
こどもパネル「マンダラには何が描いてあるの?」


そして外に出ると、
夏が近い空模様。

いつ別れたのか、
「負い目」は
どこかに行ったようだ。


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