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物語を生きたいから

横浜の夜。空には、星がみえない。
けれど、最近、飛行機が飛んでいることに気がついた。
そういえば、ベランダからの景色には、航空障害灯がたくさん。
いつのまにかぼくは、航空障害灯を好きになっていた。
そういうふうに、いろんなことを好きになれたらいいなと思うよ。


少し前の帰り道、横浜からの相鉄線で、隣に住むひとと偶然いっしょになった。半年以上過ごして、はじめてのことだった。
どういう流れだったかは忘れてしまったけれど、
「おれは、誰かのいいところをみつけるの、うまいと思う。でも同じくらい、よくないところもみつけちゃうんだよナ」
と言った。
「そういうところに目をつぶるのが、社会人だよ」
そう返す彼。ものすごいやつだ。


そんな話を、今日、ベランダで思い出した。
そして気がついた。

今年の漢字は、「隣」だということに。

いつも隣に座ってる女の子。隣に住む友達。ついこの間まで隣にいた親友や相棒。東京の隣。物語を飛び越えたデートをした隣の町。隣の部署のクリエイティブ・マンたち。ほかにも、たくさん!

となりの何かが、今年のぼくにとても大きな影響を与えてくれた。

となりのなにかはきっと、ぼくが彼らを思うより、ぼくのことをどうとも思っていなくても、それでいい。ぼくは彼らが大好きになった。

たまたまつけていたテレビでは、マイオールタイムベストのあの曲が。
「悪魔のふりして切り裂いた歌を
 春の風に舞う花びらに変えて」

あーぼくは、全然一生懸命生きていなかった。結果は出なくて当然だろう。
まだやれる。たくさん悩もう。
ぼくのこころは弱いけど折れない。

少しだけ溜まった洗濯物を、Machine à laverにつっこんだ。


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