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地球 is ぷれいぐらうんど

最近、友人の研究で「アフォーダンス」というデザイン用語を知った。

それが自分の中の世界観を言語化するのに適しており、これ自体かなりおもしろい概念であり、自分の生きる世界がまるで別世界のように見える体験ができたので共有する。

アフォーダンスとは?

「アフォーダンス」とは、デザインの分野で使われる用語で、物や環境が個体に提供する「使い方」や「機能」の可能性を指す。つまり、物がどのように使われるべきかを、その形状や特性、デザインが示唆すること。「提供」を意味する「Affordance」から来ており、物は我々に使い方をアフォードしている。

具体例)

1.ドアの取っ手
ドアについている取っ手の形状は、それを「引く」か「押す」かを示唆する。例えば、フラットなプレートがついていると押す動作を促し、バーの形状の取っ手は引く動作を促す。ただの板であれば、それが何なのかわからないが、「ドアノブ」がついて初めて、ドアと認識し、使い方を無意識的に理解する。

つまり、アフォーダンスは「ドア」の使い方や形状の概念を経験的に理解しているため生じるものであるため、初めて見たものであれば、使い方がわからない。つまり適切なアフォーダンスが生じないというわけだ。

もうひとつ例を見てみよう。

2.ボタン 
電子機器にあるボタンは、押すことで何かのアクションが起こることを示す。大きくて赤いボタンは「緊急停止」などの重要な機能を示唆することが多い。

このように、これらの例は、物のデザインがどのようにして使用者の行動を直感的に導くかを示している。アフォーダンスは、直感的で使いやすいデザインを作る上で非常に重要な概念である。

無意識的に人が使い方を理解するようなデザインであれば、説明コストが省けて、使いやすいから、使い手にも作り手にもwin-winでいいよね!ということだ。


しかし、とりわけ経験的知識の浅い子供は、本来の目的にかなわない使い方である「意図しない」アフォーダンスを享受してそれで遊び倒す。(彼らにとって使い方すら知らないものであれば、適切なアフォーダンスも何もなくて、体を使って実験的に触ったり、見たりして危険を避けるため、本能的に知識をつけようとしているとも考えられる。)

意図しないアフォーダンスの具体例は以下だ。
(あまりいい例じゃないかも、、、)

例)壁
本来の目的
視覚的、聴覚的、物理的な仕切り
建築物の構造的な支持
プライバシーの提供

意図しない目的
(それが目的とされていない壁において)家の壁に絵を描く

子どもたちには壁は自分の考えたことや思ったことを表現するキャンバスのように見えてるかもしれない。当然、実行しようとした子供は親に「何してるんだ」といわれて止められるだろう。

このように叱られたりすることで、子供はなんとなく本来の道具のもつ「正しい」使い方を経験的に知覚していく。

しかし、自分はこの認知(常識)に固定されて、自由に柔軟に考えることが出来なくなっているのではないかと思う。

子どもの世界には未知がたくさんで体を動かして、この世界を好奇心の赴くまま全力で楽しんでいる。
もちろんある一定の境界線を越えるとそれは危険と隣り合わせだが、大人になるにつれそれは経験的に知覚してくる。だが、同時に常識も知覚してきて、それに縛られて動けなくなってしまう。

なんとなくそれはもったいないと思う。


まわりを見回してみる。

地球には自然がたくさんある。

自然は意図しないアフォーダンスの宝庫だ。
木に登ろうが、葉をもぎ取ろうが、花を摘んで飾りを作ろうがなんだろうが自由だ。正解なんてない。
好奇心の蓋を開けて存分に楽しめる空間がそこにはある。

都市に目を向ける。
人工物もアフォーダンスの宝庫だ。
それを使って本気で遊び倒しているのがパルクールだと思う。
飛ぶ、超える、乗る。どれも本来の意図からは外れているだろう。
でも彼らの目にはこの世界がまるで別世界に見えている。

自然だろうが、人工物だろうが意図しないアフォーダンスであふれている。
それに気づく気持ちは何か?

そう「子供心」だ。意図しないアフォーダンスに気づくには、一旦常識から外れるアンラーニングをしなければならない。言葉にすると難しそうだが、とても簡単で自分のうちから湧き出る好奇心に素直になるだけだ。あと、人の目を気にしないこと。

誰かの目を気にして、思ったことができない。
それで自分の時間が消えていく。何もできずに時間が自分を置いていくのは本当にもったいないなと思う。
この世界が楽しいことで満ちていて、辛いことだけじゃないよ。という発見になればいいなと思っている。

まとめ

世界が別世界に見える視点
(自然+人工物)×子供心(パルクール性)= 意図しないアフォーダンスの宝庫 = 地球 is ぷれいぐらうんど

プレイグラウンドは遊び場。
この世界を一緒に遊び倒そう。
(法律の範囲内で、後他人に過度に迷惑をかけない範囲でね笑)


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