来福ふくら

ゆるゆると、猫と美味しいご飯と日々の風景を愛でる、すみっこ物書き。趣味の域ではあります…

来福ふくら

ゆるゆると、猫と美味しいご飯と日々の風景を愛でる、すみっこ物書き。趣味の域ではありますが、小説書いたりビーズアクセサリー作ったりしています。ひょんとしたことから日本刀やら近代文学に足を踏み入れ、直木賞の基となった直木三十五氏に出会い、濃度の高い日常を送っております……。

最近の記事

華浴衣によせて二〇二四

 ご無沙汰しております。来福です。  昨年より新たな記事を書く余裕がなかったのですが、ご報告と感謝の気持ちをお伝えしたいというのを合わせて再び投稿させて頂きました。  2021年、日付を見るとこどもの日でした。  当時、推し文豪を追いかけて辿り着いたのは戦前に発刊された『文藝春秋』でした。その中に見つけたとある広告。  それが『文壇の華浴衣』でした。  何気なく当時Twitter(現X)知ってる人いるかな~? くらいの感覚で呟いたのが正直なところではあります。が、気が付

    • 『文壇華浴衣調査』調査報告:ひとまずファイナル

       大変ご無沙汰しております。文壇華浴衣調査の言い出しっぺとも言える、来福ふくらと申します。前回から随分と時間が経過してしまい申し訳ありませんでした。久々の更新となりますが、何卒お付き合い頂ければ幸いです。  また、今回の更新を以て一区切りといたしますことも、冒頭で一先ずお伝えしますね。 1)今までのまとめ  まずは以前の記事から随分と時間が経過しております故、かいつまんでおさらいをしたく思います。内容的に以前のnoteと重複しますが、何卒ご容赦下さいませ。 ***  

      • 文壇の華浴衣近況報告:浪漫を追いかける

         日々如何お過ごしでしょうか?  今回も番外編ではありますが、良かったらお付き合い頂けたら幸いです。  文豪の華浴衣について調査を地味に地道に続けている私達ですが、その方法のひとつに『リサイクル着物屋さんへの聞き込み』というものがあります。行ける範囲になりますが、まずはお店の方々に『華浴衣の存在を知ってもらうこと』を目的に、そして現存しているものを見つける足掛かりとしての一歩とする為に、こんなご時世ですがお話を伺う等して参りました。名を控えさせて頂いているお店も多いですが

        • 文壇の華浴衣近況報告:びっくりたまげたはなし

           了解を頂けたので、近況報告をば。    華浴衣の調査チームでは、それぞれで問い合わせを行ったり資料を集めたりし、それをまとめて報告としてnoteに上げる流れとなっております。その問い合わせの中で数々ご協力頂いている山本有三ふるさと記念館様より、メンバー人数分の会報を送っていただきました(メンバーを通じて多々交流させて頂いておりますので、その辺りの詳細もまた近況報告としてまとめたいと考えております)。  こちらが会報『無事』となります。タイトルは山本先生の文字だそうです。

        華浴衣によせて二〇二四

          噺家的大衆文学――直木三十五『槍の權三重帷子』の評へ斬り込む

           本名――植村宗一  筆名の由来――植村の植を二分して直木、この時三十一歳になりし故、直木三十一と称す。この名にて書きたるもの、文壇時評一篇のみ。  翌年、直木三十二。この年、月評を二篇書く。  震災にて、大阪に戻り、プラトン社に入り『苦楽』の編輯に当る。三十三に成長して三誌に大衆物を書く。 (直木三十三『私の略歴』)  直木三十三、後の直木三十五が自らを語った一文です。  この後映画界に入るものの、結局小説家の道へと戻り、代表作『南国太平記』を執筆することとなります。彼の

          噺家的大衆文学――直木三十五『槍の權三重帷子』の評へ斬り込む

          『文壇の華浴衣』調査報告其の参

          【前回のあらすじ】  文壇の華浴衣図案を入手した一同。  しかしそこで話は終わらなかった。 「現物を見てみたいと、思いませんか?」  微かな可能性に賭けて、再び調査を開始した一同の目の前に、幾つもの壁が待ち構えていたのだった――!  というわけで、どうもどうも報告書まとめ担当の来福です。『文壇の華浴衣』を目にしたことから始まった調査ですが、当初の予想を越えた展開を迎えつつあります。メンバーが増えたことにより、調査能力も上がり、そこから更に様々なご縁を頂くこととなりました。勿

          『文壇の華浴衣』調査報告其の参

          『文壇の華浴衣』調査報告其の弐

          【前回のあらすじ】 一冊の古雑誌にあった広告『文壇の華浴衣』 その謎を追い、様々な手がかりを得た果てに手元へやってきたのは、華浴衣の謎を解き明かす数冊の古雑誌であった。そこにあるのは答えなのか、それとも――!?  というわけで、どうもどうも来福です。前回、ひょんなことから目にしたこの『文壇の華浴衣』の謎を追いかけるべく、様々に動いた結果、『文藝春秋』の昭和四年八月号(第七年八月号)・昭和五年六月号(第八年六月号)・昭和五年八月号(第八年八月号)の三冊を取り寄せることが出来ま

          『文壇の華浴衣』調査報告其の弐

          『文壇の華浴衣』調査報告其の壱

           ただただ、どんなものだったのだろうという、そんな気持ちでした。目にすることが出来たら、楽しいだろうなという。   初めまして、の方のほうが多いでしょう。 来福と申します。  時々趣味の範囲ではありますが小説を書いたり、猫をねこかわいがりしたり、ふらっと旅行に――まあこのご時世ままなりませんが――行ったり、美味しいものや綺麗なものや面白いものを見てわくわくしたりする為に、日々をこなす群衆の中のひとりです。  そんな私ですが、数年前とあるきっかけで新しい扉を開くこととなり

          『文壇の華浴衣』調査報告其の壱