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【世界一】モスクワのロックダウンの現状まとめ【厳しい?】

非情に厳しいと言われているモスクワのロックダウン。怖い国のイメージがありますが、現地は実際どうなっているのでしょうか。現地情報を含めロックダウン中のルールなどをまとめてお伝えします。

①ロックダウン中の状況
②外出のルール
③認められている業種
④外国人のビザや滞在登録はどうなっているの?
⑤個人に対する補助
⑥法人に対する補助

①ロックダウン中の状況

一部では「世界一厳格」などと言われているモスクワの隔離政策。日本よりは厳しいかもしれませんが、マレーシアほど厳格なわけでもありません。

まず物資が不足していることは有りません。マスクはそもそも殆ど売っていませんでしたので品薄が続いているようですが、それ以外の日用品は潤沢です。ANNの報道にあったようにベーコンや水が買えないなどということは一切ありません。

ただし多くの企業は活動が制限されていますので、他の国と同様、経済的には厳しい状況であることは間違いありません。

②外出のルール


徒歩での移動に許可証の取得は必要ありません。下記の理由でのみ外出が許可されると書いてありますが、矛盾した記述もありそれ以外が絶対にダメというわけではないようです。なぜか「モスクワ市を出入りする権利を阻害するものではない」という部分も強調されています。モスクワ市ホームページの説明

・医療もしくは生活や健康に関する喫緊の対応*1)
・仕事の通勤(認められた業種のみ)
・生活必需品の買い物(スーパーなど)
・ペットの散歩(半径100m以内)
・ゴミ出し
 *1) 役所や銀行訪問はOKとされており、おそらくこれに含まれます

…車での移動は?

許可証をとれば車、公共交通、タクシーでの移動も可能です。許可証はmos.ruというサイトで簡単に取得することができ、外国人の申請にも対応しています。サイトはロシア語版のみですが、実際簡単に取得できます。尚、ルールを守らない場合、罰則が課されるとなっています。(そのルールの定義は難しいのですが)4/11モスクワ市長サイト情報

・仕事の通勤(無制限)※認められた業種のみ
・医療施設の訪問(無制限)
・公用IDに基づくもの(無制限)
・その他、必要な理由に基づくもの(週二回まで)
 →買い物、銀行、鉄道駅、ダーチャ(!!)等

ダーチャはロシア人の多くがもつ第二の家ですが、そちらに行くのは問題ないと市長のページに書いてあります。互いに距離を保つために田舎への疎開するのは問題ないということでしょうか。

③認められている業種

以下の業種は営業が認められています。実際私もビザの延長のために移民局に行ったり警察に行ったり(結局たらい回しにあっただけでしたが)銀行や病院にも行きましたが問題なく営業しています。なぜか花屋が営業しているのは謎ですが、ロシアでは家庭内の平和を守るために花が生活必需品ということなんでしょう(適当)※花の流通業界がかなり特殊で政治力が強いという噂も耳にしますが。

・医療機関、薬局
・生活必需品を販売する小売店
・銀行
・緊急の修理をする業者
・COVIDの感染防止を担う業者
・常時運営の会社(常時稼働が必要な設備、市の生活を保証する業種:住宅及び関連サービス、交通、建設、エネルギー産業、物流、その他)
※政府機関及び、それに準ずる企業及び団体も業務を継続。

...逆にこれって

そうです、逆に言えばこれ以外は認められていませんので、例えば以下のような会社は営業ができず大変なことになっています。これは他の国とも似たような感じでしょうか。「最も影響の大きい業種」は補助を受けやすいようにリスト化されています。Russian PM approves list of sectors most affected by coronavirus

航空サービス、空港運営
文化、余暇、娯楽組織
健康とフィットネス、スポーツ関係
旅行サービスおよび観光サービスを提供するその他の組織
ホテル産業
レストラン、ケータリング
補助教育機関、私立教育機関の運営
カンファレンスや展示会の運営
消費者向けサービス
修理関係
洗濯、ドライクリーニング
理髪、美容サービスを提供する業務

航空業界はいわずもがなですが、彼らは大きすぎて潰せないので政府支援が見込めるとしても、上記に関連する中小零細、及び個人事業主はいま地獄をみているでしょうね。かくいう私も、レストラン、美容室、補助教育機関と3本揃いで「最も影響の大きい業種」をモスクワで運営しちゃってたりします。。。正直、死を覚悟しています。

④外国人のビザや滞在登録は?

どうぞご心配なく、あなたは不法滞在になりません。在モスクワ日本大使館の情報によれば3月15日から6月15日までの期間、外国人のロシア査証、労働許可証等の有効期限が切れている場合や、滞在登録が完了していない場合でも、滞在に問題ないとする旨の大統領令を発表しました!やった!大統領バンザイ!

・ビザが切れていても申請すれば90日間延長してもらえる
・あの悪評高き「滞在登録」も2020年6月15日まで不要
・申請は6月15日以降。現在、そもそも当局が休業中で対応していない

ちなみに私は一時ビザで来ていたため非常に焦っていました。上記の日本大使館の発表がある前、私は独自にしらべ移民局の公式サイトの指示にしたがい移民局を訪問していました。しかしそこでは警察に行けと追い返され、警察に行ったら移民局に行けと言われ、たらい回しの無限ループに陥っていたのです。ロシアではこのように当局の公式サイトで発表されていても、それが有効でないということが日常茶飯事です。発表されているルールや補償制度も然り。なので、何事にも期待しない。これがロシアを生きる知恵です。

⑤個人に対する補助など

次回より詳しくまとめる予定ですが、個人に対しては以下のような補助が発表されています。

・3-7歳の子供のいる家庭に、月5000RUBの支援(7500円くらい)
・失業者に月12,000RUB程度の補助(検疫期間中)(17000円くらい)
・家賃の支払い遅延に対し、遅延損害金をとらないよう勧告

⑥法人に対する政府の補助は…

ありますよ、あるに決まっています。それが本当の意味で今困っている中小零細の事業者たちに有効かどうかは知りませんが。。。

・破産勧告の先送り
・税務監査等の先送り
・借金返済の先送り
・給与支払いのための無利子ローンの提供(一人17,000円くらいまで)
・家賃の支払い先送り
・法人税、所得税、固定資産税などの支払い先送り(消費税は除く)

以上のような保証が政府関係のサイトから明示されています。しかしよく読むと金銭的な補償は非常に小さく、支払い時期を猶予するというものが多い。その上条件は厳しい。中小零細企業や個人事業主にとって、これでは足しにならないという声が多く聞かれます。「有給の非労働期間を実施する!」といえば勇ましく聞こえますが、果たしてその給与は政府から補助されるんでしょうか。まだ第二弾、第三弾の補助政策が出てくるかもしれませんので確かなことは言えません。これについては次回の記事でより詳しく取り上げてみたいと思います。ちなみに私は、あまり期待しないことにしています。

総評

いかがでしたでしょうか。素早いロックダウン、有給の非労働期間の発表、厳格なコントロール。などなど日本に比べ決断が早いと評価される一方、発表と実態が違っていたり、経済政策についてはまだ不明点が多いのが実情です。しかし、乱世というはこういうものなのだと思います。巷の情報は鵜呑みにせず、自分の目で現場みて解決する覚悟をもてば、場所や環境に縛られず生きていけるものだと信じています。

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