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サンダルランの楽しさ!(vol.1)

2019年4月、2年かけて準備してきた世界の250km自給自足レースの一つ、サハラマラソンに挑戦。沢山の方に応援頂き無事にデビと2人で完走。間違いなく自分の世界が広がった瞬間でした。40代ミドルになって、2年も準備するような、こんなドキドキ・ソワソワする自主目標なんてなかったし、感動も大きかった。

ところが帰国後、目標を達成して一気に抜け殻に・・・走る、トレーニングの目的を見失っていたんです。そんなとき、「BORN TO RUN」という本を通じて、ベアフットランニング、ルナサンダルと出会います。

きっとルナサンダルに出会っていなければ、今現在、走れているのか怪しい・・この一年はRUN歴12年の中で、新しい走る楽しさと出会い、サンダルのおかげで走っている感じです。そんなルナサンダルとの出逢い、そこからサンダルランを楽しんでいる今のことを書いてみようと思いました。残しておきたいとも。もしこれを読んでベアフットラン・サンダルで走ってみようと思う人がでてきたら嬉しいですし、感想など聞いてみたい。

最初のきっかけは、昨年のサハラ砂漠のレース途中に、複数の外国人選手が過酷な砂漠をサンダルで走っているのに遭遇したことです。僕らは、気温40℃の砂や岩場を走る対策として、砂漠対策をしたシューズを準備して挑んでいたんです。相当足のケアを戦略的に考えて考えて挑んだレース。そんな中、裸足にサンダルの選手が複数いたんです。ほんまクレイジーや!

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あるサンダルの選手に話しかけたときに「サンダルの方が怪我しないんだよ」と。いやいや指の先から血がでてるやないかーぃ(笑)世界には変人がいる。そんな程度でしかレース中はサンダルについて何も思いませんでした。

帰国後、サハラマラソンの写真を整理している中で、かっこいいジローラモ風イタリア人ランナーが履いていたサンダルの写真を眺めていて、ふとサンダルで走るってどんな感じなんやろうとネットで調べはじめたんです。そしたら既に7年前くらいから、裸足にワラーチやサンダルで走る人が増えているみたいで。海外だけでなく日本でも。知らなかった・・・イタリア人が履いていたのは「ルナサンダル」ってわかったんです。

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ベアフットランニングのパイオニアだそうで。ベアフットランニングとは、裸足やできるだけ薄いソールのシューズでランニングすること。足本来の機能や感覚を取り戻せ、フォームが改善されたり、ケガが防げるとの理由で最近話題になっているランスタイルとありました。

なんでルナっていうのか。メキシコの秘境に暮らす、使い古しのタイヤから伝統のワラッチ・サンダルを作る名人で、伝説の民族タラウマラ族の「マニュエル・ルナ氏」に作り方と哲学を伝授され誕生したと・・

ん??ふとオフィスの本棚に目をやったんです。なんとなく本屋で買ったもののまだ読み出せていなかった5㎝くらいの分厚い本「BORN TO RUN」。表紙を久しぶりにみて、なんとこれやがな!ワラーチ、サンダルで山を走る史上最強民族タラウマラ族の秘術が書かれている本やったんです。

何故買ったのか覚えてないけど(笑)今思うと何かに導かれるように購入していたか。調べたら5年前くらいに流行った本でした。

これです。

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人は走るために生まれてきたというランニングマン説を探求するストーリー。古タイヤを切って作ったワラーチ、サンダルで山を走る史上最強民族タラウマラ族の秘術を探るストーリー。そのタラウマラ族と世界最強ウルトラランナーがメキシコ秘境で激突するレースストーリー。 大きく3つの構成で書かれている、分厚く読み応えある本。

メキシコ秘境に、現代社会と隔絶して暮らす“走る民族”、素足で峡谷を走り抜ける実在のベアフット・ランナー「タラウマラ族」の存在にまずワクワク。峡谷断崖絶壁の横穴の住居で、独自の文化と社会を守り続けているらしく、自らのことを「ララムリ」fleet of foot people=俊足の民と呼び、常に走って移動する。500kmや700kmを一気に走るララムリもいるらしい(爆)走ることとは生活そのもの。

この急峻な峡谷で丸2日間、繰り広げられる伝統的な過酷トレイルレースがあって。最新シューズを履いたアメリカのプロウルトラランナーとタラウマラ族との対決が最後まで目が離せないんです。最新シューズを履いているわけでもなければ、エナジージェルを摂るわけでもないし、トレーニングをするわけでもない。彼らは古タイヤを切って手づくりしたサンダルを履き、カラフルな民族衣装とスカート姿でウルトラを走り切る。エナジージェルではなく、ピノーレというトウモロコシの粉を水に溶かしたパワードリンクを持って。実在するレースだけにめちゃ面白いんです。(この本を読んで実際に、ピノーレを現地に飲みに行った日本人もブログで見つけました笑。すご!)

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出典:https://www.google.co.jp

ただそれ以上に興味深かったのが、そもそも人間が走るために生まれた生き物であるという話です。なぜララムリがそんなに走れてしまうのかというところから、人間の歴史に引き込まれていきます。

本によれば、暑くても長く走り続けられる動物は人間しかいないと!チーターは人間より遥かに速く走れる動物ですが、実は10分くらいしか走り続けることができないらしい…。長時間走れる人間に進化したのは狩りの為だったと!200万年も人間は走力だけで狩猟してらしい・・(驚)シマウマなどの草食動物を4人チームで追う。ある一頭にターゲッティングしたら、群れから逸れさせて、あとは長時間追い続けて、動けなくなったところを捕獲するという狩り。考えられなくないですか??最後諦めるらしいです馬が(驚き)こんな感じやったみたいなんです⇩ 持久走狩猟!

※ 180万年前の人類はマラソンランナーだった!【NHKスペシャル×NHK1.5ch】CG再現の3分ほどなので見てみてください〜
https://www.youtube.com/watch?v=k196j8ZkwT8 

走るために人間の体が進化してきた説にも触れていて。アキレス腱など走る動物にしかないものをヒトには備わっていたり。なるほど…born to run。

あともう一つ大きなテーマが、最近話題になっている厚底クッション付きのような最高級な靴ほど怪我をする確率が高いという問題提起。人間は何千年もシューズを履いていなかった事。自分も経験した厄介な足底筋膜炎などの脚の怪我は、現代だからこそ起こる事かも。

こうした本の展開から、走るということに、改めて関心をもちます。こうなると原点にこそ走る面白さがまだまだ隠されているかのように感じ出します・・

何事も最初は自然に生まれる。それがやがて人間の力が介在して、より楽なもの便利なものになっていく。さらにそこにビジネスが絡んでいく。そうなったときに本来の楽しさがわからなくなってしまいがち。原点の楽しさこそ、真の楽しさ。走る楽しさや裸足という原点に触れることに。

それは今の仕事や生活にも通ずる話だなと…
そんなこんなでベアフットランニングへ吸い込まれていきました。

「ナチュラルであれ!」
「疲労から逃れようとするのではなくしっかり抱きしめることだ」
「疲労を手放してはならない、相手をよく知れば怖くはなくなる」

2019年5月、BORN TO RUN読了の翌日。遂にルナサンダルを買いに行くことに。ここから新たな走る面白さを堪能する一年がスタートします。

また次回につづく…

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