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【連載|第3/4話】REAL WORKOUT 創業4周年記念 挑戦するすべての人に 「コロナ禍の世界と共に崩れ去る組織」

今月でREAL WORKOUTも創業4周年と言うことで、先月より連載を開始した本企画もいよいよ第3/4話目となりました。前回は【連載|第2/4話】REAL WORKOUT 創業4周年記念 挑戦するすべての人に 「前年比300%! 急成長する裏側で育んだ組織カルチャー」と言うことで、創業2年目、急成長する組織裏で僕たちがどのように組織を構築しカルチャーを育んできたかをお話ししました。
第1話では創業年まさに事業を生み出すまでのお話、前回の第2話では組織づくりのお話。本回では創業3年目、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進していた僕たちがまさに文字通り崩壊していく様を書いていきます。突然のコロナ禍、資金ショート、計画になかったビジネスモデルの転換、実は僕自身でも最も振り返るのが重たい回となります。正直、36年間生きてきた中で一番過酷でしんどい1年でした。
それでは全4回に分けた連載モノとなりますが、僕たちの4年間に引き続きお付き合いください。

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2018年4月1日から事業を開始し、今日現在で4年と3日目。なんとか無事に僕たちREALWORKOUTも4周年を迎えられました。
現在のREALWORKOUTの店舗数は全国に68店舗、月間の累計利用者は42000人、総セッション数は250000回以上。
偏にここまで支えてくださったFCオーナー、スタッフをはじめ、会員様、お取引先様、株主様、友人達、全てのステークホルダーの皆様方に感謝を申し上げます。
3回目の本回では2020年4月から2021年4月までのお話しが中心となります。前年度大きな躍進を遂げた僕たちが、この年は迫り来るコロナ禍の煽りを受け、経営者としても数えきれない意思決定を迫られた年でした。そこには僕個人として不本意なものもあったし、たくさんの絆を感じられた瞬間もありました。それでは振り返って参りましょう。

創業3年目(2020年1月〜)

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おくりバント高山さんyutoriのかたぴと目黒 你好で。 

3年目のスタートはTwitterとの出会いからでした。REAL WORKOUTは創業以来WEB広告主流で成長してきましたが、僕自身この年から本格的に店舗のSNSアカウントの運用に取り組みたいと思っており、前職の同僚で仲の良かったyutoriの片石さんを介し、おくりバントの高山さんと出会うことになりました。高山さんのことは出会う前からよくTwitterのTLにでてきていたので知っていましたし、やたらマニアックな投稿でバズってる人と認知していたので初めてお会いできたときは嬉しかったです(キャップはJA太田)。

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株式会社おくりバント はWEBコンテンツを中心とした制作会社です。

早速後日、西新宿のおくりバントさんのオフィスに訪問しその場でTwitterアカウントの運用企画を高山さんが提案してくれました。
高山さん「社長! これから先はとにかくTwitterを真面目にやらないでください、そしてすごくふざけたいので怒らないでもください!」と力説され、企画が立ち上がりました。

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Twitterアカウント、REALWORKOUT(半公式)が誕生。
※ちなみに今日現在でもいまだ半公式。

流石に企業アカウントだからあまりふざけたことをやりすぎても...と僕が不安でいたら、高山さんがすかさず「社長! この世界中で誰もあなたのTwitter見てませんから! 大丈夫です!」と若干傷付くけども前向きなアドバイスをいただきスタート開始。
すると運用を開始後、早速一発目の投稿からバズることに...。

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隠れマッスルと言う、マッチョが街中で隠れているのをただ探し出すというショート動画が徐々にバズりだしました

その後も、連続短編映画「どうしたファイヤーラード」を初め「炊飯器筋肉飯」、「マッチョ100人に聞きました」、「結婚の挨拶に行ったらお父さんの部屋の掛け軸がザバスだった」、「だいたい12時を教えてくれるマッチョ時報」とかたくさんの動画コンテンツを配信しては一部界隈から徐々に人気を集めだしていきました。
このくだらない投稿達が、後に迫り来る危機から救ってくれることになるとはこの時の僕はまだ知る由もありませんでした。
そんなコンテンツ作成に日々取り組んでいる中、テレビでは徐々にコロナウイルスのNEWSが頻繁に報道がされてくるようになりました。

REALWORKOUT(半公式)はこちらから

(2020年2月〜緊急事態宣言)

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初めての大型商業施設への出店を控えるグランベリーパーク南町田店も出店を延期

2020年1月より徐々に報道が加熱しだした新型コロナウイルスのニュース。
2月18日にREAL WORKOUTも最初の対応「当社の新型コロナウイルス感染症の予防と対策についてv.1」を発表しました。この時点では外出の自粛要請と、感染予防の徹底を社内向けにアナウンスする内容が中心だったと記憶してます。
しかしながらREAL WORKOUTとしてはこの時期すでに初の大型商業施設に出店を予定していた南町田店を初め、表参道店、三軒茶屋店などいくつもの出店準備中の店舗を抱えてました。また昨年末に出店したばかりの芝公園店、東神奈川店、祐天寺店などのこともあり、少しずつ僕の頭の中で最悪な事態がよぎりだします。そして程なくして、政府より新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく措置が3月13日に成立、本格的に緊急事態宣言の発令が現実味を帯びてきました。その頃になると店舗の売り上げにも影響が出始めてきて、本格的な休業も検討しだします。
先述通り、前のめりに出店、採用(新卒も含めて)の準備を進めていたREAL WORKOUTは年末に資金調達を実施していましたが、それでも出店にかかる投資コストは数千万円は超えており、当時直営主体で出店を広げていた会社の維持費用は1ヶ月だけでも2000万円にのぼりました。
僕は完全に休業をし、社員の給与や家賃を支払い続けたとしても3ヶ月生き延びられるかどうかだなと算段してました。そこでまず初めにやったことは1円でも稼ぐためのオンライントレーニングの準備でした。

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リモパ(リモートパーソナルトレーニング)の誕生

冒頭で話したTwitter運用のこともあり、当時毎日のように僕は高山さんと連絡を取り合っていて、ある日高山さんが「社長! ZOOMを使ってやりましょう! 店舗を閉めていてもこれならトレーニングできますよ!」と力説してくれました。ジムと自宅を使ってテストを繰り返し、超突貫でサイトを立ち上げ、連日Twitterでトレーニング風景を配信しました。また普段は企業コンテンツの制作など裏方に徹する高山さんが「俺が痩せたらみんな信じます! プレスリリース出しますよ!」とダイエット開始のプレスを配信してくれました。

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リモパの練習風景

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実際のプレスリリースがこちら

ただし、この状況下でどれだけリモパが売れたとしても60名にも及ぶスタッフの雇用維持や、出店コストを抱えてる現状を打破することなどできないとわかっていました。それでも高山さんはいつでも前向きな言葉をかけてくれ励ましてくれたことが嬉しかったです、また何か動いてないと頭がおかしくなってしまいそうで、なんでもいいから状況を動かしてないと不安で押しつぶされてしまいそうでもありました。
そしていよいよそんなさなか本格的に緊急事態宣言が発令されます。

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REAL WORKOUTクラウドファンディング特設サイト

初めての緊急事態宣言の発令、僕たちも周りの企業や社会と足並みを揃えるべく各店舗の休業に踏み切りました。いつまで続くのかも不透明ななか、ひたすらさまざまな支援金や融資情報を手当たり次第に調べ尽くしました。しかし当時の支援金条件のほとんどが昨年度の当月売上を対象に50%以上減していることでした。
また僕たちは短期間に急速的に事業が伸びていたことから、1年前といっても1年前には数店舗しかなかったわけですから、26店舗となっている今年を昨年と比べても50%減など到底ならないわけです。国からの援助もないとなればもうこの短期間でできることはクラウドファンディングしかない、そう思い急遽こちらも突貫工事的にクラウドファンディングのサイトを自力で立ち上げました。返礼品としてトレーニングチケットの前売り券やリモパチケット、また元々リリースを予定していたオリジナルウェアなどのアパレル商品を前倒しして掲載、藁にも縋る思いで日夜Twitterを中心に配信をしていきました。

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しかしながらそんな対応に追われながらも預金残高だけはみるみると減っていきます、月末に給与を支払い、家賃を支払い2ヶ月だけでも数千万円単位で現金が飛んでいきました。それでも最悪の状況だけは回避しなければ、この状況がいつまで続くのかもわからない。そんな思いを抱えながら日々過ごすなか1つの案が浮上します。
事業を直営主流からFC主流に転換する案。
しかしそれは昨年、あらゆる投資家の皆さんから資金調達したばかりの僕からすると苦渋すぎる決断でした。
直営のように1局集中的にコストを抱えることは、景気が上向いているときは意思決定の速度、事業の統括のしやすさ、また事業価値の観点からもメリットは大きいですが、このような状況下では逆に高いリスクを背負うこととなっていました。
しかしながらFCとなれば明確に事業価値は減損させてしまうし、ここまでやってきたスタッフとの雇用関係も無くなってしまいます。
それでも今はREAL WORKOUTという屋号を1店舗でも多く残さなければならないという気持ちが日増しに大きくなり、その一点の可能性を模索するべく動き出します。日中はFCオーナーとなって引き受けてくれそうな先に順番に出向きました、また社内のメンバーにもこの最悪な状況下でFCとして独立してくれるものがいないかとも募りました。すでに内定していた方に入社を待っていただいたり、取引先にもできるだけ支払い期限を猶予、または減額してもらえるよう話もしました。とにかくできること全て、頭に思いつくこと全てを手当たり次第に取り組みました。その時すでに僕の精神状態は崩壊していて毎晩のように嘔吐を繰り返しては深夜のオフィスの床に突っ伏して朝を迎えていました。

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今はなき当時の恵比寿の作業部屋、この部屋を思い出すだけで今でもたまに眩暈がします。w

そしていよいよ選択の時を迎えます。
最終的には、スタッフやFCオーナーと連日話をさせていただいた結果、ほぼ全ての店舗をFC化することで話をまとめることとなりました。
全店舗のコストを抱えたままでは廃業までのタイムラインは自ずと短くなりますが、コストを分散し各店舗ごとで維持してもらうことで少しでも寿命を伸ばすことができる、またこの先コロナ禍の生活が何年と続くかわからない状況を鑑みれば、FC化することで中長期的にもREAL WORKOUTというブランドを存続させやすくなるはず、そう信じて決断しました。
元々直営主流で事業を計画していたにも関わらず、このようなわがままな決断、状況を理解し不安ながらも引き受けてくれた今のFCオーナーの皆さんや、志を一つ共にやってきたにも関わらず、状況を理解してくれFC先への転籍を引き受けてくれた当時のスタッフ達には心の底から感謝しています。今でも頻繁にみんなと1on1してた頃の夢を見ます。

(2020年6月〜再出発)

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自前で作成したクラウドファンディングの支援金は12,213,126円に

まさに2月から始まった地獄のような数ヶ月を過ごした僕たちですが、4月にリリースしたクラウドファンディングの支援金は、皆様のご支援のおかげで1000万円を超えていました。この期間のTwitterのimpは今振り返るとかなりバグってて3ヶ月で13,540,047 imp、81,245 イイね。「コロナ禍でもくだらない投稿ばかりして笑かしてくれてありがとう」とたくさんのお言葉をいただきました。結局はTwitterの皆様に助けられたのは僕達の方でした。
また無事にこの期間、リモパを自力で開発した上、数えきれないほどのTwitter上でバズを生み出してくれた高山さんは有言実行、本当にリモパで20kg以上の減量成功を果たしました。
※詳しいダイエットの経緯は以下の記事にて。

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【完全保存版】週3二郎に通う108kgの巨漢が約20kgのダイエットに成功するまでの全て

(2020年8月〜新FC体制の構築)

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8月になるとほぼ全ての店舗で営業再開となりました。この夏の期間は各店舗がFCに契約移行するとあってREAL WORKOUTの本部機能の立ち上げが僕自身急務となっていました。まず直営店舗(キャッシュエンジン)がほとんどないので最小限のメンバーで組織を再構築せねばならず、本社機能はメンバー数名での立ち上げ作業となりました。
僕自身、FCとはなんぞやっていうレベルからのスタートだったのでまず当時仙川店でトレーナー勤務していた出口さん(現RWフランチャイズスーパーバイザー)に声をかけました。元々前職でフランチャイズの飲食店でSVをしていたと聞きつけ、FC立ち上げの急先鋒に立ってほしいと話しました。数ヶ月でやれることの量じゃないと僕も出口さんもわかっていましたが、「マジっすかー?」と言いつつも引き受けてくれたことに感謝してます。w
そこから年末まではひたすらFC体制の構築に時間を費やす日々でした。徐々に店舗運営も回復してきたことで年末までにまた新規のFC出店が加速し出しました。この年の出店はコロナ禍の影響もあり、新規出店は14店舗にとどまり店舗数は40店舗となります。当初の目標の半分以下の成果でしたが、何よりも生き延びられたこと、事業体制は変わってしまったけれど1店舗も閉店させずやってこれたことに安堵したことを覚えてます。

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マーケの日高さんとトレーナーの神田と夜明け前の公園で謎の花火で慰労会

この年は僕にとって壮大な挫折を味わう1年間となりました。
万が一を想定しての事業計画ができていなかったこと、前年度飛躍したことによって調子に乗って高いリスクを抱えた状態で事業を前のめりに進めてしまったこと。そして緊急事態にも関わらず誰にも頼れず現況を抱えてしまい体を壊してしまったことも愚かなことだったと思います。
事実、いざ僕が「直営経営をFC経営にしたい」と話をしたときにほとんどのFCオーナーさんが手を差し伸べてくれました。たくさんの温かい言葉もかけてくれました。またスタッフも混沌とする情勢の中、家族がいたり、守るべきものがあるにも関わらず理解を示してくれました。僕自身が在りたい姿、成し得たいヴィジョンに執着しすぎることで多くの方を不安にもさせていたし今となれば深く反省をしています。年末の最後に創業以来、ずっと一緒にマーケティングチームを支えてくれている日高さんから「何はともあれ耕平が生きててくれてよかったよ俺は」と言ってくれたときはただ涙が止まりませんでした。
FCへの体制変更によって、店舗運営自体が僕の手からは少し離れてしまったけれど、この年にこの決断を行う過程での出来事が、僕にとってさらにREAL WORKOUTが人生の中で大切な存在となった瞬間でも在りました。
1回死んだ身、この先どんな状況が待ち受けていても必ずREAL WORKOUTを再起させ、日本を代表するパーソナルジムブランドにして見せる。と決意する3年目の土屋がいました。

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最後に最も大変な1年間を共に伴走してくれた高山さんと思い出フォト✌️

ちなみに当時、高山さんにも「本当に申し訳ないのですが、広告費用の支払い期限を伸ばしてほしい」と僕から話したら、高山さんは「社長! わかりました、それは100歩譲っていいんですけど、会社がこの困難を乗り越えられた暁には、孫の代、3世代先まであの時高山さんが支払い期限を猶予してくれたから今のREAL WORKOUTがあると必ず言い伝えてください、それは絶対にお願いします!」と言われたのを今でも思い出します。言い伝えます絶対に。

次回は、【連載|最終/4話】REAL WORKOUT 創業4周年記念 挑戦するすべての人に 「共同創業者との別れ」

最後までお読みいただきありがとうございました!Bye

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