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熊本市議選の交通争点 (1)熊日の交通政策アンケート
明日2023/4/9(日)は統一地方選挙で、熊本市議と熊本県議の改選が行われる。本記事は、熊本で関心事・争点となっている渋滞解消に、各政党・候補がどのような方針を掲げているか、報道と選挙公報から調べた上で、熊本の都市交通のあり方を考えた4回シリーズである。
熊本市議選 熊日アンケート
昨日4/7の熊本日日新聞に、熊本市議選候補者への道路や交通に関する政策支持アンケート結果が報じられた。ここでは、熊日が挙げた12の政策のうち力を入れるべきものを3つまで候補者が挙げている。
1, 2, 4位が道路整備
TOP5には道路整備が並び、③公共交通の拡充は4位・31%に留まった。
1位 ①新たな広域道路「10分・20分構想」の具体化 33人(49%)
2位 ⑥渋滞解消に向けた右折レーン増設などの道路改良 28人(43%)
3位 ⑫過疎・高齢化地域のコミュニティー交通拡充 25人(35%)
4位 ②市が建設中の熊本西環状道路の早期完成 21人(31%)
4位 ③バスや市電などのルート・本数の充実 21人(31%)
「10分・20分構想」とは
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「10分・20分構想」は高規格道路3路線の整備により、市中心部から九州自動車道のインターチェンジまで10分、熊本空港まで20分での移動を目指す計画である。都市高速構想などと呼ばれることもある。
整備費用は、福岡高速が9403億円/60.5km・北九州高速が3600億円/49.5kmかかっていることから、数千億円はかかると考えられる。
政党ごとの違い
自民・公明は都市高速
熊日の報道では「5割弱が「10分・20分構想」の具体化重視」と題されているが、政党ごとに整理すると大きく意見が割れていることがわかる。
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「10分・20分構想」の重視は、与党とされる自民が56%、公明が100%と高い。一方で、中立会派とされる社民・立憲・国民は計25%、野党とされる共産党は0%と対照的である。
公共交通拡充は野党や無所属に多い
「③バスや市電などのルート・本数の充実」を重視するのは、共産・参政の67%(2/3)、無所属の59%(10/17)である。与党の自民は22%(6/22)、公明は0%(0/7)に留まっている。
立憲の67%(2/3)や社民の50%(2/4)は、「④公共交通の維持に向けた事業者への経営支援」という産業保護として捉えているあたりに、運輸業の労働組合から支持される両党らしさが表れている。
西区では公共交通支持ゼロ・西環状道路を支持
続いて、選挙区別に集計した結果を示す。
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「②市が建設中の熊本西環状道路の早期完成」は、この道路の恩恵を直接受ける西区(75%)と南区(65%)での重視率が高い。
一方で西区は「③バスや市電などのルート・本数の充実」の支持がゼロである。西区にはJR熊本駅・上熊本駅のほか、市電、九州産交バス西部車庫があり、駅に近い方は公共交通が比較的充実しているが、その拡充を重視する候補を選ぶことはできないようだ。
中心市街地の中央区や、住宅が密集する東区は、③公共交通拡充や⑥右折レーン等道路改良の重視が多い。田畑も多い南区は、「⑨過疎・高齢地域のコミュニティー交通拡充」の重視が55%と多い。
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