こはく堂薬局

長崎県にある保険薬局です。正しい医療情報を伝えようと、管理薬剤師が投稿しています。 ご…

こはく堂薬局

長崎県にある保険薬局です。正しい医療情報を伝えようと、管理薬剤師が投稿しています。 ご自身の健康をつくるために、薬剤師を利用してください。 (イラストAC のイラストを使用しています。感謝) □質問箱□https://peing.net/ja/kohakudo93/

マガジン

  • くすりのはなし

    【一般向け】薬について説明している記事を集めています

  • 589club マガジン

    メンバー向けマガジン

  • こはく堂薬局が届ける DI NEWS

    【薬剤師向け】薬剤師が医薬品情報をまとめてお届けする DI NEWS です。 内容は、専門性が高い事項を含むので、一部有料設定にしています。 なお、メンバーシップの方は閲覧可能な設定にしています。

  • 看護薬理学

    【医療・介護関係者向け】看護学校での薬理学授業の参考資料として作成したものです。 実際に医療現場で活用するには、もう一歩、各薬剤について踏み込む必要がありますが、あくまでも、導入のための知識としてまとめていますこと、ご理解ください。 ※内容は作成時点の情報に基づいて、十分に確認して作成しているつもりですが、誤りが含まれる可能性もあることをご理解ください。 また、最新の情報をご確認くださいますよう、お願いします。 内容は、私がこちらに掲載している内容と同じものです。 https://ph-info.info/ ○Special thanks 資料内のイラストは、イラスト AC から、借用しています。 https://www.ac-illust.com/

  • 情報に基づく服薬指導

    【薬剤師向け】エビデンスを、わかりやすい服薬指導に生かしましょう。 日常業務で使えそうな一次情報を、私なりに噛み砕いてお伝えします。

最近の記事

セファロスポリン系抗菌薬の供給状況(7月1日現在)

以前に、セファロスポリン系抗菌薬の供給状況をまとめました。1ヶ月後の現状について、情報をまとめてみましょう。 今回も、情報源は、厚生労働省が取りまとめて公表しているものを参照しています。 前回(6月3日時点)と同様に、薬効分類ごとに見ていきます。 薬効分類ごとの医療用医薬品供給状況抗菌薬に関連する薬効群について、薬効群ごとに、製造販売業者の「出荷対応」の状況を、通常出荷・限定出荷・供給停止の3つに分けて示しています。 全体的な傾向は、前回と同様です。 セファロスポリン

    • 虫よけスプレーの選び方

      急に気温が高くなり、虫も多くなってきました。 外で活動する際にかかせない虫よけスプレーの選び方について、ご紹介します。 市販されている虫よけスプレーの成分市販されている虫よけスプレーに使われる成分には、「ディート(化学名:ジエチルトルアミド)」「イカリジン(別名:ピカリジン)」があります。そのほか、オーガニックのものも市販されています。 人に対して、蚊やのみなどを防除する効果があることを、厚生労働省が承認している成分には、「ディート(化学名:ジエチルトルアミド)」と「イカリ

      • 医療用医薬品供給状況 まとめ(令和6年6月7日現在)

        こんにちは、こはく堂薬局です。 引き続き、令和6年6月7日(金)時点の状況をまとめてみようと思います。 データの出典は、厚生労働省がとりまとめて公開している医療用医薬品供給状況です。 薬効群別まとめ・通常出荷の割合前回のまとめ 大まかに状況をつかむために、薬効群別に製造販売業者の出荷状況をまとめました。 令和6年6月7日現在 薬効群別に、製造販売業者の出荷状況を、「通常出荷」「限定出荷」「供給停止」に分類して、品目数をまとめています。「通常出荷」品目の割合が、50

        • 牛乳アレルギーと薬剤

          牛乳アレルギーに禁忌の薬 牛乳アレルギーの原因となる主要なアレルゲンには、カゼイン、β-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン、および牛血清アルブミンがあります。これらのタンパク質は、特に乳児において免疫反応を引き起こしやすいです。 医薬品の中にも、乳タンパクを含有するものがあり、牛乳アレルギーを持つ方には、乳タンパクを含む医薬品は禁忌であり、使用を避ける必要があります。 耐性乳酸菌製剤 耐性乳酸菌散10%「トーワ」 経腸成分栄養剤 イノラス配合経腸用液 エネーボ

        セファロスポリン系抗菌薬の供給状況(7月1日現在)

        マガジン

        • くすりのはなし
          7本
        • こはく堂薬局が届ける DI NEWS
          9本
        • 589club マガジン
          5本
        • 看護薬理学
          56本
        • 情報に基づく服薬指導
          2本
        • 薬剤師のメモ帳
          2本

        記事

          セファロスポリン系抗菌薬の供給状況(6月3日現在)

          医療用医薬品の供給困難問題は以前から継続していますが、抗菌薬の製造、及び、他の製薬企業に対して原薬供給(製造委託)をしていた工場において、不適切製造の事実が発覚したことも重なって、抗菌薬の供給が非常に困難を極めている現状にあります。 そこで、厚生労働省が取りまとめて公表している医療用医薬品供給状況(6月3日現在)のデータを見てみましょう。 薬効分類ごとにまとめます。抗菌薬に関連する薬効群を見てみましょう。 薬効分類ごとの医療用医薬品供給状況抗菌薬に関連する薬効群について

          セファロスポリン系抗菌薬の供給状況(6月3日現在)

          12-4 甲状腺関連治療薬

          甲状腺甲状腺は10-20 g の小さな臓器であり、気管を前から取り囲むように配置しており、甲状腺を裏から見ると、副甲状腺がある。 甲状腺の働き: 甲状腺には、内分泌腺として、ホルモンを分泌し、体の機能を調節する重要な機能を担う。 甲状腺ホルモンの産生にはヨードが必要であるが、日本人は海藻(のり・ひじき等)を食べる習慣があるため、ヨード欠乏症は少ないと言われている。 甲状腺ホルモン トリヨードサイロニン:T3 サイロキシン:T4 カルシトニン 副甲状腺 副甲状腺も

          12-4 甲状腺関連治療薬

          12-3 糖尿病治療薬/経口血糖降下薬

          糖尿病治療薬インスリンの病態に応じて、適切な治療薬が選択されます。 インスリン分泌障害 インスリン分泌障害には、インスリンを補うためのインスリン製剤、インスリン分泌を促進する薬が用いられます。 インスリン分泌を促進する薬には、血糖非依存性と血糖依存性があります。血糖依存性とは、血糖が高くなり、インスリン分泌を増加する必要があるときに、インスリン分泌を促進する作用を示します。 インスリン抵抗性 インスリン抵抗性を改善する薬には、ビグアナイド薬、チアゾリジン薬があります。

          12-3 糖尿病治療薬/経口血糖降下薬

          医療用医薬品供給状況 まとめ(R6年5月23日現在)

          医療用医薬品供給状況厚生労働省は、「医療用医薬品の供給不足に係る報告について」(令和6年3月28日付け通知)に基づき、限定出荷や供給停止等の供給不足の発生について、製造販売業者から供給状況報告をまとめて公開しています。 前回、個別の品目ではなく、薬効群ごとに傾向を見てみました。出荷停止品目が多いものをポイントにデータをまとめました。 今回は、別の視点から、「通常出荷」の割合をポイントにしてまとめました。 データ出典:厚生労働省 >医療用医薬品供給状況 製造販売業者からの

          医療用医薬品供給状況 まとめ(R6年5月23日現在)

          12-2 糖尿病治療薬/インスリン

          糖尿病治療薬には、たくさんの種類があります。大きく分けると、 インスリン分泌を補う薬 インスリンを補充する インスリン分泌を刺激する インスリ抵抗性を改善させる薬 血糖値を下げる薬 があり、病態に応じて、適切な薬剤が選択されます。 ただし、妊娠糖尿病は、血糖値の厳密なコントロールが必要であるため、インスリンの適応となります。 糖尿病の治療目標糖尿病の治療として、根治は困難であり、合併症を防ぎながら、健康な人と変わらない QOL を維持し、寿命を確保することが目標

          12-2 糖尿病治療薬/インスリン

          12-1 糖代謝

          体内で糖はどのように調節されているのか?全体の流れ 糖は、重要なエネルギー源として、生命活動を行うために必要な物質であり、血中の糖濃度は、一定になるように(一定の範囲内に)制御されています。 図には、体で糖を調節する仕組みをまとめています。左側には、血糖値を増やす要因を、右側には、血糖値を減少させる要因をまとめています。 大きな流れとして、食事から吸収した糖(↖️左上)は、血液中を流れて全身を巡り(中央)、全身で活用されます(↘️右下)。 ↗️(右上)使用せずに余った

          医療用医薬品供給状況 まとめ(R6年5月22日現在)

          医療用医薬品供給状況厚生労働省は、「医療用医薬品の供給不足に係る報告について」(令和6年3月28日付け通知)に基づき、限定出荷や供給停止等の供給不足の発生について、製造販売業者から供給状況報告をまとめて公開しています。 令和6年5月22日現在の情報についてまとめてみました。 薬効分類ごとのまとめ元のデータは、個別の医薬品ごとにデータが記載されています。当然必要なデータなのですが、品目数があまりにも多いため、全体での傾向を掴むことが難しいです。そこで、薬効分類ごとに供給状況を

          医療用医薬品供給状況 まとめ(R6年5月22日現在)

          11-8 泌尿器に作用する薬物

          排尿の機序蓄尿のメカニズム 腎臓で作られた尿は、膀胱に貯められて、排出されます。「尿を溜める」・「尿を排出する」下部尿路機能は、交感神経・副交感神経・陰部神経によって調節されています。 6-2 自律神経系による臓器の調節|こはく堂薬局 (note.com) ○陰部神経 陰部神経は、体制神経であり、自律神経系と異なり、意思でコントロールできます。陰部神経は、外尿道括約筋を収縮させる(尿の出口を閉める)ことで蓄尿に働きます。 ○交感神経 交感神経の受容体は、膀胱の袋自身

          11-8 泌尿器に作用する薬物

          11-7 男性ホルモン関連薬

          男性ホルモンの調節機構男性ホルモン(アンドロゲン)は、精巣のほか、副腎皮質でも作られています。 男性ホルモンの分泌は、上位中枢からの制御を受けて調節されています。調節経路には、大きく分けて二つあります。 視床下部から放出される LH-RH によって、下垂体から LH が分泌されます。これは、精巣からのテストステロン分泌を促します。 視床下部から分泌される CRH は、下垂体から ACTH 分泌を促し、これは、副腎性テストステロン分泌を促します。 男性ホルモンの合成経

          11-7 男性ホルモン関連薬

          11-6 女性ホルモン関連薬

          エストロゲン受容体エストロゲン受容体は、生殖器だけでなく、全身に存在しており、さまざまな生理作用と関連しています。 肝臓では、血液凝固因子の産生を促進します。また、LDL-コレステロールを増やし、HDL-コレステロールを減少させる働きもあります。 骨では骨吸収を抑制するため、骨密度を増加させる作用があります。 女性が閉経後、エストロゲンの産生が減少すると、これらのエストロゲンの加護がなくなるため、更年期症状だけでなく、脂質代謝異常症や骨粗鬆症のリスクが増大します。 そ

          11-6 女性ホルモン関連薬

          11-5 生殖補助医療

          不妊症夫婦が妊娠を希望し、1年以上性生活を行っているにもかかわらず妊娠しない場合を不妊症といいます。年齢が上がると妊娠しにくく、治療効果も得にくい傾向があるため、1年以上妊娠しない場合は不妊症に該当するので、悩んでいる方には早めに相談するように勧めるのがよいです。 不妊症の原因には、女性側の要因と男性側の要因、両方があります。 不妊症の要因 不妊症の要因には、以下のようなものがあります。 内分泌・排卵因子 卵管因子 子宮因子 頸管因子 男性因子 内分泌・排卵因

          11-5 生殖補助医療

          11-4 経口避妊薬

          経口避妊薬望まない妊娠を避けるための手段として、避妊は非常に重要です。 事前に可能な避妊法として、経口避妊薬のほか、子宮内避妊具(IUD)、コンドームなどがあります。経口避妊薬は、女性主体にできる避妊法であり、正確に服用すれば、確実な避妊効果が期待できます。 避妊をしなかった、または避妊に失敗した時、望まない性交渉の後などから、妊娠を阻止する緊急避妊法には、緊急避妊薬や銅付加 IUD の装着があります。 経口避妊薬(OC)低用量経口避妊薬や低用量ピルとも呼ばれます。 成分

          11-4 経口避妊薬