医療用医薬品供給状況 まとめ(R6年5月22日現在)
医療用医薬品供給状況
厚生労働省は、「医療用医薬品の供給不足に係る報告について」(令和6年3月28日付け通知)に基づき、限定出荷や供給停止等の供給不足の発生について、製造販売業者から供給状況報告をまとめて公開しています。
令和6年5月22日現在の情報についてまとめてみました。
薬効分類ごとのまとめ
元のデータは、個別の医薬品ごとにデータが記載されています。当然必要なデータなのですが、品目数があまりにも多いため、全体での傾向を掴むことが難しいです。そこで、薬効分類ごとに供給状況をまとめました。
同薬効分類群の中で、「供給停止」の品目数の割合が大きかったものは、下記の通りです。
「供給停止」の品目数の割合が特に多かった「サルファ剤」「抗毒素類及び抗レプトスピラ血清類」「主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの」「刺激療法薬」のうち、「サルファ剤」「抗毒素類及び抗レプトスピラ血清類」「刺激療法薬」の3薬効群は、薬価削除品目が出荷停止になっているため、割合が増加しています。
「主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの」は、臨床でも非常に必要とされる場面も多い薬剤ですが、供給が困難な状態です。
主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用するもの
出荷停止29品目は、下記の4成分の薬剤でした。
アジスロマイシン
クラリスロマイシン
ジョサマイシン
ロキシスロマイシン
エリスロマイシン・スピロマイシン以外のマクロライド系薬剤は、どれかの製品が出荷停止であるという現状です。
アジスロマイシン
内服薬では、先発品以外、後発品は全て、「限定出荷」または「出荷停止」状態です。
クラリスロマイシン
ドライシロップは、全て、「限定出荷」または「出荷停止」
錠剤は、通常出荷はごく一部で、他は、「限定出荷」または「出荷停止」
ジョサマイシン
全て、薬価削除のため供給停止
ロキシスロマイシン
5品目のうち、3品目が供給停止(行政処分を含む)、2品目が限定出荷
非常に多数の品目が、いまだに供給状況が改善できずにいます。抗菌薬や鎮咳去痰薬は、需要増による出荷調製がいまだに継続しています。
成分ごとに見ると、出荷停止の品目があるのは、744成分。
出荷停止の製品が2桁以上と品目数が多く、影響が大きいものを以下に挙げます。(パーセンテージは、出荷停止品目の割合)
令和6年5月22日現在の情報です。