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ペットロスガーデン(エッセイ)

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ペットロス歴10年、庭の植物や野鳥と暮らす、日々の考察です。 書きためたエッセイを投稿しました。15話完結+2話のお話です。順に読んでいただけたら嬉しいです😊
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#植物のある暮らし

庭の中にある物語(エッセイ・ペットロスガーデン⑨)

庭の中にある物語(エッセイ・ペットロスガーデン⑨)

そういう花が、いくつかある。
見た目が好きな花、というのとは少し違って、思い入れのある花。
忘れられない思い出とか、何かエピソードがあったり、まあどれも、今はいない犬たちとの思い出が絡んでいることが、ほとんどなのだけれど。

今日はそのひとつ、「千日紅(センニチコウ)」にまつわる話。

あれはまだ、今の庭をつくる前。
ターシャ・テューダーのような広い庭に憧れながら、アパートの1階のベランダで、沢

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薔薇に救われた話(エッセイ・ペットロスガーデン⑧)

薔薇に救われた話(エッセイ・ペットロスガーデン⑧)

玄関の横に、「アンジェラ」というバラがある。
淡い色の花が多い我が家の庭には珍しく、蛍光をほんの少し含んだような、鮮やかなピンク色の、お姫様みたいなバラだ。
アンジェラはどんなに強く剪定をしても、どんどん新しい枝を伸ばす。
虫が付いて葉が落ちても、また必ず返り咲く、頼りになる存在だった。

しかし、花付きがよく、あまりに鮮やかに咲くので、その蛍光ピンクは私には眩しくて、玄関横には派手すぎるからと、

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葉っぱをつけた店長さんと、はじめてのハーブ料理。(エッセイ・ペットロスガーデン⑥)

葉っぱをつけた店長さんと、はじめてのハーブ料理。(エッセイ・ペットロスガーデン⑥)

キッチンの窓辺に這わせたブドウの葉は、夏が近づくにつれてどんどん大きくなり、顔が隠れるくらいの大きさになった。
これから、優しい木陰を作るだろう。

まめではない、私の庭に、丈夫なハーブは強い味方だった。
なこ(愛犬のパグ)がいなくなってから、荒れ放題の庭の中で、ハーブだけはしっかりと生き延びてきた。
ローズマリー、様々なミント、オレガノ、フェンネル。
思えば以前から沢山のハーブを植えている。しか

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園芸店にて(エッセイ・ペットロスガーデン⑤)

園芸店にて(エッセイ・ペットロスガーデン⑤)

友人のNちゃんと、ロイホでランチをして別れた後、そこから車で15分ほどの園芸店に寄ってみることにした。

うちからは少し遠いけれど、以前はよく通ったものだ。
ホームセンターには置いていないような、センスのいい宿根草や、オールドローズなんかも数多く揃えられていたからだ。
何か欲しいものがあったわけではないけれど、近くまで来たこともあって、久しぶりに行ってみた。

ガラス張りの店内は、前とは少し雰囲気

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幸せそうな、黄色いハンカチ(エッセイ・ペットロスガーデン④)

幸せそうな、黄色いハンカチ(エッセイ・ペットロスガーデン④)

秋に植えたダイヤーズカモミールは、その場所がよく合ったのか、びっくりするくらいに大きくなっていた。

6月に入ると黄色い花を次々に咲かせ、その花は、摘んでも摘んでも尽きそうにないくらいに咲いて、部屋に飾るにも限界があるほどだった。
なんでこんなに咲くのか、どうしろというのか、と思った時、幸せの黄色いハンカチを染めてみようと思いついた。
自分の分と、大好きな友達にも贈ったら楽しそうだ。

ダイヤーズ

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