見出し画像

学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その2】

 「さくらや」の馬場加奈子社長は、地元香川の経済誌で巻頭特集が組まれたり、日経ウーマンの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017」に選出された際には記事で取り上げられたり、英誌「エコノミスト」の元編集長から著書出版のための取材を受けたりするうちに、出版を身近に感じるようになっていきました。

画像1

 地方公共団体向けの「地方行政」や、金融機関向けの「銀行実務」といったお堅い雑誌にも、ソーシャルビジネスとしての「さくらや」や、高松信用金庫と取り組んだ「キャリスタ塾」が取り上げられるようになっていました。

 そして、起業セミナーで目を輝かせながら馬場さんの話を聞く女性を目にして、馬場さんは起業した当時の自分を見ているような気持ちになりながら、限られた時間で自分の経験を伝えきれないもどかしさを感じていました。起業セミナー以外にも、子どもの貧困対策フォーラムやSDGs研修など、馬場さんが登壇する講演の会場に足を運べない人や、より深く掘り下げて知りたい人のためにも、「さくらや」での経験を初め、馬場さんのことを伝える手段として、本の出版を真剣に考えるようになりました。

画像2

 企業の経営者や創業者が出版する本としては、自叙伝やサクセスストーリー、経営思想書、ノウハウ本など、様々なタイプがありますが、馬場さんは単に「さくらや」を紹介するビジネス本や馬場さんの成功物語を文章化するような本にはしたくないと考えていました。

 馬場さんは、自身が講師を務める講演会やセミナー、さらには各種授賞式への参加を通じて、全国各地で活躍する社会起業家や福祉関係者、行政職員、大学教授など、さまざまな人たちと交流を持ってきました。興味深い取組みをしている人がいれば、遠方でも出向いて行って話を聞いてきました。

画像3

 そこで、さくらやだけでなく、全国の地域づくりやコミュニティデザインに関わる人たちとの対談や取組内容についても盛り込むことにしました。

 もちろん、馬場さんが取り組んできた内容も、
 ●さくらやの起業の始まり
 ●馬場さんのライフヒストリー
 ●馬場加奈子が手がける起業家支援(キャリスタ塾)

 ●さくらやが実践するSDGs
などを盛り込むことにしました。

 そして、形式としては文字ばかりが並ぶ本ではなくて、カフェや美容院に置いてもしっくりくる、写真がふんだんに使われたMOOK本(雑誌=magazineと書籍=bookの特性を持ち合わせた出版物)が良いと馬場さんは思いました。地域で「何かしてみたい」と思っている女性の背中をポンと押す、手に取りやすいオシャレなビジネス本を目指したのだそうです。

 出版社は、香川県や四国の魅力を発信するIKUNAS(イクナス)という月刊誌を出しているtao.という会社にお願いしました。馬場さんが目指す「女性が手に取りやすいオシャレな本」を作ってもらえそうという判断でした。

 こうして、馬場さんにとって初めての「本づくり」プロジェクトが始まったのです。

続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?