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「0 → 1」 について

コンセプトの初作「0 → 1」をリリースしました!!みんなに聴いてもらえて嬉しいです ありがとうございます!


はじめに

前回のnoteでは、自分と音楽、コンセプトについて書いたけど、今回は今作品について書いていこうと思う。

大前提として、音楽はリスナーが解釈すればいいし、自分の好きなように聴けばいいと思う。自由でいい。
自分の曲も聴いてくれた人それぞれに解釈してもらいたいし、それぞれに染み込んで、1人1人の曲になってけばいいなって思う。
ここに作品の全てを書くわけではないけれど、自分で作品を捉えたい!って人には、これから先を読んでもらうのはオススメできない。

ただ、自分も聴いてくれた人には曲と背景について少しでも知ってほしい思いもあるから、書けることは書こうと思う!
分かりやすいことをやってるつもりはないし、正直
ファーストインプレッションは「なんだこれ」ってなるような曲もあると思うし。
少しでも曲について知ってほしいし、たくさん聴いてもらえたらいいなって思います!

「Baby's Destruction」

1曲目はこれ!
初めは2曲目の「月と東京」を1曲目に収録する予定
だったんだけど、クオリティと自分の好みで納得できるのがこっちだったから、これを1曲目にした。

結果的に、「0 → 1」の中では比較的万人に好かれそうな、明るい曲調の「月と東京」よりも、あえて
ある種 なんだろうこれっていう違和感を持ちそうなこの曲から始めたのも良かったと思った。

この曲は電気グルーヴの「Baby's on Fire」があまりにも最高すぎて、それっぽい曲を作りたいなって思って作り始めた曲で、作詞の最初の段階では、赤ちゃんが次々に街を破壊していくみたいなイメージで作ってたから、仮タイトルを「Baby's Destruction」にしてた 笑。だから冒頭の歌詞が最初は 「高架線を燃やして」だった気がする。書いてくうちに

「感情線を周回して
君の体内道路通過して」

っていう自分でも気に入ってる詞がでてきたから、
これをもとに自分の中での「恋」を描こうと決めて、
最終的に「男女の掛け合い」みたいなイメージを持つ曲に完成した。曲名の「Baby's Destruction」も、
色んな意味を連想させることになった。急に
「Baby's Destruction」って無関係そうな歌詞がでてくるのも、なんやそれって感じあって良いと思った。

日本の音楽で「恋」の歌っていうと、現代だとポップスとオルタナティブロックが主流だと思うんだけど、ハウス、テクノ、エレクトロニックな音楽で恋を歌ってる曲ってあんまないんじゃないかと思ったし、
自分は電気グルーヴの歌詞に「狂ってる面白さと、
同時に美しさ、メロディーとの共存」を感じて、それを自分の中で表現できたのは良かった。同じメロディーがリピートされるから、言葉に着目して聴ける楽曲にもなってると思う。

「安心感を投下して
君の道徳観 脱がしてって」

って詞には、女王蜂の影響感じる。

サウンドメイク的には、キックの音をめちゃくちゃ
でかくして、ダブリング(重ね録り)したボーカルが、
前面にでてるキックの後ろで聴こえてんのが結構好きだし、ボーカルが前に出すぎず滲んでる分、なんて
歌ってるんだろう、って歌詞を見てもらえるきっかけにもなってると思う。シンセベースもうねうね鳴ってるから、低音を前面に中心に、その周りを高音が
うろついてるような、メリハリのあるサウンドメイク、ミックスになってると思う。
1分47秒から、2分1秒までの間奏の、シンセベースとピコピコ鳴ってるシンセの音が、男女の掛け合いっ
ぽくて個人的にはすき。共存してるんだけど、混合
しきれてない感じ、なんか合わない感じが。
その前の1分32秒から1分46秒までの間奏は、
曲の中で「緩急」を表現したかったから、その
イメージで作った。1分39秒から1分46秒、イヤホンの右から左にシュイーンって円を描いたあとで、
ライザーサウンドが中央からニョーーンシュワーンってなる所 笑 が0 と 1 になってる!

「Baby's Destruction」は、結構アソビ心もって
自由に作ってたけど、最終的なクオリティは1番納得のいくものに仕上がった!
詞も気に入ってるし、結構好きな曲。

自分自身の曲好きじゃなかったらやってらんないし、自分が好きってことは自分と似た人が好きになって
くれるはずだからね!
だから好きだったって言ってもらえるのはめっちゃ
嬉しい!


「月と東京」

ダーダーダーーーってイントロが「始まった感」が
あったし、1番曲調も明るくて、歌詞を分かりやすく、伝わりやすく書いた唯一の曲でもあったから、
これを1曲目にする予定だった。
「0 → 1」をコンセプトに作品を作ろうと思った当初「月と東京」「灰の時代」「青い蝶」の3曲を主要
作品にしようとイメージしてたから、「0 → 1」には
その3曲にまつわる意味がそれぞれあるんだけど、
この「月と東京」は

「月が満ち欠けるように
不安定な僕ら」

って歌詞と「0 → 1」のジャケ写にもあるように、
満月から上弦の月、三日月に満ち欠けていく様子を
イメージした。

1曲目だし、明るくてポップで、アッパーな曲を
作ろうと思って、レキシの「KATOKU」、
Philip Baileyの「Easy Lover」をリファレンスにした曲。

イントロの18秒から31秒「東京」って入る前の、
テーレテレテレレ テーレテレテレレ ってとこ好き。
あとサビ後半の「人の」から、ベースラインが暴れまわってる。

歌詞を書くときに、ガチガチにそうハメていこうと
したわけではないけど、なんとなく「東京=自分」「月=君」のイメージで書いてたから、そう当てはめて意味が通る部分も結構あると思う。
あんまり難しく考えず、分かりやすい言葉で書こうとしたから、結構自由に書けたし、「0 → 1」の中だったら1番ストレートな楽曲になってると思う。
と同時に、1サビ後でテンポがダウンしたり、その後にクラブミュージックに転じたりと、曲の展開は多様で、月が終始変化していく様子と、「0 → 1」の5曲のオルタナティブ要素が表れてると思う。

個人的に

「星の空と水面の間に
明日が泳いでた」

って詞が気に入ってる。

聴くと気持ちも明るく、楽しく、揺れたく、前に進みたくなるような楽曲になってると思う!

「灰の時代」

「コンセプト」についてのノートを読んでくれた人
ならもう知ってくれてると思うんだけど、自分は日本の音楽をアップデートしたいのと同時に、国に抵抗していきたい。自分にとってのレベルミュージック
(抵抗する音楽)の原点となる曲がこの「灰の時代」
「0 → 1」の曲の中だったら1番難解で、なにこれってなると思うんだけど、訴えって意味ではこの曲が1番メッセージ性が強いし、ある1つのことについてずっと歌ってる。
「0 → 1」がサウンド面でも1番多く表れてる曲にもなってる。イントロは右から左に円を描いて始まるし、そこから50秒まではサラウンド(360度音響)になってる。あんまり分かんないかもだけど、よく聴くと女の人の叫び声が左後ろ、右後ろ、左前から聴こえるようになってたりする。もっと分かりやすくなるように、
音のステレオ感とかサラウンド、位相でも楽しんで
もらえるようにしたい!3分45秒から聴こえる救急車のサイレンも左から右に円を描いてる。

この曲は歌詞を書くのにめちゃくちゃ時間かかった。
「0 → 1」の中で1番時間かかった気がする。
ボーカルのメロディラインの音階は少ないのに、
書かなきゃいけないことは多かったから、伝えたい
ことを短い言葉に集約するのに苦戦した。歌詞に
悩んでた時によく聴いてたのは、GEZANの「東京」と
くるりの「益荒男さん」  レベルミュージックって
点で、この曲全体で影響を受けてたのはGEZANの
「東京」かな。最終的にコロナ禍、SNS、社会、戦争、の要素を、詞と音に散りばめた作品に表現した。
自分の中で 「檻の中」から「痛み嘆く様」の部分が
コロナ禍、孤独を記してて、それ以降が社会に対する言及になってる。

「灰の時代」で表現したかった 「0 → 1」 の1つは、

その分野、背景について、何も知り得ない、
何もできない人たち (0)
が、
何か行動を起こしてる人 (1)

罵倒し、叩いてる社会の現状

自分には、今の社会がこう見えてる。

スポーツでも、音楽でも、演技でもなんでもいいけど、その分野で活躍してる人たちを、見ず知らずの人たちが束になって、SNSを使って罵倒する時代。
しょうもない。いざそれをやれって言われたら何もできないであろう人たちが、ただ批判、罵倒、誹謗中傷という言葉の雨を浴びせているこの状況。その言葉の雨が死を招く昨今。あまりにもくだらないし、そんな文化ぶっ壊さなくちゃいけない。

頑張ってる人たちにはポジティブな言葉、ねぎらいの言葉を送ってあげたい。いつからかネガティブでマイナスな発言ばかり。あまりにもポジティブが欠落しすぎてるよ。そんな意識1つが今の日本の、弱くて、
後ろ向きな、保守の国民性を作り上げてると自分は
思う。

もっと強さを与えたい、強くあれと伝えたい。

誰かに対するマイナスな発言1つ1つが束になると、
その人の命を奪うんだよ
そうゆう時代だから、みんな言ってるから、どうせ
本人には届かないから、安易な考えが人を殺す。

少しでもこの風潮に変化が生まれたら、国の雰囲気はがらりと変わるはず。

SNSが原因で命を落とす人も少なくなるはず。

「霧の中で鳴く無恥な鵺の群れ
歩く旅人を罵倒した」

この詞がこの曲の中で「0 → 1」を表してて、上記の意味合いを含んでる。

3分15秒から曲の雰囲気は一気に豹変する。
それまでは冬を連想させるような詞と曲調だったけど、ここからは灼熱に変わるイメージが自分の中である。

シャウトも入ってくるわけだけど、これはレコーディングのその瞬間まで、全く収録する予定はなかった  笑。
いつかシャウトを習得したら、最後のパートにいれたいなとは思ってたけど、レコーディングの最中に、
この曲を表現するうえで、叫びたくなったのと、
シャウトがなかったらこの曲じゃないじゃんって
思ったのがきっかけ。だから叫んだことも全くないのに、レコーディングの時に初めて叫んで、ほぼ生身の声をそのまま収録した 笑。前半では女の人の叫び声だったけど、後半自分のものに変化するのも良いと思った。

「灰に濁る空
降る言葉の雨
ちと淋しさを埋めた川の流れ」

っていう時系列の詞の中で、「ちと淋しさを埋めた川の流れ」の部分が、最後そっちにいくんだって印象が自分の中であって、すき。

全体的にこの曲の詞には裏の意味が含まれてる。
「見えぬ塔の影」は「党」とかぶってたり。
全部言ったら薄っぺらくなっちゃいそうで言えないけど、そう思ってもし聴いてもらえたら、一見難解で
複雑なこの曲のことも、分かってもらえると思う。
4分51秒からの2バス連打は完全にメタルコアの
影響。

これからも社会に、国に向けたレベルミュージック
発信するし、もっと叫ぶ。


「シーバスリーガル」

シーバスリーガルはウイスキーの名前。
「青い蝶」を初めてリリースしたタイミングで、
シーバスリーガルの残り最後の1滴を飲み干して、
そのまま勢いで書いた詞をもとに作り始めた曲。
だから氷をまわす音から始まるし、それが年末だったから、「1年も最後の日」から始まる。

この曲は言葉で勝負しようと思って、音数はかなり少なめ、曲調もあまり変化なく作った。

「少し君を思い出して
少し誰かにキスしたいな」

って詞は自分らしくて気に入ってる。キスって言葉を使うかどうか抵抗はあったけど、自分の中のお酒の
イメージを表現するのにはやっぱりこうだった。

「透明な贅沢は
いつも淋しさ頼り色づくよう」

って詞も気に入ってるな。さっきから自分で言ってるのもあれだけど 笑。毎日がもし贅沢だったら、それが贅沢だとはきっと気づけなくて、物理的な贅沢でも、人と過ごす楽しい時間の贅沢でも、淋しさを知った先に、それが贅沢であることに気づくんだな、
みたいな。自分自身、そう感じる瞬間が多かったから。

最後は急に自分の活動、音楽に対する言及でしめるわけだけど、お酒のんで、色んな人、ことを思い出して、色々考えるけど、最終的には自分の活動と音楽にいきつくんだなって思った 笑。

ゆっくり1人でお酒を飲んで、煙草吸って、っていうシチュエーションに合うような曲にしようと思って
作ってたし、そうなってると思う。
言葉が直接響いてくる曲にもなってると思う。

「青い蝶」

最後の1曲は「青い蝶」 自分が音楽を始めるにあたって、1番最初にリリースした曲。自分を「青い鳥」
君を「青い蝶」にたとえて、これまで自分が辿ってきた人生と、これから辿っていく軌跡、音楽生活を始めるうえでの初心を綴った曲。

全体的にふわっとしてて、柔らかいイメージを持つ曲にしたくて、最終的に着地点のない、漂っているような雰囲気の曲に仕上がった。ずっと飛んではいるけど、着地点がなく迷っている感じを表現できたらいいなと思って。それは

「迷いながら
無限の四季を飛んで
煙の線を今日も辿ってる」

って詞にも色濃く表れてる。

「夕方夜の雑踏を
駆け抜けた日々の」

は、夕方夜に、秋津の商店街が帰宅の雑踏でいっぱいになる様子をイメージして書いた。
全体的に、大学生活だったり、登下校で感じたことが詞になってる部分が多い。

3分36秒、シンセベースがバーンって入ってくる所は、このままいったら曲が綺麗なまま終わっちゃうと思って、どこか汚れてて、どん底みたいな暗さを残したい、逆にそれを強さとしても残したいと思っていれた。

最後の

「対向を」

は、自分がこれまで周りの人とは別の道で生きてきたこと、これからも生きていくこと、大衆とは真逆の方向に進んでいくような人生だからこそ出てきた言葉
だと思ってる。レコーディングで何回も何回もここだけ録りなおして、本当につらかった。でも前バージョンよりキーも高く、今までじゃ絶対出なかった声で
残せて良かったと思う。

日本の大衆音楽とは対向をって気持ちも込めてる。

これから音楽の世界に羽ばたいていく「自分」と、
それを見ていてくれる「君」の歌。

さいごに

ここまで読んでくれてありがとうございました!
「0 → 1」と、それぞれの曲のことが少しでも伝わってくれていたら本当に嬉しい。

今作品は音楽理論とかは度外視だし、自分の好きなように自由に作ってるから、「自分」ってものが強く
表現されてるし、「個」のある作品だと思ってる。

しばらくはこの「0 → 1」を伝えていく活動をしていこうと思ってるから、次の曲とかリリースはしばらく先になっちゃうと思うけど、質量のある5曲だから、何回も聴いてもらえたら、必ず新しい発見があるような作品になってる。

これからは自分だけじゃなくて「あなた」のために、個々に寄り添って、強さを与えられる、生活を支えられるような詞と、言葉と、音楽を、発見して、発信して、たくさん届けていこうと思う。

次だす曲も、作りたい曲も、作品も、いっぱい頭の中にあるよ。

いける

木檜旭


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