劇場か机上かの戯言
人間は最も勇敢なる生物である。
私は自らの意思で、自らの命を絶つ生物を知っている。
人間は最も悲惨なる生物である。
私は自らの意思で、自らの存在を否定する生物を知っている。
人間は最も狡猾なる生物である。
私は自らの意思で、自らの意思をもつ生物をしっている。
生物の目標は死ぬことにある。生物の活力は死ぬ為の活力であり、凡その生物はより良く死ぬ為に生涯を全うする。
過ぎ去ることを、変わることを認めれば儚さ
これを認めなければ悲しさ
これら二つを抱えれば愛しさ
全てを否定すれば、生となる。
正義の奴隷と不義の貴族
真理の兵士と不可知の将軍
愛情の天使と恋情の神
道徳の着物と不徳の襦袢
地獄も極楽も天国もなく、ただ同じ人生を繰り返すのが死後であれば、人はより良く生きようとするかもしれません。
敬虔なる生物のことを人間というのです。
犬が人語を話したら、こういうでしょう。
「ワン!」
猫が人語を話したら、こういうでしょう。
「ニャン!」
人が犬語を話したら、こういうでしょう。
「実験成功です!」
人が猫語を話したら、こういうでしょう。
「タマ、一緒に遊ぼう。」
利他主義は所詮、利己主義です。
自分の善意をなんの事情もなくに人に向けるのですから。
アスファルトに吐瀉物をぶつけたことがない人とは、その時のアスファルトの冷たさを語り合えないので、仲良くはなれないでしょう。
活字中毒を起こしたら、頭の中まで活字でいっぱいに。人は箇条書きに、景色は詩や俳句になり、私は?
いつ死んでもいいように、いつでも生きていなければなりません。
例え、隕石が落ちてきても、大地震が来ても、ミサイルが飛んできても、今日の朝食が思い出せるぐらいに生きていればいいのです。
寝てる間に死にたい、私はそう思いません。
寝りに落ちる瞬間に死にたい、私はそう思います。
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