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平凡社員のビジネスパーソンノウハウ⑥(How(どのように):会議②)

 本稿は、『仕事をするうえで重要な2つのこと』のうち「1.その仕事のゴールは何かを常に意識する」の中の「How(どのように):会議」の具体対応(ハウツー)について、前回に引き続いて触れる。(↓以前の投稿)


◇How(どのように):会議

 ■具体対応(ハウツー)

〇会議
 会議について、自らが主催者かつファシリテーターである場合を前提として、会議を円滑に進めるための、会議の準備から会議終了までの具体対応(ハウツー)を説明する。

 前稿では会議のうち、参加者で情報共有・相談・意思決定を行う会議について説明した。今回は、アイデアを出し合う会議(ブレインストーミング)における具体対応について説明していく。



 ◎アイデアを出し合う会議(ブレインストーミング)

 この種の会議について、会議を円滑に進めるための具体的な手順を説明していく。ここで言う「円滑」とは、アイデアが活発に飛び交うことを指す。

 おおまかな手順は以下に示す通り、参加者で情報共有・相談・意思決定を行う会議と変わらないが、準備の内容が異なる。そしてこの準備段階1~4が、とても重要である。

 <会議開催の手順>

  1. 会議の目的・ゴールを整理する

  2. 目的を達成するための会議参加者、開催日を決定する

  3. アジェンダ(議事次第)を作成し、会議案内を発信

  4. 会議資料の作成と上司のレビュー、会議資料の発信

  5. 会議の開催

  6. 会議後の対応

 アイデアを出し合う会議の開催にあたって、手順を問わず意識しておきたいことは、以下の3点である。
 ・会議目的について関係者の認識に齟齬を生まないこと
 ・アイデアを出しやすい環境を作り上げること
 ・議論の発散と収縮を的確にコントロールすること
この3点を念頭に置いて、それぞれの手順を確認して欲しい。


1.会議の目的・ゴールを整理する

 アイデアを出し合う会議においても、まず会議の主催者として改めて明確にするべきは、なぜ会議を行うのか(Why)、会議の目的である。

 目的を設定するにあたっては、特に
 ・会議で参加者に何をして欲しいのか
 ・会議後にどのような状態(ゴール)を目指すのか

 を意識する。

 それぞれの会議におけるゴールを明確にすること(話し合うことと話し合わないことを明確にすること)は、ことアイデアを出し合う会議においてはその重要性が高い。様々な意見が出ることで、議論が発散しやすいからである。ゴールを明確にすることは、会議中に議論が本筋から逸れたときの軌道修正をし易くなるなど、よりクオリティの高い会議に繋がっていくため、ファシリテーターとして会議のゴールは何か、を常に意識したい。

 

2.目的を達成するための会議参加者、開催日を決定する

 手順1で設定した目的に応じて、関係者へ参加依頼や開催日調整する。
 注意すべきことは、参加者で情報共有・相談・意思決定を行う会議と同じで、参加依頼時には目的、背景、関係者に求める物を伝えることである。


3.アジェンダ(議事次第)を作成し、会議案内を発信

 重要な手順である。どのような議題について議論するのか、アジェンダ(議事次第)を作成して、会議案内を発信する。

 議事次第は、議論の活発化において重要な手順であるので、細かく触れておきたい。議事次第とは、手順1で明確にしたゴールに向けたステップに相当する。

 なぜこの議事次第が重要かというと、会議でのアイデアの量に大きく影響を及ぼすからである。
 例えば、「売れる新商品のアイデアを出す」という議事次第だったとする。おそらくこれで会議を始めても、ほとんど意見が出ない。人間は、選択肢が広すぎると思考が止まる。何にフォーカスして答えたら良いか分からないからだ。

 したがって、アイデアを活発にする議事次第を考えるにあたっては、最終ゴールを「売れる新商品のアイデアを出す」とした場合、この最終ゴールを分解し、小さなゴールを議事次第として設定する必要がある。

 例を挙げると、『「売れる」とは誰に「売れる」ことを目指すのか(顧客ターゲットの特定)』とか、『当該の顧客ターゲット層はどんな好みを持っているか』とか、「売れる新商品」とは何かを細かくブレイクした議事次第を設定すると、参加者は発言しやすい

 このように、議事次第の検討とは、手順1で考えた最終ゴールに向かって、どのような順番で議論を進めていくか、という議論しやすい道筋を作る大変重要な手順である。また議論の道筋だけでなく、もし最終ゴールを「アイデアを一つ決める」と設定するなら、複数の意見をどう評価して一つに決めるか、という評価方法についても、事前に検討しておきたい。

 そして、議事次第を共有して、会議までに事前に議事次第の内容について参加者の意見を考えておいてもらう、というのも有用である。


4.会議資料の作成と上司のレビュー、会議資料の発信

 アジェンダに沿った会議資料を準備する。
 注意すべきことは、参加者で情報共有・相談・意思決定を行う会議と同じで、いきなり議事次第の中身に入るのではなくて、会議冒頭で会議参加者の頭を揃えるため、会議の目的とその背景、関係者に何を求めているのか、を説明するための資料を最初に用意すること。


5.会議の開催

 会議開催である。この手順では、具体的に会議でファシリテーターとしてどう立ち回るかについて説明する。

 会議の流れとしては、参加者で情報共有・相談・意思決定を行う会議と共通する点もあるが、以下である。

 ・冒頭で会議参加への礼を述べる
 ・冒頭で会議の目的(ゴール)、背景、関係者に期待することを述べる
 ・議事次第に沿って議論を進め、都度、参加者の反応を確認する
 ・会議のゴールから逸れないように、議論をコントロールする
 ・議論を活発にするために、意見を否定しない。出た意見は参加者全員が確認できるように可視化する
 ・出た意見を深堀したり、類似の意見、正反対の意見を議論の中に加えてみる
 ・出てきた意見を参加者で評価する
 ・会議を踏まえて誰がいつまでに何をするのか、最後におさらい

 大事なのは質より量、たくさん意見を出すことで、参加者相互の思考も喚起されて、より柔軟で画期的なアイデアも生まれる可能性がある。たくさんの意見が出るように、ファシリテーターとして意見を否定せず、広げていく、という点は意識したい。

 また、出てきた意見は参加者全員が見えるように可視化することは、議論の活発化に有用なだけでなく、会議終了時にそのホワイトボード等を撮影しておけば、議事録にも活用できる

 

6.会議後の対応

 会議が無事に終了した。だがこれで終わりではなく、会議中、ないし、会議後に作成した議事と、「会議を踏まえて誰がいつまでに何をするのか」をメールで再周知しよう。


 
 以上で、会議のうち、アイデアを出し合う会議(ブレインストーミング)についての説明を終える。

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