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0.02の優しさ

お久しぶりです、先π(せんパイ)!


 息子の算数の宿題がありました。
ちょっと覗いて見ると「円の面積を求めなさい。」でした。
うわー、久しぶりにπ(パイ)って言うのを思い出したわ。世の中にあったね~。懐かしい。私の日常にはあんまり出てこない3.14。
一時期、およそ3とか言われて、また3.14に戻ってたπ(パイ)。

 きっと、建築とか数学とかに携わる方々にとっては重要なんだろうな~ぐらいにしか思ってなかったけど、ふと「何で3.14ってわかったんだろう…?」と思ってWikipediaを開いたら、大半はよくわからないけど、ここに日本に関わる面白い事が書いてありました!

引用Wikipedia

 江戸時代には、円周率は3.14じゃなくて3.16だったんですって!
多分、3.14でいけるけど、美しい式で説明するならやっぱ3.16でしょ!って感じで認識されていたらしいです。きっと、知っている方も多いのでしょうが、私は今知りました。ほぉ~。3.14でも3.16でもどっちもありで、その差分の0.02ぐらい、ぶっちゃけどっちでもいいよね~って感じでしょうか?
私が面白いと感じたところは、
「円周率の値は形=経験によって求めれば3.14であるが、理=思弁によって求めれば3.16である」として「両方とも捨てるべきではない」とした。
という記述です。
3.14も3.16もどっちも両方採用された―!見捨ててなーい!
現場は混乱するかもしれない。それでも、0.02の微差ぐらい何とかなるっていう姿勢がいい。江戸は受け入れましたね。(はい。勝手な解釈、笑)

遊ばれた先π(せんパイ)!?


さて、この差分0.02とタイトルにある優しさとどう繋がるかというと、
私はこう考えました。
Wikipediaの情報から、
 3.14=計算で導き出された確定事項(これこそ正しい!)
 3.16=見た目が美しいからこの式を採用(美しさのために0.02盛り!)
ということは、
美しさ(3.16)-正しさ(3.14)=?
?=盛った分大目にみてあげること=見て見ぬふりの優しさ♡(仮説0.02)

ということは、子どもたちのケンカの仲裁を数多くやってきた我が身から導き出した、使える式は、
美しさ(3.16)-正しさ(3.14)=大目に見る優しさ(0.02)
正論を振りかざしてもさ、人は美しさを求めてちょっと話を大げさにしまうことは誰にだってあるんだから、そこを許してあげようをいう想いを表現してみました。美しさとは美学。その人の生きる上での価値観そのものです。個性ともいえます。こだわりです。
美学って譲れない想いみたいなものだから、子どもも大人も多かれ少なかれみんな持っています。これの価値がよくわからずトラブルになります。そこで、優しさとして言葉があります。
「ごめんね→いいよ。」とか、「ありがとう→いいよ。」とか、「たすけて→いいよ。」とか。言葉が価値のスレ違いからのトラブルを緩和します。
これは、基本的な人間関係に繋がる大事なことです。
実際、自分の美学はわかっている人もいますが、わからない人が大半です。
かつての私も分かりませんでした。大きな失敗が、自分の美学に気づけるきっかけとなります。

先π(せんパイ)からのアドバイス


私の場合は、ごめんねを言うのが嫌いな人でした。なぜかと言うと、ごめんねと言うと、自分ができない人であると認めてしまうのが嫌だったから。何でもできるかっこいい自分で在りたかったんです。
美学(3.16)を、自分だけができる人であること。
正論(3.14)を、完璧にこなせば迷惑はかからない、給料分の働きをする。
大目に見る優しさ(0.02)は、どうしても自分でやりたかったんだね。

これに最初は、私は気づけませんでした。
他の人が私の性格を知り譲歩してくれていたことに気づきませんでした。
みんなが、孤高で頑張る私をそっとしておいてくれたことに気づきませんでした。あぁ、自分でやってみて知りたいんだな。今は学びの時期なんだなとわかってくれていました。それなのに、私は一人でやらなきゃ!と思い込んでいました。
ただ、新人だった私には知識や知恵が不足していたので、ある日、大失敗して会議で責められました。「もっと、早い段階で相談しなさい!」と。
涙をこらえ我慢していた私を、見るに見かねて先輩たちが会議後、飲みに誘ってくれて、慰めてくれました。
「そんなに一人で背負わなくてもいい。助けを求めてくれないと、私たちの立つ瀬がないじゃん?」って声をかけてくれました。今でも思い出して涙がでます。その優しさが心に刺さって痛い。
わかっているけど、先輩に相談するそういう行動に移せない頑固な自分もいます。私はできない自分に腹が立って仕方がなかったんです。そうやってずっと、自分を責めていました。人を信頼していなかったんだと思います。
しかし、0.02の優しさはこの幼稚な考えを崩せます。自分をも救えます。
よく考えると、美学や正しさは自分で創り出した幻だったんです。それ、本当かな?って疑ってみられるのです。
あなたの中にある、美学は何ですか?縛られている正しさは?

美しさ-正しさ=大目に見る優しさ

美しさとは、それぞれの人の中にある美学。信念とも言えます。
正しさとは、その人の育ちで得たルール。正解だとされている事。
大目に見る優しさとは、その人の美学と世界を見て尊重する姿勢。

実際には、人の心の中はこんなに単純ではありません。
でも、子どもたちを視る時、大人関係を視る時、ふとこの式にあてはめて「優しさはどこかな?」という視点で分析してみると、その人なりの価値観が見えてくるのです。人はそこに気づいてもらえると嬉しいのです。
これは、大人にとっては自分理解や自分の再発見に繋がります。
あぁ、自分ってこういう所あったんだな。結構頑固だったな。かわいいやつめって受け入れて認め切っちゃうことで楽になれます。見て見ぬふり、臭いものに蓋をすると責めのサイクルに入ってしまうのでお勧めしません。
子どもにとっては、人の気持ちを学ぶいいきっかけになります。客観的に説明しやすくなります。ここはあの子にとって大切な所だから、大切にしてあげようねと人とのちょうどいい距離感を学べます。
正しい正論だけを振りかざす頭でっかちだと、優しさはマイナスになります。これはまた、冷静であるという見方もできるでしょう。

ついに振られた先π(せんパイ)、円に戻りたい。


人の多い現場にいると、良くも悪くも比較ができるのでついつい悪い所ばかりに目が行ってしまいがちです。もちろん、家庭でも同じように兄弟が2人以上いたらどうしたって比べてしまうでしょう。そして気になることの方が目につきやすい。それは、日本人だからです。人と調和をする文化の日本は出る杭は打たれるのです。出る杭の部分である”気になる所”は、矯正しておくのがその子の成長の為。みんなの為と思いがちだからです。確かにそれは大切です。それが日本の良さなのだと思います。それも仕方ないです。
 でもね、考えてみてください。これからの時代は自分の頭で考え、好奇心と創造力を使って、どんどん世界を広げる力が必要となります。そんな世界へ子どもたちを送る時に、どういう人であってほしいでしょうか?
少なくとも私は、出る杭を認め、相手を尊重できる力を持っていた方が気持ちがいい。そして、面白い世の中になりそうだ!って思います。

 正直3.14とか3.16の数字なんてもう関係ないのです。大事なのはπの値がどちらも円の面積を計算するために使う道具であったという事実に気づくこと。目指すは場所は円満なのです。

円満になるには、人間への理解力は欠かせません。
そもそもπは、小数点以下が省略されて割り切れない数字なのです。
人間の心も割り切れないものですよね。
だからこそ、人が集まる所はトラブルも多いし、悩みも多い。
だからこそ、人が集まる所はおもしろくて、深い。
そんな世界にちょっとでも光を差してみたくて、優しい眼ですべての人をみられるように、寛容な心をもてるように。円満の秘訣が式にできないかな。

美しさ(その人の個性)-正しさ(その場所のルール)
=大目に見る優しさ(はみ出した個性を受け入れる心)

目の前にいるその人の美しさはどこでしょうか?いたって普通?そんなことありませんよ。よく知ってください。ほら、見えます。テキストだけでも。声だけでも。対面でも。何かしら印象を受け取るはずです。
人に関心がない人は、自分にない美学を持っている人を知らないだけです。世界はもっと広いです。いろいろな人がいます。自分の美学(個性)を隠したい人も実はいます。それを知っておくだけでも無関心はなくなります。

そして、やっぱり人の集まる所にはその場所に合った正しいルールは必要です。出る杭が打たれてもいい所はこの正しさの範囲内。わがまますぎるのは嫌われます。自分の美学を抑えて周りに合わせる力。ここも大事な所。だから引き算です。ルールを緩めれば、大目に見る許容度は広がり、美学を突き詰めすぎれば、大目に見る所が増えるでしょう。経営者は美学を突き詰めた人が多いでしょう。弁護士は正しさを増やしすぎて、大目に見る優しさどころか、マイナスで冷酷に見えるのかもしれません。だからこそ公正な判断力が鍛えられます。

より完璧で美しい円の世界じゃなくて、調和のとれた円を目指していきましょう。少しの歪みを許容できる円。丸。〇。和。
それが、これからの多様性を含む和の国(日本)の在り方に繋がると信じて。みんな違ってみんないい。

先π(せんパイ)円満に帰宅



「おかあさーん、宿題終わった~!ゲームしていい?」
は!?円の世界?
エゴと規則と愛のバランスのことか?
何かよくわからんこと、夢見てたわ。

お暇な方、付き合って下さりありがとうございました。




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