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【当事者体験談】「起立性調節障害」と不登校、必要なサポートとは

こんにちは!子ども未来プランニングのH.Tです!
不登校や発達障害、グレーゾーンのお子さんとご家族への支援やサポートを行っている子ども未来プランニングでは、活動を通して当事者の体験談をご紹介しています。
今回は、スタッフでありADHD当事者の私の中学生時代の体験談、それを通じて感じた必要なサポートのついてお伝えします。


はじめに

私は中学生で起立性調節障害(OD)を発症し、不登校を経験しました。
聞きなれない病名かもしれませんが、この病気は小学校高学年から中学生で発症することが多く、
中学生では男子16.9%、女子25.6%
高校生では男子21.7%、女子27.4%
が起立性調節障害というデータがあり、誰もが罹りうる可能性があり、決して稀な病気でありません。

大人になった今だから言えること、思うことを振り返り、適切な治療、周囲のサポートの重要性などを綴ります。
本記事がそれらの一助となれば幸いです。

起立性調節障害(OD)とは?

思春期に好発する自律神経機能不全の一つです。朝起きられない、立ちくらみ、全身倦怠感、食欲不振、立っていると気分が悪くなる、失神発作、動機、頭痛、夜なかなか寝つけない、イライラ感・集中力低下などの症状を伴います。
身体・精神が急成長、急変化する思春期は、その変化が自律神経にまで及ぶため、交感神経と副交感神経のバランスが取りづらくなり発症しやすいとされています。
「心の問題」「気の持ちよう」「サボり癖」などと誤解されることがありますが、脳循環・神経調節の機能不全が原因で、決して怠けているのではありません。

原因のわからない怠さ

中学2年生の頃、毎朝目が覚めると、強い耳鳴りやめまいが止まらず、意識が朦朧として体を起こせない状態が何時間も続きました。
まるで高熱を出して寝込んでいるような体の怠さでした。
当初は遅刻して登校することもしばしばでしたが、症状は悪化の一途を辿り、数ヶ月後には完全に登校できなくなり、不登校の状態に陥りました。

複数の病院に行くも「異常なし」と言われ続け、車で片道1時間半の総合病院でやっと起立性調節障害と診断されました。
当時は今より病気の情報が乏しく、起立性調節障害という病名も全く世の中に認識されていませんでした。
ですが、不登校生徒の30~40%が起立性調節障害と言われており、学校に行きたいのに行けない悩みを抱えている人は少なくありません。

目に見えない症状への不理解

起立性調節障害は、ある程度検査は出来るものの、数値やグラフ、映像などで病状が可視化できる病気ではありません。それ故に周囲への説明も難しく、理解が得られにくいこともしばしばあります。

病気が長期化するとともに、学校の友人はどんどん離れていき、家族や学校側から「怠け病ではないか」と疑われるようになりました。

「朝眠くて起きられないだけで、学校に来てないの?」と呆れる友人。
「一日中ダラダラ過ごして…いい加減起きなさい!」という家族からの叱責。
「朝起きられないのは気の持ちようでは?」という担任やスクールカウンセラーからの言葉。
毎朝襲ってくる症状と闘いながら、このような言葉に涙したことをよく覚えています。

多方面へのアプローチを

起立性調節障害は、年齢や成長とともに少しずつ症状が軽減していく傾向があります。
中学3年生に進級した頃、体調の良い時間帯だけ別室登校をして、遅れた勉強を取り戻すことに奮闘しました。中学3年生の終盤では少しずつ病状が回復し、地元の公立高校へ進学しました。

起立性調節障害から不登校を経験したことを振り返り、
本人・保護者・学校への、多方面のアプローチが重要だったのではないかと考えています。

本人へは薬物療法をはじめ、日常生活の工夫や心理行動療法などの非薬物療法、環境調整の見直しなどが挙げられます。
カウンセリングや当事者会への参加で、一人で悩まず、ストレスを軽減することも効果的でしょう。

最も近くで見ている保護者は、まず正しく症状を理解することが必要不可欠です。学校嫌いなどが原因だと考えて、叱責したり朝に無理やり起こそうとして、親子関係が悪化することが少なくありません。
「身体疾患であって根性や気持ちの持ちようだけでは治らない」と理解し、その上で本人の生活リズムの見直しや症状の把握を行うことが重要です。

学校との連携も欠かせません。
友人関係のトラブル、教師との関係や学習面などが心理的ストレスになっていることもあります。クラスメイトに正しい疾病教育を行い、誤解を生まないよう働きかけることが大切です。
本人の登校については、電話面談やリモート学習を行って出席を取るなど、本人のペースに合わせた登校・出席しやすい取り組みの実施が求めれらます。

最後に

自律神経のはたらきは、自分の意思ではコントロールすることが出来ません。
頑張りたいのに頑張れないという当事者のもどかしさは計り知れないものがあります。周りからの理解が得づらいつらさもあります。
一人でも多くの関係者に正しい知識と理解が得られ、起立性調節障害や不登校に悩む子どもたちが、今後多くの選択肢を得られる世の中になって欲しいと願っています。

「子ども未来プランニング」とは?

当時と比べると現在は、起立性調節障害の認知度は上がってきていると思いますが、それでもまだ家族や周囲から理解がされず、苦しんでいるお子様も多いのではないでしょうか?

当時を振り返ってみると、
本人や保護者が起立性調節障害についての正しい情報をインプットできていたり、周囲の理解を促すために、学校等の周辺環境にどのようなアプローチや調整を行っていくべきかを、適切な第三者に相談することができていれば、長く苦しむ必要はなかったかもしれません。

私たちの運営するサービス「子ども未来プランニング」は、不登校のお子様をはじめとして、発達障害やグレーゾーンなど、特性のあるお子様とご家族のための『オンライン教育支援1on1サービス』です。

発達障害や不登校に関して専門知識のあるスタッフが、お子様やご家族の悩みに寄り添いながら、そのご家庭にとってその時に必要な情報の提供や、学校など周辺環境への相談・調整の仕方、学校以外の居場所づくりについて、などをアドバイスさせていただきます。
また「今」から「未来」へ目を向けて、お子様の今後の進路や将来についても一緒に計画を作成し、実現に導くまでの教育支援を行っていきます。

現在、サービス利用前の無料オンライン相談も実施しております。
まずは気軽にご相談ください。

▼子ども未来プランニング:サービス紹介

また、定期的に不登校をテーマにしたセミナーも実施しております。
こちらも参加無料となっておりますのでご参加ください。

▼子ども未来プランニング:セミナー案内

参考

一般社団法人日本小児心身医学会

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

起立性調節障害SupportGroup