Book.4 ある男(平野啓一郎)
KODAMAの読書記録4冊目。
「マチネの終わりに」から2年後,平野啓一郎さんの待望の新作とのことで話題になった記憶がある。
淡々と進むストーリーの中に,どこか違和感を覚える作品。この違和感が程よい緊張感とともに作品へ引き込むスパイスのようであり,巻末に向けて小さな違和感たちが巻き取られていく展開からは,著者の緻密な性格を感じる。
「ある男」は,前作「マチネの終わりに」と同様,「愛」を主題として取り上げた作品ではあるが,切り口は全く異なる。「愛とは何なのか」「恋人・家族