マガジンのカバー画像

Books

4
運営しているクリエイター

記事一覧

Book.4 ある男(平野啓一郎)

Book.4 ある男(平野啓一郎)

KODAMAの読書記録4冊目。

「マチネの終わりに」から2年後,平野啓一郎さんの待望の新作とのことで話題になった記憶がある。

淡々と進むストーリーの中に,どこか違和感を覚える作品。この違和感が程よい緊張感とともに作品へ引き込むスパイスのようであり,巻末に向けて小さな違和感たちが巻き取られていく展開からは,著者の緻密な性格を感じる。

「ある男」は,前作「マチネの終わりに」と同様,「愛」を主題と

もっとみる
Book.3 マチネの終わりに(平野啓一郎)

Book.3 マチネの終わりに(平野啓一郎)

KODAMAの読書記録3冊目。

以前,あるメディアで平野啓一郎さんを見かけた際,彼の掲げる「分人」という考え方に非常に共感を覚えた。

私がなぜ感銘を受けたのか。その内容は,他のnoteに記録することとする。

今回は,その時から気になっていた平野啓一郎さんの代表作「マチネの終わりに」を読んだ。

〜Memo〜平野啓一郎さん:京大法学部在学中,文芸誌に投稿した「日蝕」が芥川賞を受賞。その後,「葬

もっとみる
Book.2 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(村上春樹)

Book.2 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(村上春樹)

読書記録の第2弾は「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」。

2013年に発売され,話題になった村上春樹の作品。

私は元々,村上春樹さんのファンではなかったが,本作を読み終え,「村上春樹ワールド」の深みに魅力を感じるようになった。

〜Review〜KODAMA的オススメ度:★★★★☆

『自らの感じている「色彩」と他人が感じる「色彩」には,しばしば隔たりがあり,その評価は一致しない。』と

もっとみる
Book.1 ムゲンのi (知念実希人)

Book.1 ムゲンのi (知念実希人)

KODAMAです。

書店をぶらぶら歩いていた時に気になった,知念実希人さんの「ムゲンのi」を読了。

ブックカバーがとても素敵で目を惹かれる。

少し前置きが長い作品だが,上巻での伏線が下巻で巻き取られるため,読み始めたらぜひ最後まで読んでほしい。

ちなみに,私は6時間程度で一気に読めた。

(※内容は伏せてレビューする)

〜Memo〜●著者:知念実希人

医師(内科医)で小説家。沖縄生まれ

もっとみる