コンサル1年目が学ぶこと(要約)

アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)で働いてきた大石哲之さんの著書『コンサル1年目が学ぶこと』の要約を書いていきたいと思います。本書は各界で活躍する元コンサルタントの方々に新人時代に学んで覚えていること、役に立っていることをインタビューし業界業種が変わっても使えることを30個の重要スキルとして書かれています。その中で私が特に重要だとおもったスキルについて要約しました。これからコンサルティング会社で働きたいと思っている学生さんや、コンサルと名のつく職業をされている若手のビジネスマンに非常に参考になる内容なので是非最後まで読んでください。

コンサル流話す技術

結論から話せ

よく、色んなところで結論から話せと言われています。色んなところで言われているので普遍的な情報なのだと思います。何が言いたいのかよくわからない人の話を聞くのはしんどいですよね。ですので普段話すとき、思いついたことから喋るクセをなくしましょう。もし結論がすぐに出ない場合、「5分考えさせてください。」といって考えてから結論を言うのでもかまわないのです。この本で初めて知ったのですが、頭の回転が早いコンサルタントでもこのように考える時間をもらってから話始めることがあるそうです。

数字で物事語れ

新卒のコンサルタントでもプロとして経営者にアドバイスを送ることがあります。ここで疑問がわきますよね、いくら良い大学を出て頭が良いといってもビジネスの経験や実績はほぼありません。なのにどうして新人の話を経営者は聞くのでしょうか?それは数字という事実をつかって意見を言うからです。コンサルタントは売上、コスト、利益率、出荷の個数などビジネスにおけるさまざまな数字をもってきて話をします。感覚的に把握している問題を、実際に数字に落とし込み、「証拠」にすることで、人を納得させています。数字という事実は封殺のしようがないため話を聞いてもらえるのです。そして補足ですが、この数字とは、自分が数えなければ決して数えることができないようなデータが有効です。新人が持っている唯一の意見を言うときの武器は情熱ではなく事実に基づいた根拠となる数字なのです。

相手の期待値を把握してそれを超えろ

コンサルタントは求められていないことに時間をつかっても、頼られた側に評価されません。コンサルタントは相手のニーズ、それぞれにどういう成果のクオリティを求めているのかをきめ細かく把握してください。相手の期待がどこにあるのかを見極めて絶対に外さないことです。そこだけは相手の期待値を超える120%のものを持っていくことで評価されます。

逆にどんなに努力しても、相手の期待値を超えられない案件は受けない、もしくはコミュニケーションをとって期待値を下げてもらうことも重要です。ビジネスは突き詰めていくと相手の期待を常に超え続けることで信頼されます。

期待値を把握するためのヒアリングが重要です。確認すべきことは4点

1,その仕事の背景や目的

2,具体的な仕事の成果イメージを明確にする。

3,クオリティ(どの程度のものをいつまでに仕上げるか?)

4,優先順位、緊急度

この4つをしっかり抑えて仕事を引き受けましょう。とくに2番、多くの仕事の指示は曖昧です。「この資料をつくっておいて!」としかいわれません。ですから作成する前に、資料に何を書くか自分で考えて相手に伝えて確認しましょう。

コンサル流思考術

考え方を考える

コンサルタントは仕事が多いです。時間がいくらあってもたりません。つねに効率よく進めるには考え方を考えることが大事です。コンサルタントとしてクライアントの課題を解決するためにデータから結論を導きださなければなりません。そのため、いきなり作業に入るのではなくどのように進めたら、求めている答えに行き着くのかという、段取りの部分をまずは考えることが重要です。

例えば3人で海外へ旅行に行くとします。どういうアプローチで旅行先を決めますか?どういう手順で検討したらスムーズに決まると思いますか?ということを先に考えましょう。

私はこう考えました。3人の旅行へ行きたい目的、理由を共有し、それぞれ目的が達成できる場所を考え、調べて、合意する。英語を使いたい勉強したい、料理が食べたい、地理で勉強した世界遺産をみてみたいなど、行きたい理由を共有すれば、英語圏で食べ物が美味しくて世界遺産があるところと絞れて、そこに当てはまっている場所を探せば全員納得できるだろうと、私は考えました。

仮説思考

一般的には、何か結論を出すためには、全般的に調査し沢山データを集め、それぞれ詳細に検討して、結論を出します。しかしコンサルタントは逆です。今予想できる範囲でこうではないか?と仮説を立ててそれを検証するように資料を集める。その仮説が間違っているデータが出てくれば、集めた資料をヒントに別の仮説を立てて調べ直していくことで無駄な情報収集せずに結論へ至ることができます。仮説思考の意識に変えていくと結論をだすスピードが上がり、さらにビジネスマンとして大事な考える力が養われます。

常に自分の意見をもって情報にあたる

何かニュース記事を読むとき、タイトルを見た段階で、どんな内容でどんな結論だろうか1分間考えてからニュースを読むようにしてください。

例えば、「将棋と囲碁」子供にやらせるならどっち?という記事を見たとき、早くどっちか知りたいと思ってニュースを見ていますよね。それでは、ビジネスの能力はあがりません。ビジネス能力は情報量ではなく考えること、つまり自分の意見を持つことが大事なのです。なのでまずこのような記事を見たらまず、自分の意見を考えましょう。

私は将棋だと思います。なぜなら将棋はそれぞれ個性を持った駒を使いながら戦っていくゲームだからです。ビジネスではさまざまなリソースを有効活用して利益をあげていくことを考えますから、その思考が養えるという点で将棋だとおもいました。

この記事では囲碁でした。理由は将棋は王を取ること目的なのに対し、囲碁は陣地を広げることが目的です。ビジネスでは他社を打ちのめすだけで利益が得られるわけではなく、もっと広い世界で陣地を増やしていくことが利益につながるからです。

こうすることで、まず意見を鵜呑みしてしまうことが避けられます。この問題には答えがありません。この記事に囲碁をやっていた経営者と、将棋をやっていた経営者どちらが稼いでいるかというようなデータはありません。ただの意見にすぎないからです。なので自分がビジネスで結果を出すためには囲碁をやれ!という極論につながることもさけることができます。そして何より新しい発見がありました。自社のマーケティングや財務、人的資源管理に目を配りながら、ライバルの経営戦略との相関関係を理解する。良い経営者はそうした大局観を持つからこそ、変化に応じ適切な指示を出せるといったことを学びました。間違っていても問題ありません。自分が頑張って考えた意見と、他人と考えが違っていた部分は記憶にも残りやすいのですから実践しましょう!

コンサル流デスクワーク術

資料作成術

資料作成を早く終わらせるコツは最終成果物から逆算して、作業プランをつくることです。

具体的には、パワポをつかってタイトルだけどんどん書いてアウトラインを作る。このとき資料集めはアウトラインを作ってからそのタイトルに必要な資料だけを収集することです。資料を集めてからパワポを作るのではなく、はじめにパワポの骨組みをつくってから、肉付けとして資料をさがすこと。そうすることで無駄な資料集めをしなくてよくなります。

プレゼン資料パワポ1枚の基本構成はこの4つです。

1,タイトル(あまり重要ではない)

2,根拠となる数字や事実。表やグラフ、あるいは写真など根拠となるデータを一枚だけスライドに載せましょう。

3,自分の解釈・主張部分。これはグラフや表から、何をどう読み取り、何を主張するかを明確に書く。ただし根拠1つにつき1主張にとどめておく。言いたいことが複数なら、何枚かに分ける必要がある。

4,出所

これを1枚にまとめることで論理的で説得力ある内容ができるのです。

コンサル流プロフェッショナルマインド

バリューを出す

バリューを出すとは、相手がしてほしいと思うことができるかどうか?ということです。コンサルは自分のやりたいことや志向ではなく、クライアント企業の経営にとって価値ある提案ができるかどうか?それがバリューを出すと言う意味です。

会議では必ず意見を言え

これを読んでくださってる方のなかで会議でまったく意見を言わなかったという経験がある方がいらっしゃるかもしれません。しかしこの状況をテレビ番組のひな壇にいる芸人だと思ってください。テレビで一言も喋らない芸人さんがいたらどう思いますか?出演する意味ないですよね。会議も同じで会議の時間にも時給が発生していて、発言によって価値を生み出さなければなりません。つまらない意見でも自分のなりに知恵をしぼって何か言った方がマシなのです。

コミットメント力

コミットメントするとは一度約束したことは、何があってもやり遂げなければいけないということです。コンサルのコミットメント力とは、クライアントの成功に対してコミットしろ!ということです。どんなに仕事の質がボロクソでも、徹夜してでも納期を守りやり遂げなければいけないということです。コミットメントを果たすためなら何しても構いません。たとえば、頼まれた仕事が自分の実力不足だったとき、他人に一部代理でやらせてそれを出しても構いません。

フォロワーシップを発揮する

フォロワーシップとは、リーダーの提案を成功させるために周りを巻き込み、必要な事を考え、自主的に動くことです。フォロワーシップを発揮するこれは私の考える例として、チームの仕事がうまく行かずに停滞しているときに、前向きな発言をしてチームの士気を高めるという行動を起こすことです。部下として上司視点で物事を考え、上司とともに周りを動かせる人が将来のリーダー候補となります。

チームワーク術

コンサルにおいて同じ役割を果たす人間は2人いらない。プロのチームワークとは違う分野で能力を発揮すること。今自分にできることを起点に考え、チームに貢献できる分野を探すこと。例えば、自分はプレゼンすることはこの中で一番得意だとしたら、プレゼンを磨くこと。逆にやってはいけないことは「アイツはPCが得意だから、俺もPCを学ぼう」といった考え方はチームと自分両方が不幸になります。

最後に

コンサルティング会社に入れば、なにか特殊なスキルを身につけることができるというわけではなく、研究職や営業職など別の職種でも使えるスキルばかりです。ぜひ参考にしてみてください!

ではまた!



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