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管理職として昇進しやすいのは「社交的で臆せず意見を主張し、革新的で思いきった決断をする」性格の人

リーダー向きの性格はない

リーダーに向いているのはどんな人でしょうか?大沢武志『心理学的経営―個をあるがままに生かす』にはこうあります。

パーソナリティ特性とリーダーシップの間には、一貫した関係を単純には見出すことはできない。簡単に性格から適性を見出せると思ってはならない。

性格によってリーダーへの向き不向きは言えないようです。たしかに現実で周囲を見渡してみると様々なタイプのリーダーが、いろんなやり方でリーダーシップを発揮しています。

しかし、リーダーをさらに「管理職」と限定すればその適性は研究されています。アメリカのスタンダード石油会社で行われた「管理者早期発見計画(EIMP)」は有名です。この研究で管理職としては情緒安定性と社交性が重要であることがわかりました。

管理職向きの性格はある

前出の心理学的経営によれば、1969年にリクルート社が実証的研究を行った結果、管理職に向いている性格の特徴がわかっています。

・情緒的な適応に関係する「性格的強靭性
・積極性や指導性、攻撃性を示す「支配性
・分析的で合理的な判断を好む「決断性
・対人適応性を示す「社交性

化学メーカーH社他でその妥当性は検証され、業績評価の高いグループの方が低いグループよりも四つの性格因子の得点が高いことがわかりました。

管理職適性検査の追跡調査

リクルートマネジメントソリューションズ社の管理者適性検査「NMAT」は前述の研究の上で作られています。この適性検査を受けた人が、その後どのくらい昇進昇格したかを調べた追跡調査の結果が公開されているので見てみましょう。

図表4.昇進度別「NMAT」結果
管理者適性アセスメント追跡調査2011(2011,リクルートマネジメントソリューションズ)』より

昇進度合いが高い人の性格特徴はこうです。対人関係面「外向」「統率」「理性」「強靱」、課題解決面「変革」「大胆」の傾向が強い。つまり対人としては「社交的で集団の中でも臆せずに自分の意見を主張し、ものの筋を重視しながら、多少のことには動じない」タイプで、仕事への取り組みは「革新的で思い切った決断をする」タイプの人が、相対的に高い職位へ昇進昇格していると言えます。

今の日本企業の管理職に向いた性格

管理職に向いている(昇進昇格しやすい)性格というものは、どうやらありそうです。しかしそれは、あくまでも今の日本企業での一律な管理職においての話にすぎません。これからは自律したプロフェッショナルが、もっとカラフルな個性が、生きる時代が来るのではないでしょうか。



このnoteは拙著『人材マネジメントの壺 テーマ6.人材開発』から一部抜粋して作成したものです。ぜひ本編もご覧ください(^^)b



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