創作工房ものがたり

タンタン。トントン。丹念に糸を紡ぐ機織り職人のように。 ことばと写真と画で、出会いを紡…

創作工房ものがたり

タンタン。トントン。丹念に糸を紡ぐ機織り職人のように。 ことばと写真と画で、出会いを紡いでいます。 〝食べる〟を考える風土ライター/薬膳コーディネーター  24節気・風土・歴史・生態系を軸に「食」を探究中。 食のことや、日々のつれづれなど綴ります。

最近の記事

梅雨時のジメジメを、スカッと飛ばす養生ごはん

鮮魚コーナーの「カツオのたたき」が目にとまり、 柵のパックを手に取り買い物かごに入れてから、考える。 切り身にして「たたき」で食べる? 玉ねぎスライスにおろし生姜、薄切りニンニク・・・。 合わせる食材を考えているうちに、 材料はそのままで「生姜焼き」風に食べてみたくなり、 頭の中のイメージはこんな感じ、で出来上がった晩ご飯です。 <焼いて、からめて、ごちそうさんカツオ> 2人前 ・カツオのたたき1柵(マグロなど):好みのサイズにカット ・たまねぎ1個:縦細切り ・ニンニク

    • 6月、田んぼに水を引く頃。大地と触れ合う、手植えの田植え

      6/5から24節気の「芒種」に入りました。(~6/20) 「芒ある穀るい稼種する時なればなり」(暦便覧) 「芒」はイネ科の植物の穂先にある針状の突起のこと。 「のぎ」とも読み、芒種はこの「芒」を持つ穀物の種まきや刈り入れ、 田植えを始める時季です。 取材でお世話になった子育てボランティアサークルの方に誘われ、 みなさんの田植えの様子を見学させてもらいました。 6/2(日)の朝9時、田んぼに集合。 集った40人ほどの人々が、 昔ながらの木枠を使って早苗の手植えをいざ実行!

      • 小満:万物の生気満つる頃に味わう、 豆と出汁の饗宴

        春から夏にかけて豆のおいしい時季。 料理は、なんといっても「煮浸し」が一番。 昆布とカツオ節の出汁でシンプルに。 豆の甘さ×出汁の味わいが、もうなんともいえません。 一口、二口と食べ進むにつれ、 じわじわと美味しさが増してくるかんじ。 豆の皮をむいたり、筋をとったり、ひと手間が面倒だけど、 この美味しさが好きで、つい作ってしまいます。 日高、真昆布、羅臼、利尻。 合わせる昆布はいろいろありますが、 煮浸しには利尻昆布を使うのが私の定番。 なんというか、奥深~い旨みを感

        • 味の珈琲屋さぼうる

          神保町の老舗喫茶「さぼうる」。 店名の「さぼうる」はスペイン語で「味」に由来するそうです。 一度行ってみたいと思っていた珈琲店の1つ。 独特の外観がもう「ただものではない」感を漂わせています。 中へ入ると、半2階のようなエリアに通されました。 そこから1階のカウンターが見下ろせるという、面白い造り。 木造の重厚な内装がどっしりとした雰囲気を漂わせているからなのか、 来店者が多いわりには、落ち着いてゆったりと過ごせる 居心地の良さをかんじます。 コーヒーはバランスのよい

        梅雨時のジメジメを、スカッと飛ばす養生ごはん

          マティスの色と光の世界

          新国立美術館で開催されている「マティス 自由なフォルム展」へ。 人生の後半、マティスが精力的に取り組んだ 切り紙絵にスポットを当てた展覧会です。 油彩画を描くとき、輪郭線や色をどう表現するのか 長年悩んでいたというマティスが 表現方法を模索する中で、出会ったのが切り紙絵。 〝jazz〟シリーズなど、マティスの切り紙絵作品は 明るく華やかな色が多いですね。 マティス芸術の集大成といわれるロザリオ礼拝堂。 フランス・ニースから20km。 岩山の中腹にある小さな街、ヴァンス

          マティスの色と光の世界

          吉祥寺の八十八夜にて

          吉祥寺の「八十八夜」にて。 野菜の師匠・内田さんと数年ぶりの再会です。 八十八夜は「からだにやさしいごはんとおのみもの」を コンセプトにしているカフェ・ダイニングレストラン。 土鍋炊きのごはんや厳選の素材で作る季節の料理を楽しめます。 こだわりの野菜は、築地青果店・御厨(内田さんのところ)からの仕入れ。 ・・・という縁で、八十八夜さんを訪れたのですが、 伺った理由がもう一つ。 なんと店内に私の描いたイラストが飾られているのです。 以前、内田さんに「笑顔の野菜の絵を描いて

          吉祥寺の八十八夜にて

          菜花を楽しむ春のおむすび

          春に花を咲かせるアブラナ科の野菜。 湯通しをして花も一緒に小さく刻んだものを、 味噌・みりん、生姜のみじん切りと合わせて和えものにする。 彩りに人参を加え、まんまるおむすびに。 トッピングに花を添えて出来上がり。 春の野を感じながら、「いただきます」。 毎月、長崎・雲仙市のタネ採り農家の岩崎さんから野菜が届く。 届く野菜には岩崎さんが「残していきたい」と大事に育てている 忘れ去られてしまいそうな在来種や伝統野菜も多く入っている。 月末に届くので、だいたいは翌月に食べ

          菜花を楽しむ春のおむすび

          しゃぼん玉、春を泳ぐ

          花見をする人たちでにぎわう近所の公園を散歩。 芝生の広場で一休み。 というところへ、 しゃぼん玉師(小学生)という人が現われ、 無数の小さな球体を見事に舞い上がらせる。 ボール遊びや公園で遊んでいた子ども達が あっという間に芝生に集まり、 嬉しそうに楽しそうに シャボン玉をつかもうと空にむかって手をのばす。 それは小さな春の祝祭の1シーンのようで、 その感じを残せるのか、 夢中になってシャボン玉を追いかけてシャッターを切ってみた。 子ども達がはしゃいでいるところは、 プラ

          しゃぼん玉、春を泳ぐ

          清明を迎える。雨粒と草花と光のセッション

          二十四節気:春分(3/20~4/3) 七十二候:雷乃発声(3/30~4/3)(かみなりすなわちこえをはっす) 春分最後の日。今日は大雨の一日。 雷が鳴り響く。 この時期でなくても、雷は鳴ることもあるけれど。 七十二候:雷乃発声(3/30~4/3)の期間に鳴っている、 というのを記録しておこうと思い立ち、 どしゃぶりの雨の日の草花にカメラを向けてみると・・・。 雨粒をまとい、嬉しそうなようにも見える。 はねる雨粒。 光る若草。 望遠レンズの先に見えたのは、春の大雨を謳歌する

          清明を迎える。雨粒と草花と光のセッション

          春分の終わり、桜は満開に

          今日、桜が満開を迎えました。(福岡管区気象台の観測) 近隣の桜は、ほんの数日前までまだ3分咲きかなという 感じだったんですよ。 桜は冬にしっかり寒さを感じてから開花に向かうといいますが、 今年は暖冬だったから、咲くのがちょっと遅いのかなと思っていたら・・・。 一昨日の夜は雷が鳴り、かなりの大雨。 明けて昨日は、すっきりと晴天。おまけに気温24度の夏日。 めまぐるしく変わる天気に驚いていると、 3分咲きだった桜がほぼ満開に咲きそろっていて、さらに驚きました。 咲いていく様子を

          春分の終わり、桜は満開に

          春夏秋冬に楽しむギョーザ

          依頼を受けて、昨年の夏から季節の野菜を使った薬膳ギョーザの レシピ作りをしています。 就労支援センターの方たちが作りやすいよう、 レシピはなるべくシンプルに。 レシピのコンセプトは3つ。 ・その季節の野菜を二種類使用。 ・身近に手に入りやすいもの。 ・薬膳の効能もふまえる。 季節ごとに楽しむギョーザ。 夏から始まり秋、冬、そしてこの春で一巡。 春の薬膳ギョーザに使用した野菜はキャベツとニラです。 冬から春にかけて一番食べ頃のキャベツは、 薬膳でいうと脾を補養するはたら

          春夏秋冬に楽しむギョーザ

          啓蟄・次候:桃始めて笑う

          啓蟄(3/5~3/19) 七十二候:桃始めて笑(さ)く( 3/10~3/14) 二十四節気七十二候を見ていると、季節を表わす素敵な言葉が多くて、 同じようなこと何度も言ってしまうのですが、 花が咲くことを〝笑く〟という、昔の人の感性にグッときます。 春の代表的な花を表わす言葉「桜梅桃李」(おうばいとうり)。 梅:1~4月、桃:3~4月、桜3~5月、李3~4月 春に花を咲かせるバラ科の植物が咲く時期を重ね、 春の彩りをリレーしているようです。 同じくバラ科の杏の花が咲きました

          啓蟄・次候:桃始めて笑う

          雨水・末侯:草木萌え動く

          淡い緑色の若草や木々の芽吹きを目にすると、 だんだん春らしくなっていく目印を見つけたようで、 なんとなくホッとします。 草木萌動く(そうもくめばえうごく)2月29日~3月4日 植物をはじめ、さまざまな生命の息吹を感じる頃ですね。 「草木」が「萌動く」。 まさにこの時季を表わしている言葉に美しさを感じます。 タイトル写真は「草木萌え動く」に見立て、 春の陽を浴びてすくすく育つ芽吹きの様子を カリフラワー・ジャガイモ・人参のサラダで表現したものです。 より季節を実感してみた

          雨水・末侯:草木萌え動く

          「雨水:季節の変わり目がここに」

          冬と春の境界を見つけましたよ。 左側は地面に枯れ落ちた寒椿の花びらたち。 右側は一気に成長しはじめた若草。(雑草とも言いますが)そこを知らせる目印のように境界に咲く一輪のヒメジョン。 フレームに入れてみると、なんとなくそれっぽく見える。 というひとりあそび。 若草に一粒残る朝の露。 水晶のように透き通った丸い粒がとてもきれい。 拡大してみたけれど、伝わっているかな。 明日から二十四節気の雨水。(2/19~3/4) 雪が雨に変わる頃。 ・・・という暦の時期〝だった〟と、過

          「雨水:季節の変わり目がここに」

          立春:春の始まりに

          春の始まり、立春。 立春(2/4)は八十八夜や二百十日の起算日。 お茶や稲作など農作物にとっても大事な日ですね。 おいしい水があるから、おいしいお米ができる。 おいしいお米を作る人がいるから、おいしいご飯をいただける。 立春の節気。(2/4~2/18) そろそろ田の神さまが里に来る頃。 稲作の中にある人の営みを感じとりながら。 農事の始まりに、お米への感謝を表した一枚。 おむすびは、やっぱり塩むすび。(^^) 春告げ草。遅咲きなのかな。 ようやく咲き始めました。 梅

          立春:春の始まりに

          節分に、春を想う

          今日は節分。 「鬼は外 福は内 天に花咲け 地に実なれ」 数年前、新聞のコラムで紹介していた秋田のとある地域の豆まきの掛け声。 勢いと、春を呼び込む感じがとてもいい。 それから毎年節分が近づくとこの言葉を思い出す。 季節の花が咲き、地に実りがある。 当たり前にあると思っていることが、変わらずにあることのありがたさ。 年中行事には、行なうことでそれをあえて意識する大切さもあるのだなぁ。自分なりの解釈も加え、今年も豆をまく。 「天に花咲け 地に実なれ」 豆まきの話な

          節分に、春を想う