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マティスの色と光の世界
新国立美術館で開催されている「マティス 自由なフォルム展」へ。
人生の後半、マティスが精力的に取り組んだ
切り紙絵にスポットを当てた展覧会です。
油彩画を描くとき、輪郭線や色をどう表現するのか
長年悩んでいたというマティスが
表現方法を模索する中で、出会ったのが切り紙絵。
〝jazz〟シリーズなど、マティスの切り紙絵作品は
明るく華やかな色が多いですね。
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朝から夕暮れまで光の射し方が刻々と変わり、葉の様子も変化する。
マティス芸術の集大成といわれるロザリオ礼拝堂。
フランス・ニースから20km。
岩山の中腹にある小さな街、ヴァンスに佇んでいます。
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一日の光の変化を感じられるようになっています。
かれこれ20年ほど前。
南仏ひとり旅の途中、ロザリオ教会へ行ってみたいと
ニースから長距離バスに乗り、向かったヴァンス。
地図を片手にはやる思いで辿り着いた礼拝堂は、
柵が閉ざされていて見学できず・・・!
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「ここまできたのに・・・」
屋根の上のクロスを見つめ、茫然と立ち尽くしてしまったことを思い出す。
まさか日本でロザリオ教会を内観できる日が来るとは。
タイムマシンがあったなら、
「大丈夫。いずれ日本で見学することができるから」
なんて、あの日の自分に言ってあげられたかもしれない。
「ただ眺めるだけでなく、体感できる作品を創りたい」
と、マティスが77歳で取り組んだ壮大な制作。
マティスの言葉を思い浮かべ、その世界に浸っていると
伝えようとしていることを感じとれるような、そんな気がしました。
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開催期間中、館内のレストランやカフェで
マティスの作品にちなんだメニューを楽しめます。
ランチに選んだのは地下1Fカフェテリアの
「牛すね肉のニース風赤ワイン煮込み・バターライス添え」。
ん~気分はニース。
・・・なのかどうかは分からないけど
けっこうボリュームがあり、
赤ワイン煮込みのお肉もマッシュポテトも、とてもおいしかったです。(^^)
遠いニースの記憶を、美術館のカフェで思い出す春の午後。
3月の東京滞在記:その2