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東京都初の農業アカデミーへ。苦難の連続-Ep7-

こうして2020年の春に東京都で初めて開設された
東京農業アカデミー八王子研修農場に無事に合格し通うことになりました。
しかし予期せぬ新型コロナウイルスが影響し
入学が遅れ、カリキュラムも予定通りに進まず
苦戦したスタートとなりました。

改めて学びなおすと

東京農業アカデミー八王子研修農場では
東京都で新規就農する人を対象に、
露地野菜栽培(少しだけ施設野菜も)に絞って研修を受けます。

栽培技術指導に加え、植物の生理生態や農薬・肥料などの基礎知識を学び
経営計画の立て方、経理などの基礎的な経営について学べます。

1年目は共同圃場で基本的な季節野菜を栽培し
2年目には各自に圃場が割り当てられ、作付け計画から
実際に栽培し、収穫、出荷まで行います。

農地のあっせんも行っており
なかなか希望地で農地が見つかるケースはレアではありますが
就農する道筋を立てていきます。

それでも最後は自分の力で進めていかなければいけないことも多いので
覚悟を持って入講しなければ途中で挫折してしまいます。

自分がやりたいこととできることは違う

私も農地を探すのにとても苦労しました。

最初はハウスがどうしても建てたいか借りたかった。
でも今住んでいるところからではとても見つかりそうにない。

とある市でハウスを貸したい地主さんがいると教えてもらい
御挨拶に伺ったのですが、確かに設備が整っていてハウスがすぐに使える。
しかし敷地は狭く、目の前に墓地と神社があり
歴史深い地域のようでそんな話をされていました(これは農家あるあるのようです)
自分の第六感でどうしてもここにしようとは決めきれませんでした。

断りの電話を入れるとこの先こんなにいい物件ないかもしれないのに
それでもいいのかと何度も言われました(これもあるあるです)

それでも自分が納得しないことには続けられないと思ったので
思い切って断りました。それが後々正解だったと思えるのです。

選ぶ条件を広げるか捨てる

まず就農地を選ぶ大きな選択肢として挙げられるのは
助成金が受けられるかどうかです。
制度がコロコロ変わりますが、2021年時点で次世代人材投資事業を使えるのは
いわゆる人・農地プランが制定されている市街化調整区域のみでした。
私が住んでいるのは三鷹市なので近隣は生産緑地しかありません。

引っ越して助成金を受けるか、助成金はあきらめて引っ越しをしなくてもいいところで探すか。
かなり悩み、家族にも相談しましたが
引っ越してそれからの生活資金と、助成金のもらえる額を比べれば
ほとんど手元に残らない計算になり、わざわざ引っ越すだけの価値がある
農地が出てくるかもわからないから
おとなしく、引っ越さなくてもいいところで農地が出てくることを祈ろう。
とあてもないのに生産緑地での就農を選択したのです。


つづく

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