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神戸駅 「中畑商店」

「神戸駅の近くに桃源郷がありますよ!」と後輩に言われたのがその店を知る最初だった。

「桃源郷」という意味もさほど分からないが、兎にも角にも、すんごい所だということは広島県内の中学校受験を6校落ちたこの私でも分かる。

ならば早速と行ったのが今から3年前の2015年。世間では東京ヤクルトの山田哲人選手が本塁打30本・打率3割・盗塁30の偉業【トリプルスリー】を達成し、会社では私が徹マン・寝坊・遅刻・書類忘れのトリプルスリーならぬ【クアドラプルフォー】をやらかした年でもある。

神戸駅から歩いて約10分の所にあるその店の名は「中畑商店」。初めていった感想はまさに「桃源郷」に相応しい私好みの店だった。

そして先日、約1年ぶりに中畑商店に出向いたので紹介しようと思う。

14時。前日から明日の昼は中畑商店と決め打ちしていたので朝から何も食べずに、更には、より腹を空かせるため三ノ宮から後輩との待ち合わせ場所の神戸駅まで徒歩。食べたい物の口になっていると空腹が嬉しい。

神戸駅の南側で3年前に紹介してくれた後輩と合流。ここから西へ歩く。

そしてこの交差点からもう1本奥の交差点を海側へ。

ここからはハーバーランドやメリケンパークといったキラキラのThis is KOBEの街並みから、古き良きR30の街並みへと変わる。

たばこ屋さんに新聞の自販機、トドメはフジフィルムのロゴ。

そしてこの路地が桃源郷へのシルクロード。
現在は更地になっているが、かつてこの道はアーケード街で全盛期には約100店が軒を連ねていたらしい。その時代に来てみたかった。


突き当たりの赤提灯が今回の目当て「中畑商店」である。 
赤提灯が何とも水戸黄門の印籠のようで、提灯は新しい様だがただならぬ歴史の前にハハァーっと頭を下げてしまいそうになる。

早速入店。土曜日の昼とあってか店外に5人、店内に3人組と2人組の先客がいて、我らを含めどの組も2.3.40代くらいと店に似合わず若かった。

店は焼き場のお父さんと配膳・飲み物を担当するお母さんの2人で切り盛りされており、焼けた串からこの様にどかっと前に置かれていく。

これがメニュー。特筆すべきは看板メニューのホルモンの安さ。激安の殿堂も驚く衝撃プライスなのだ。さらに驚きなのはこの価格でも数年前に値上げしたという。

いよいよ前日の空腹から解放されるオーダータイム。桃太郎にはきびだんご、荒木には井端というように、ホルモンにはビールという世間の教えに従い、喉の潤す。こういった酒場にはやはり瓶ビールが良く似合う。

ひとしきり乾杯したところで、ホルモン4本、アバラ・シンゾー・レバーを2本ずつ注文。

これがホルモン。バサと呼ばれる牛の肺を使っているのだという。新鮮で臭みがない上、秘伝のタレで焼かれていて、すこぶる旨い。一口食べるだけで店が長らく愛される理由が分かると共に、これを50円で食べることに背徳感すら感じてしまう。

ホルモンはもちろんの事、何を食べても「うん、うん」と頷くほど間違いないのだが、中でも私のイチ押しは上の盛り付け写真の一番上にあるアバラだ。上質な脂の甘みが口に目一杯広がっている最中にビールで流し込むと、それはもはや想像通りの“口福”が広がる。

本日のお勘定は1350円。良心的や庶民的という言葉では全く収まらないほどの圧倒的コストパフォーマンス。帰りしなに「これぞホンマもんのトリプルスリー(早い・安い・旨い)やな」と呟いてしまった。「中畑商店」ご馳走様でした。


店先では精肉と秘伝のタレも販売。

隣のお好み焼き屋さん。今回は満席で入れなかったので次回のお楽しみ。

中畑商店の対面にある昔ながらの駄菓子屋さん。やはり駄菓子屋さんは開き戸でないと。


※お店の情報や街の情報など何でもお教えいただけると幸いです。

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ラーメン屋で臆することなく「味付け玉子をトッピングで!」と胸を張らせて言わせてもらいます。