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30席で月商200⇒1,200万円、グルメバーガー専門店への業態転換で急成長したカフェ

こんにちは、フードビジネスコンサルタントの小林です。
緊急事態宣言の延長やまん延防止策の適用エリア拡大など、
外食企業にとってはまだまだ厳しい状況が続いています。

現在第三次募集中の事業再構築補助金などの活用も含めて、
テイクアウト・デリバリー専門店やEC、冷凍食品など、
コロナ渦でも好調な業態への業態転換や新規参入が増えています。

外食大手を中心に「ハンバーガー業態」への参入が活況

そんななかで、ダイニングイノベーションの「ブルースターバーガー」や「BEXバーガー」などのテイクアウト専門店、ロイヤルホストや鳥貴族などのチキンを主体としたバーガー業態など外食中堅・大手の新規参入のほか、
既存ハンバーガーチェーンのドムドムハンバーガーも、プレミアムブランドとなる新業態「TREE&TREE’s」を開業するなど、「ハンバーガー業態」への注目度が高まっています。

何故、「ハンバーガー業態」がコロナ渦で好調なのか?

理由はシンプルで、
1.元々テイクアウトやデリバリーなどの中食需要に強い
2.食事性の高い業態であるためコロナの影響を受けづらい
3.パーソナルからグループ・ファミリーまで幅広い客層にリーチできる
4.相対的にマーケットが確立されているため郊外エリアでも展開可能
といったところが、業態の特徴としてあげられますが、
加えて、いわゆる「グルメバーガー」のカテゴリーにおいては分かりやすくプレミアム感による付加価値を付けられ先行大手チェーンと差別化しやすいことや、コロナで伸びた消費の一部を取り込めるということも挙げられます。

「ハンバーガー市場」についての考察は別記事にてまた記載するとして、
こういった業態転換で成果を上げている個人店・中小企業も全国で出てきています。

「グルメバーガー専門店」への業態転換で、月商200⇒1,200万円まで成長したカフェ

東京のクライアントであるカフェ&バー「Field」では、
30席で月商200万円の業績不振状態でしたが、
2019年末にこの店舗を本格的にグルメバーガー専門店へと業態転換。

業態転換から約3か月後には月商500万円を超えると、
その後コロナによる中食需要などの追い風もあって、
わずか1年半でさらに月商1,200万円まで売上を伸ばされています。

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従来のカフェ&バー業態と比較しても生産性の高い業態であるため、
人時売上、営業利益ともに売上と比例して大きく伸びていることが分かります。

では何故、これだけの成長を実現することができたのか?

取り組んだことは4点で、
1)よりプレミアム感・しずる感のある看板商品を開発

図1

2)この看板商品を中心にクラウドファンディング・メディア・SNSで拡散
⇒主力単品を中心に主力売上構成比で80%まで向上
3)拡散した情報の受け皿となるWeb媒体の強化
⇒販促費27,000円/月のみの広告費で売上1,200万円(手数料除く)
4)そして、テイクアウト&デリバリーの強化
⇒上表でもイートイン売上(黄色のグラフ)は約30%弱であるのに対して、
テイクアウト(橙)、デリバリー(緑)が全体の約60%程度を占める
です。

「ハンバーガー市場」での戦い方とは?

「ハンバーガー業態」の市場は、
①プレミアム感の高いグルメバーガー業態
⇒単価1,000円以上で、カフェ&バー系の業態が多いマーケット
②低価格・ハイコスパのハンバーガー業態
⇒マクドナルド占有のなか、ハイコスパ化で差別化
に分類され、①②は明確に客層が異なります。

②市場はブルーオーシャンのように語られることの多いマーケットですが、
ローカルに行けば行くほどマクドナルドが占有するマーケットになり、
商品のみで支持されているマーケットではないため差別化が困難です。

したがって、こちらの会社では①市場のなかで、
あえて低価格・ハイコスパの戦い方に振らずに、
他店のプレミアムバーガーと差別化するための商品力とプロモーションの強化に注力した形です。

また、このあたりの実店舗における対策が、
コロナでテイクアウト・デリバリーに参入した店舗が多かったなか、
わざわざ買いに行く・割高でもデリバリーする目的性を作るための要素としても寄与してくれたことで、
中食売上の獲得とその後の伸長にもつながっています。

おわりに

現在こちらの会社では、
よりテイクアウト&デリバリーに特化した新フォーマットの業態も開発しており、今後はこの業態を軸に多店舗化を進める予定です。

いずれにしても、コロナによって好調な「ハンバーガー業態」ですが、
プレイヤーや立地によって明確に戦い方が異なりますので、
まずはこのあたり見極めながら対策を立てて頂ければと思います。



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