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もがきながら新規プロダクトを立ち上げる中で僕が学んだこと

こんにちは。「調達のスタンダードを刷新し続ける」をミッションに掲げるリーナーテクノロジーズで営業責任者と新プロダクトの事業開発をやっている高橋です。

この度、私が立ち上げを行った3つ目のプロダクト「Leaner購買」を正式にローンチいたしました。

今回のLeaner購買の立ち上げにあたってはこれまでの反省を活かしながら取り組んできたこともあり、かなり良いスタートを切れている感覚があります。

あくまで1stローンチはスタートですので、”Leaner購買を通じて世の中をどのように変えていくのか”については是非今後に期待いただければと思うのですが、今回はB2BSaaSスタートアップで3回のプロダクト立ち上げを経験して学んだこと(主に失敗から得た学び)を、もう一度事業立ち上げをする時の未来の自分に向けて書いてみたいと思います。
※未来の自分に向けて書くので少し汚い言葉になったりしますがご容赦ください🙇🏽

以下のような方に読んでいただけると嬉しいです。

  • もう一度新規事業の立ち上げを行う時の私

  • スタートアップで事業開発をしている方

  • これからスタートアップに飛び込み、世の中を変える事業・プロダクトをゼロイチで創りたい方(26歳の時の私)

事業開発は、非凡な人の1回目より平凡な人の3回目の方がうまくいく

私はスタートアップに飛び込んでから3度の事業立ち上げを経験しています。

1つ目の事業はローンチ後から携わりましたが、悔しいことに先日クローズを迎えました。
2つ目の事業であるLeaner見積では、1社目のお客さまを連れてくるところからARR1億円を超えるまでを牽引して、現在は営業責任者をやっています。
3つ目の事業がこの度ローンチしたLeaner購買です。Leaner見積の立ち上げと並行してプロダクトを立ち上げてきました。

CPF、PSF、SPF、PMF、GTMなどプロダクトの各フェーズを3周経験する中の実感値として、「事業開発は、非凡な人の1回目より平凡な人の3回目の方がうまくいく」と感じています。

今回の立ち上げは1回目、2回目の反省を活かしながら取り組んできたことでかなりいいスタートを切れている実感があります。もちろん今回の立ち上げも全てうまくいったわけではないですし、失敗の連続から反省して学びながらローンチまでたどり着くことができました。

3回の事業立ち上げ経験で学んだことをアウトプットすることで、少しでも次回事業を立ち上げる際の精度・スピードが上がることを期待してnoteを書いています。
また、私の経験の中で学んだことが少しでもスタートアップで事業を立ち上げている方の役に立てばそんなに嬉しいことはありません。
学術的な概念や解説については纏められているnoteや書籍が多数ありますので割愛します。私が参考にしてきたnoteなどはリンクを貼っていますのでそちらをご確認ください。
私のこれまでの失敗と反省が少しでも伝わると嬉しいです。

新規プロダクトを立ち上げる中で学んだこと

1. プロダクトは作ってから売るのではなく、売れてから作れ。

プロダクト立ち上げに関する書籍も読んだ。関連するnoteも読んでいる。そんなの頭ではわかっている。それなのに何故かやってしまうのだ。

私も漏れなくやってしまったのだ。Leaner見積はローンチ直後全く売れなかった。しっかりユーザーインタビューも行ってローンチしたはずのプロダクトが全く刺さらない。本当に全くと言っていいほど刺さらず、自分の営業力がないんじゃないか?と疑った。(※バーニングニーズを見つけて、PMFを迎えてからのLeaner見積は爆裂売れている。そして解約もゼロ。ここまで持ってくることができたことは誇らしいと思います!)
前職時代、他の営業マンの10倍の生産性を誇っており、圧倒的に売れまくってたので、営業力の問題ではないはずだ。ターゲットかプロダクトの問題だ!と自分を奮い立たせたりした。結果的にバーニングニーズを特定して、PMFを見つけることができたが、ローンチしてから約半年間、誰の、どんなペインを解くのか?ということを探し続ける日々だった。今思うとこれが本当にキツい。1円も売れないプロダクトを半年間毎日7商談するのはもうやめよう。(当時は無我夢中なのでキツいとか思ったことはない。ただ体力的にも結構ハードだった。)

何故そうなってしまったのか。理由はシンプルだ。ローンチする前に一度もお客さまへ売りに行かなかったからだ。新規製品を作るためのインタビューで聞く問題・課題、プロダクトに対しての「欲しいと思うか?」「はい、欲しいです」というフィードバックには、ほとんどと言って良いほど意味がない。当たり前だが、「困っている」と、「お金を払ってでも解決したいほど困っている。且つ、社内で決裁が取得できるほどビジネスインパクトが見込める」は、全く違う。仮説を立てるためにインタビューを実施して、困りごとを聞くことは大事だが、鵜呑みにしてはいけない。聞く人、聞くシチュエーションを間違えては全く意味のない時間になってしまう。

Leaner購買の立ち上げにおいては、OKRで「カリサン」というobjectiveを掲げ、「ペインがカリッカリの3社を見つける」という目標に向かって、未成熟なプロダクトを担いでまずはPowerPointの資料2-3枚で売りに行った。

「え?プロダクトがなければ売るものないじゃん!」と思うかもしれないが、本当にバーニングニーズを抱えている顧客には、パワポ1枚で売れる。まだ売れていない場合は、先々キツくなるので、今すぐにオフィスを出て売ってくるのだ。

「いくら営業力があっても、PMFしていなければ売れるわけがない」という超当たり前の真実を身をもって体験して、私の好きな言葉は「PMF」になった。まず最初にやることは、売りに行くこと。学んだことを活かしなさい。

「1人でもお金を払ってくれましたか?まずは売りに行ってみなさい。マーケットや顧客が何に困っているかわかるでしょう。」

パワポ1枚で売れた時の報告(当時はLeaner購買をカタログと呼んでいました)

2. 創業者と脳内をシンクロさせろ。”創業の背景〜これまで〜これから”を自分の言葉で熱く語れるようになれ。

意識してやってきてよかったこともある。

Leanerのプロダクトを立ち上げるにあたって、出来るだけ創業者と多くの時間を共に過ごし、創業者の想いやWillをインプットしてきた。これは本当に意識的にやってきた。

具体的には、フルリモートの環境下であっても基本的には祐天寺の地下オフィスに出社し、夜ご飯を共に食べ、サウナへ行き(行きつけは戸越銀座温泉 or 宮城湯)、夜中のオフィスで共に作業をする。すると、だんだん人となりや、世の中をどう変えていきたいのかがわかってくる。

この時間は私にとって、ドメインに対する想いをインプットする大切な時間だった。

もちろん創業者と完全にシンクロすることは難しいが、創業者と同じ熱量でマーケットについて語れない限り、なんの実績もないサービスのために時間をとってくれる人なんて現れないと自覚すべきだと思う。何故なら顧客も暇ではないから。正直最先端のテクノロジーとか興味がないのだ。

新規事業開発担当者は、創業者と同じ熱量で顧客と対話をできるようになる必要がある。これは何よりも大事なこと。今ではLeaner事業においては、創業者と同じレベルで熱い想いを持ってマーケットと顧客に向き合っているという自信すら出てきている。これは続けなさい。

「創業者と同じ温度感で世の中変えようと思えていますか?そうでなければ今すぐ一緒にサウナに行きなさい。」

3. スタンダードを知らない奴にスタンダードを刷新することはできない。歴史を学び、業務を学び、ドメインエキスパートになれ。

Leanerは”調達のスタンダードを刷新し続ける”というミッションを掲げている。スタンダードを刷新して新しいスタンダードを創っていくのだ。

当然だが、スタンダードを知らない奴に、スタンダードを刷新することはできない。こんな当たり前のことが26歳の自分は全くわかっていなかった。

Leaner見積を現在メインで活用いただいているユーザーは製造業なのだが、当時の自分は”BOM”という言葉すら知らなかった。Leaner見積の良さ(良さというか今思えば良いと勝手に思っていること)を全力でプレゼンした後に、「BOMの概念・考え方を理解していないですね。BOMも知らないんですか?」というフィードバックをもらったことがある。本当に恥ずかしいのだが、オンライン商談だったのでネットでこう調べた「Bomb」。やっぱり「爆弾」しか検索結果に出てこない。「製造業・ボム」、すると「もしかして:製造業 bom」と出てきてようやく理解した。こんな状態では良いプロダクトなんて創ることが出来ないのは当たり前だ。

そこから調達業務に関するインプットに本腰を入れて取り組み始めて、潮目が変わった瞬間がある。とあるお客さまから「高橋さんって調達やってたんですか?とても生々しくて詳しいこと知ってるんで。」と言われたのだ。ここからはもうとんとん拍子だった。

調達業務をわかっていないと、顧客に要望を言われた際に「その業務いらなくないですか?」と言うことができない。顧客の意見を捌き、顧客をリードすることができるようになるためには、調達業務の理解が最も重要なのだ。

「ドメインエキスパートを採用したい?違う。お前がドメインエキスパートになれ。」

もうひとつ大事なことが歴史を学ぶことだ。歴史の変遷を学び、何故今こうなっているのかを仮説を立てるのだ。すると、構造がわかる。どんなサービスにしないといけないのかのイメージがつくのだ。これをMVPをマーケットにあてながら検証していくプロセスは何とも言えない楽しさがある。これはLeaner購買の立ち上げにおいてやってよかったことだ。

「ドメインの歴史を学べ。歴史に答えはあるはずだ。」

4. お前が必要な機能を考えるな!顧客の現状・問題・背景・実現したいことを解像度高く理解して、解き方を”チーム”で議論せよ。

私はコードが書けない。「顧客の課題を解決するためにこんな機能が必要です」なんて私が思いつくことはほぼ合っていないと自負していた。餅は餅屋、解き方はエンジニアに任せた方が良い、という考え方が今思い返すとよかったことだと思う。

実際に、ワークフロー機能を作るプロジェクトを推進した際に、「こんな解き方ができるのか!」とか、「確かにこういうことができたら問題を解決出来そうだ!」と、私では到底思いつかないアウトプットが出てきたこと、そのアウトプット(モック)をもとに顧客に提案するととんでもなく刺さることを経験した。インタビュー→チームへフィードバック→議論→顧客提案というループを何度も回した結果、今となっては顧客にとって必要不可欠且つ優位性を作る機能となっている。これは本当によい経験だった。

もちろん、ビジネスサイドとして、誰の、どんな問題を解くのか(Why、What)については誰よりも理解していないといけない。ただ、どうやって問題を解くのか(How)については、基本的にエンジニアに任せつつ、チームで議論して決めていく方が顧客にとって本当に役に立つプロダクトを作っていけるはず。顧客の想像を超えるプロダクトを生み出すことは1人ではできない。

Leaner購買において、良いスタートが切れている要因は、営業とプロダクトが凄く近かったこと。売りながらプロダクトを作っていくことができた。顧客の業務理解がめっちゃ大事で、顧客と対等に会話できるようになったことが最大のポイント。顧客業務の解像度が上がると業務系のプロダクトは売れることが改めて分かった。

これはずっと拘り続けるべき。

「自分が1番詳しいとか思っていないですか?チームでマーケットと顧客に価値提供していきなさい。」

5. ペインの深さにおいて「頻度」の要素はめちゃめちゃ重要

これも今思えば当たり前である。当たり前なのだが何故か忘れてしまうのだ。

これを無視してしまうと、特に業務系SaaSはきつい。何故なら”今ない業務はSaaSで代替できない”からだ。物凄く当たり前のこの真実を、何故か忘れてしまいがちだ。

今やっていない業務に対してSaaSのサービスを提供しようとすると、ログインされない、ログインをお願いするという屈辱的なことが起きる。これは本当に辛い。ログインしてよおおってなる。しかしお客さまが悪いわけではない。ログインされないってことは日々の業務で不要なのだ。

一般的に深いペインポイントにはいくつかの構成要素があり、その掛け算でペインポイントの深さが決まると言われているが。ペインを構成する要素の中でも、「頻度」の要素はめちゃめちゃ重要今思えば当たり前だが、月に1回発生する面倒な業務と、毎日数十件発生する面倒な業務では、後者の方が大変。業務系SaaSであれば、日々の業務でどれだけ活用されるかということが超重要である。

「その業務、本当にSaaSで代替可能ですか?頻度をしっかり確認しなさい。」

6. バリュープロポジションはなんぼ磨いたって良い。バリュープロポジションが全てだと思って毎日磨き続けろ。

Leaner購買が何故かなり良いスタートを切れているのかと言われたら、間違いなくこう答えるだろう「バリュープロポジションが一貫している」

1番最初にバリュープロポジションを書いたのは祐天寺の地下オフィス。ホワイトボードに向かって書いた。そしてよかったことは定例で振り返りを行って、一度書いたバリュープロポジションを見直し続けたことだったと思う。これがなかったら、プロダクト開発も、営業も、Webページの作成も、一貫性を担保することは難しかったはず。

特にエンタープライズ向けのサービス開発において、誰の、どのペインを解くのか、どのセグメントのMVPをつくるのかが最も重要。売りながら共通のペインポイントを持っている顧客群を見つける。その中でどのターゲットから価値提供をしていくのか。ターゲティング・セグメンテーションに超絶拘れ。

「一度つくったバリュープロポジション見直していますか?PMFは繰り返していくんだ。何度見直したって、何度磨いたって良い。」

7. 諦めるな!やり抜け!続けろ!グリットが大事!

ちょっとこのまま書き続けると止まらないのでこれで最後に。

”諦めないこと、続けること” これは本当にやってよかったことなので次回立ち上げる際も肝に銘じておくべき。

スタートアップは極めて厳しい状況からビジネスを始めることになる。最先端のテクノロジー、高度なソリューションなんて興味がないというのが顧客の本音だ

チームが本気で作ったサービス・プロダクトを全否定されることから始まる。こんなのいらない、この機能がないと使えない、費用対効果が合わない、他に優先すべき課題がある、導入したが1回も使われない・ログインすることをお願いするという屈辱的なことが本当に起こる。

顧客はどんな業務を行なっていて、何が問題なのか、顧客が実現したい未来はどんな世界なのか、どうやったらプロダクトで問題を解けるのか、どうすればもっと価値が伝わるのか、どうしたらプロダクトを使ってくれるのか、より便利になるのか。マーケット・顧客に向き合い続けることで少しずつ前に進んでいく。

ノーと言われることがスタートなのだ。

加えて、適切なプロダクト(MVP)を用意するだけで9ヶ月〜12ヶ月程度、収益をあげるためには6ヶ月〜12ヶ月程度かかると言われている。奇跡は起こらないので、忍耐強く続けることが重要。覚悟が道を切り開くのだ。

「その事業に残りの人生のうち10年突っ込む覚悟はありますか?ないのなら今すぐ手を下げて未来ある若手に譲りなさい。きっとあなたの26歳の時のように、経験はなくとも覚悟で道を切り開いていくでしょう。」

結論:覚悟が道を切り開く

ナレッジは世の中に溢れています。それでも日本でARR100億円をこえるプロダクトが数えるほどしかないのはなぜだろうか。

私はまだ世の中を変えていないけど、少しばかりスタートアップをやってきて、先人たちから学ぶことで感じていることがあります。

「覚悟」とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開く事だッ!!

ジョジョの奇妙な冒険

せっかく生きるのだから、世のため人のために生きたい。少しでも世の中に貢献したい。シンプルにありがとうって感謝されることが1番心が豊かになる瞬間ではないでしょうか。

そんな想いをもってスタートアップに飛び込んだのだから、覚悟をもってやり続けることが重要だと思うのです。

Leaner購買はこれから世の中を大きく変えていくことにチャレンジしていきます。

一緒にチャレンジしてくださる仲間を集めています。

少しでもnoteを読んで興味を持って下さった方はご連絡いただけますと嬉しいです。

わたしからもお声掛けしていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

(長くなってしまって書きたかったけど割愛したことがたくさんあるので、第二弾もいつか書きます!)

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