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プリーチャーマン -テクノのフォーマットで黒人音楽の伝統を蘇らせた不世出の神曲-


Green Velvetは1990年ごろから活躍しているテクノ/ハウス・プロデューサー。その彼が1993年にドロップしたのがこの曲。ドスの効いた四つ打ちの上に重ねられた、エヴァンジェリカルな牧師のスピーチが印象的な曲だ。Godの部分をHouseに置き換えて、比類ないハウス・アンセムとなっている。

この作品以前のグリーン・ヴェルヴェットは、シカゴ・ハウス界隈でも珍妙なビート愛好家でどこか斜に構えた感があり、マイナーな存在でしかなかった。しかし、この曲は瞬時に評判を呼び、ダフト・パンクら欧州の著名ハウスDJのミックスに軒並みリストアップされ、しかも盛り上がりのピークにここぞとスピンされた。

このミックスでは、ダフト・パンクは冒頭の3曲目でスピン。いわゆる「掴み」として使った。

この曲は、ハウスに説教を被せるという奇妙なアイデアで成立している。
しかしよくよく考えてみれば、ダンス・ミュージックと黒人牧師の説教の相性は悪くない。
ヒップホップ/ラップは、ボーカルをメロディから解放したし、黒人牧師は、日本の牧師とは違い、ある種エンターテイナー的な部分がある。ジェームス・ブラウンのように激しく叫び煽り倒して、聴衆を盛り上げるファンキーな牧師も多い。

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暴力的な四つ打ちビートをコンロの火だとしたら、鍋の中には煽りまくるボーカルと踊り狂うクラウドを放り込めばいい。単純だが、実はこねくり回さないこのやり方がとびきり良かった、そんな驚異の一曲。

この曲の黒さは、それだけに留まらない。グリーン・ヴェルヴェットの本名は、カーティス・ジョーンズ。シカゴでカーティスといえば、ソウル/ファンクファンなら当然思い出すのが、カーティス・メイフィールド。そしてシカゴはジャズとブルースの街。これはもう、黒人音楽の伝統のど真ん中にいる人が出す音に間違いない。

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そしてこの曲以降彼はヒット曲を連発し、マドンナのリミックスまで手掛けるようになる。

日本に来て渋谷WOMBでプレイした時には、初日に行って踊り狂い、初日が良すぎたので急遽2日目も行くことにした。クラブで踊って、もっとも楽しかった二日間だった。


この文章でグリーン・ヴェルヴェットに興味を持ったなら、Walk In Love辺りのアルバムをオススメしますよ!ジャケットワークもお気に入りです!!

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