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ナレッジラボがライトなクラウドツール導入事業「クラウドサポート」をクローズした2つの理由

はじめに

こんにちは!カスタマーリレーション推進室の高木です!

今回はナレッジラボが過去に行っていた事業について、振り返りをしてみようと思います。

ナレッジラボは創業以来様々な事業を行ってきました。
とにかく色んなことにチャレンジしましたし、もちろんうまくいかないものもありました。
(余談ですが、ナレッジラボのバリューの一つに「チャレンジ」があり、昔も今も、体現し続けています)

今回はその中からすでにクローズしたクラウドサポート事業についてお伝えします。

ナレッジラボは2016~2017年くらいに、主にMFクラウド会計(当時)を中心としたライトな導入サポートのみを行う「クラウドサポート」という事業を行っていました。
対象は個人事業主や、会社設立間もない小規模の会社がメインでした。

この事業は現在はクローズしており、今は、業務改善コンサルティングとして、当時行っていた事業を大幅に進化したものを展開しています。

クラウドサポート事業はうまくいった点もありますが、今思うと失敗したというか、もっとうまくやれたはずと振り返れる点がありました。
これは失敗だったとさえ思うところもあります。

私はこの事業に関し、セミナーでの集客と登壇、セミナー後のアフターフォローを行っていました。
おそらく最も現場の生の声を感じることができる立場だったと思います。
今回は、その私目線からのお話であることにご留意ください。

では、よかったところ、悪かったところ(=もっとうまくやれたかもしれないところ)を振り返っていきます。

よかったところ① クラウド化の大きな波を味方にできた


今でこそクラウドツールの導入で報酬を頂く事業は一般的になりました。
会計事務所が顧問先に対しクラウド会計をはじめクラウドツールを導入するケースもよく見られます。

ただ、2016年当時はこういった活動をしている会社は少数だったと思います。
当時クラウドツールを導入するケースでは、会計事務所がクラウドツール(主に会計)と税務顧問契約がセットになっていることが多かったと記憶しています。クラウド導入事業をフロントエンド、税務顧問契約をバックエンドという運用をされていたケースがほとんどではないでしょうか。

そこで当時のナレッジラボでは、あえて税務顧問契約を提案せず、クラウド導入サポートのみに特化する商品設計としました。

当時、クラウド会計が大きな話題となり、「これから会計業務が大きく変わる!」とかなり盛り上がっている時期(今も盛り上がっていますが)でした。同様のサービス提供をしている会社もかなり少なかったため、希少性もあったと思います。

事実、クラウド導入に関するセミナーを実施するとほぼ毎回満員となっており、世の中の注目度も高かったと思います。
こちらの写真は当時行っていたセミナーの写真で、大阪駅前第三ビルで毎週のように実施していました。
ほぼ毎回この状態でした。

世の中の流れをしっかり見極めて、適切な時期にしっかりとアクセルを踏むべきということを実感しました。

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よかったところ② ユーザーの一次情報を集めることができた

当時、クラウド会計はいい面、悪い面で業界内でいろいろな情報が流れていました。
一方でそれを使うユーザーの立場からはどう捉えられているのかという点について、多くの方の意見をセミナー参加者から直接聞くことができました。

ツールについては我々が想定していたよりもユーザーの抵抗感はあまりなく、今よりも便利になるのであれば積極的に利用していきたいという感想が多かったのが印象的でした。これで自分の経理業務が楽になるという期待感をひしひしと感じました。

周りの情報に惑わされずに、自分たちが一歩踏み出して行動し、お客様がどう感じているか、自分たちが直接体感する。
一次情報を取りに行くことはとても重要であると再認識しました。

ここで得た経験はとても貴重なもので、その後、弊社の会計事務所見学会など様々な場で、そのノウハウを積極的に公開しています。


続いて悪かったところ(=もっとうまくやれたかもしれなかったところ)を2点書いていきます。


悪かったところ① 値付けに失敗した

クラウドサポートは、クラウド会計のレクチャーを月額4,980円と設定していました。
初期費用は頂きません。

最初にリーズナブルな価格で提案し価値を感じて頂いた上で、さらにクラウド給与や請求書など別ツールの提案を段階的に行うという意図がありました。
ただ、クラウド導入は最初の業務フローの整理に時間を要することが多いため初期費用なしでは工数を鑑みると苦しいものがありました。

初期費用を頂かないというのは難しい判断だったのですが、まずはクラウドに慣れ親しんでもらうところがスタートと考えていたので、思い切った決断をしていたと思います。

この取り組みを行うには、その前準備として、契約後の社内の業務フローを相当標準化しておく必要がありました。
もちろんこれは意識しており、ある程度までは標準化したつもりだったのですが、お客様の状況が想定よりも多種多様で社内での業務に時間を要してしまいました。

今考えれば、例えば対象業種を絞り、想定されうるフローもパターン分けしておくなど、さらによりよい方法は取れたと感じます。

また、料金設定はとても難しく、答えのないテーマですが、一般的には次のいずれか又はそれぞれを組み合わせて設定すると思います。

・サービス自体の提供価値
・タイムチャージ(工数×時間単価など)
・競合の価格

当時は競合がほとんどおらず、市場も出来上がっていない状況であったので、価格は今考えても悩むと思います。

悪かったところ② 業務範囲が不明確だった

クラウド会計ソフトは無形で、かつ長い間使い続けるものです。
従って、業務の成果物、ゴールが不明確になりがちです。

当時は、何をもってクラウド会計を使えるようになったのか、というゴール条件の合意形成がしきれていませんでした
今考えると、契約前の段階、サービス紹介の段階のそれぞれでゴールを明示し、契約書(又は利用規約)でその内容を規定しておくのがベターでした。

当時は、我々が「お客様がツールを使えるようになった」と認識しても、お客様からすると「またわからないことが出てきた」という認識で、長い期間質問を頂くという事象が多発しました。

また質問内容が会計ソフトの使い方とは違うものであるケースも多かったです。
例えば、確定申告時期に「〇〇は経費に落としてもいいですか」といった質問が多く見受けられました。

税理士でない限り答えることができない(そもそも税理士法に抵触することはできない)のですが、一方でお客様からは悪気なく質問してこられるので、その対応にいろいろと四苦八苦しました。

今考えると当然なのですが、サービスについて「納品物や成果物を定義する」「期間を区切る」など、ここまでやればおわりというゴールを明確にした商品設計をすべきだったと感じます。

今のナレッジラボは

今は、クラウドサポートとは全く異なる業務改善コンサルのサービスを提供しています。
クラウドツールを単独で導入するのではなく、お客様の状況を個別に把握し、ご希望を鑑みた上であるべき設計を提案し、適切なサービスを複数組み合わせることで最適な経営管理体制を構築します。

全く別サービスになっていますので、ご興味ございましたらぜひお問い合わせください。



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