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コグメドによる算数(数学)の伸びは、1年後に現れている。変化量は、小学生で6か月分、中学生で1年分に相当する。

コグメドの実施が学習に効果があるのか?

ワーキングメモリは、数学と読解の成績と高い相関があります。しかしながら、注意とは違って、数学や読解の能力は、長期記憶に保存されている知識など、他の多くの要因に依存します。したがって、ワーキングメモリトレーニングによって数学(あるいは読解)を向上させるのは、注意よりも困難であると言えます。

コグメドの実施後に数学の成績が向上したことを報告した研究はいくつかありますが、その中でより効果が大きかったのは、ワーキングメモリと注意の問題を自認する155人の子どもたちと対照群304人の子どもたちを対象とした研究です(Bergman-Nutley & Klingberg, 2014)。ここでは、両群の算数の繰り返しテストで、対照群に比べ、訓練中に徐々に改善されることが示されました。

マインツ大学とチューリッヒ大学の研究者が、572名の定型発達の子どもを対象に、トレーニング群と通常通りの指導群に無作為に振り分けた研究(Berger, 2020)では、トレーニング直後の数学的成績の向上はわずか(効果量0.2)でしたが、介入から1年後にテストを行うと介入群と対照群の差が効果量0.4に拡大していました。これは小学校では約半年、中学校では1年の向上に相当します。この報告は、エクセター大学とケンブリッジ大学による小規模な研究(23人の定型発達児にコグメドを実施、数学的推論が有意に改善された)と一致しています。


Bergman-Nutley, S., & Klingberg, T. (2014). Effect of working memory training on working memory, arithmetic and following instructions. Psychological research, 78(6), 869-877.
Berger, E. M., Fehr, E., Hermes, H., Schunk, D., & Winkel, K. (2020). The impact of working memory training on children’s cognitive and noncognitive skills. NHH Dept. of Economics Discussion Paper, (09).

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