早期発見,早期介入が重要であることは,よく知られるようになってきました。それに伴い,児童発達支援施設も多くなり,国内の障害児通所サービスの費用は増加してきました。
実際に早期から発達支援を行った効果についての研究はいくつもあります。
早期からの介入により,子どもたちの中には,成長したときに自閉症スペクトラムの診断から外れる子もいます。後に自閉症スペクトラム(以下,ASD)から外れる子どもたちの多くには,次のような共通点があります(Helt et al., 2008)。
文字を書くスキルはどのように評価されるのか?
文字を書く(Handwriting)スキルは標準的な検査(Movement Assessment Battery for Children-Second Edition: MABC-2やDevelopmental Development Test of Visual-Perception-Third Edition: DTVP-3など)では,トレース(なぞり書き)課題によって算出される,「ズレの量」が重要な指標として使われています。
ズレの量は,目と手を協調的に動かす運筆動作
不器用な子どもの多くは書きの困難さを持つ
主に不器用な子と表現される、発達性協調運動症(Developmental Coordination Disorder; DCD)児において書きの困難さが指摘されていることが多くあります(Prunty et al., 2013; Prunty et al., 2014; Rosenblum and Livneh-Zirinski, 2008)。DCD児の76%は手書きのスキルに困難さがあることが明らかになっています(Missiuna et al., 2008)。
DCDとは、
文字を書くスキルは学齢児にとって重要なスキルである
人が文字を書くときに必要な能力は、その言葉に関する記憶的知識や参考にする視覚的な文字情報を正しく捉えるだけでなく、手先の器用さも重要です。
学業において成功するためには文字を上手に書くスキルが必要不可欠である(Graham et al., 1998)とも言われています。いくつかの研究からは、手書きのスキルが高い児童ほど学業成績が高く、社会参加に積極的で、自尊心が成長していることが示されています(Cunningham et al., 1992; Engel-Yeger et
Cogmed Working Memory Training(コグメド)とは?
コンピューター上のトレーニングを通じてワーキングメモリを改善するためのエビデンスベースのプログラムです。コグメドは、トレーニングを通じてワーキングメモリの容量を増やすことができることを示す研究に基づいています (Klingberg et al., 2002; Klingberg et al., 2005)。
コグメドは、言語性ワーキングメモリ、視空間性ワーキングメモリの双方を伸ばすことができま