こどもとかぞくのサポートルームKNOT

サポートルームKNOT(ノット)は、医療、福祉、教育の枠を超えた科学的根拠に基づく専門…

こどもとかぞくのサポートルームKNOT

サポートルームKNOT(ノット)は、医療、福祉、教育の枠を超えた科学的根拠に基づく専門的な支援を行います。問題が起こる前から課題を見つけて対策し、ご家族が前向きになれるようにトータルでサポートします。 https://knot-support.com/

マガジン

  • KNOTのお知らせ

    こどもとかぞくのサポートルームKNOTのお知らせです。お休みの予定、講演会のご報告など近況をお知らせします。

  • 発達支援と発達評価 support & assessment

    早期の発達支援と発達評価の重要性についてまとめた記事となります。 当施設では,知能検査や発達評価だけでなく,専門職による評価を導入しています。 ご興味のある方は是非,お問い合わせください。 https://knot-support.com/

  • セルフコントロール self-control

    セルフコントロールについてまとめた記事になります。

  • コラム

    発達や評価、介入などについての記事をまとめています。

  • 書き Handwriting

    書きの困難さについてまとめた記事となります。 当施設では,各種検査に加えて、Tracecoderというデジタルデバイスを導入して評価・介入をしています。 ご興味のある方は是非,お問い合わせください。 https://knot-support.com/

最近の記事

講演会レポート「ASDとは―特徴と診断」

8月6日に、こどもとかぞくのサポートルームKNOTの医師本田が公益社団法人発達協会が主催するセミナーにて講師を務めました。 心理士 加藤が聴講致しましたので、今回はこのセミナーについてレポートをしたいと思います。 この講演は、「ASDとは―特徴と診断」というテーマで、自閉スペクトラム症を中心に神経発達症の歴史や特徴、サポートのポイント等についての話がありました。 それぞれのお子さんの特性や得手不得手、発達段階に合わせて、今後の人生の中で必要となるスキルを身につけるためのサ

    • Vineland-Ⅱ: 結果の活用方法と具体例

      以前の記事で、Vineland-Ⅱについて解説しました。 Vineland-Ⅱの評価結果は、日常生活や支援計画において非常に役立ちます。 今回は、 どのような状況で、この適応行動評価ツールが役立つのか具体的な例を挙げて説明します。 1. 支援計画の作成 例1: 学校での個別教育プログラム(IEP) 状況: 8歳の子どもが学校で困難を抱えていた。 友達とは遊んでいるが、引っ込み思案であまり自分のことを話すことはない。教師からの指示は、聞いているように見えるが、あまり理解

      • 講演会レポート「ことばとコミュニケーションの発達 集団での居心地の良さを伝える」

        以前お知らせいたしました通り、7月16日に言語聴覚士の小野田が都内の発達支援センターの地域支援勉強会にて講師を務めました。今回は、その講演会についてレポートしたいと思います。 今回の講演会は、地域の保育園、幼稚園、こども園の先生と発達支援センターのスタッフの方々が対象でした。「ことばとコミュニケーションの発達 集団での居心地の良さを伝える」というテーマで、言語・コミュニケーションの発達についての講義を行い、遊びを中心とした集団生活の中で、個々のお子様の発達を促していくため

        • 認知処理の強みと弱みの見つけ方

          学習の困難を抱えた子どもたちに指導を行う際、その子どもの思考方法を理解すること(アセスメント)は、どの指導案を利用したらいいのかを判断する助けになります。 例えば、以前に取り上げた子どもの読みの困難さには、多くの原因となる問題が考えられます。単語の読みに問題があったり、集中できなかったり、出来事の順番を追えなかったり、全体像を把握できていなかったりということかもしれません。 先生や保護者にとっても、子どもの学習上の問題と関連する要因が分かっていれば、より効果的な支援に繋が

        講演会レポート「ASDとは―特徴と診断」

        マガジン

        • KNOTのお知らせ
          4本
        • コラム
          29本
        • セルフコントロール self-control
          7本
        • 発達支援と発達評価 support & assessment
          14本
        • 書き Handwriting
          6本
        • ワーキングメモリ Working Memory
          6本

        記事

          『講演会のお知らせ』

          8月22日に、こどもとかぞくのサポートルームKNOTの医師の本田が、講演会の講師を務めます。 世田谷区発達障害相談・療育センター「げんき」主催の発達障害理解のための講演会で、「子どもの発達障害(特性)の理解と支援~その子らしさを活かすために~」というテーマでお話をいたします。 (https://ryo-iku.jp/02_event/koen/2024/img/2024.pdf) 申し込み期間は終了してしまいましたが、講演の様子は、世田谷区オフィシャルチャンネル(YouTu

          スキルをチェックするには⁈Vineland-Ⅱ: 適応行動評価ツール

          Vineland-Ⅱとは? Vineland適応行動尺度(Vineland-Ⅱ)は、神経発達症や知的障害を持つ子どもや成人の適応行動を評価するためのツールです。 適応行動とは、日常生活での自立した生活を送るために必要な行動やスキルを指します。 この評価ツールは、親や介護者からの報告を基にして、個人の適応行動の強みや課題を明らかにします。 Vineland-Ⅱの構成 Vineland-Ⅱは、以下の4つの領域に分かれています。 コミュニケーション: 言語理解と表現、読み書

          スキルをチェックするには⁈Vineland-Ⅱ: 適応行動評価ツール

          ライフスキル、身に付いていますか?

          ヒトは成長していく過程で、さまざまな場面に直面し、その都度状況に応じた振る舞いをすることで日々を円滑に過ごしています。 この日常生活において必要とされる様々な能力や技能のことをライフスキルと言います。 ここで、社会で生きていくためにはどのようなスキルが必要なのか、少し考えてみましょう。 近くのコンビニにお昼ご飯のおにぎりと飲み物を買いに行くとします。 まず、コンビニに行く前に持ち物の準備が必要です。 お財布、スマートフォン、家の鍵、場合によってはエコバッグなど。 それぞ

          ライフスキル、身に付いていますか?

          【ケースレポート】読み書きのサポートは、早いに越したことはない。

          相談内容お子さんの読み書きにお悩みの保護者の皆様、以下のようなお悩みはありませんか? • 書くのが苦手: お子さんの文字がぐちゃぐちゃで読めない。 • 逐次読み: 文字を一つ一つ読んでしまい、文章として理解できない。 • 落ち着きがない: 授業中に落ち着きがなく、学習に集中できない。 これらの悩みを抱えるお子さんに、適切なサポートをした結果どのような変化がみられたかご報告します。 読みと書きの現状(A くん 1年生の場合)• 読み: 文字は覚え始めているものの、まだ正確

          【ケースレポート】読み書きのサポートは、早いに越したことはない。

          『うちの子、字を書かないんです…』の理由

          学齢のお子さんのご家族からのご相談でよく耳にする内容に、『字を書きたがらない』といったご相談があります。 板書をしてこないんです 連絡帳に何も書いてこないんです 漢字の練習をするときに書かないんです などなど、字を覚えられない、とはちょっと趣が異なるご相談。 このようなお子さんに、実際に書く課題を行ってもらうと、見本があれば書ける、好きなものは書けるといったように書く場合も多く見られます。 一方で、全く書こうとしない子もいます。 こんな時、わたしたちはどんなことが頭

          『うちの子、字を書かないんです…』の理由

          子どもの困り事、何から始める? 

          KNOTでのご相談内容は様々なものがあります。 でも、今困っていることをどうにかしたい!という思いを持たれてご相談に来てくださる方がほとんどです。 困っていることをお聞きして、では、何に取り組んでいくのか…。 困っていることに気付く 足りない力を伸ばしていく 他の方法はないかと探る 違う視点から見てみる 困っていることに対して、出来ないことを練習してできるように、といった取り組みは、最もわかりやすい取り組みです。 でも、「1.困っていることに気付く」ことで、「3.他

          子どもの困り事、何から始める? 

          『7/16に講演会を行いました』

          言語聴覚士の小野田が7月16日に講演会の講師を務めました。 都内の発達支援センターの地域支援勉強会にて、「ことばとコミュニケーションの発達 ~集団での居心地の良さを伝える~」をテーマに、保育園、幼稚園、こども園の先生や療育センターのスタッフを対象に講演を行いました。 詳細は後日「コラム」にてレポートしたいと思います。今しばらくお待ちください。

          『7/16に講演会を行いました』

          英語学習に困難!?ディスレクシアって??

          発達性読み書き障害と呼ばれる、特に文字の読み書きの学習に困難さがある限局性学習症(いわゆる学習障害)をご存知でしょうか。限局性学習症のなかで読みに限定した困難を示すディスレクシアの方がよく知られているかもしれません。 ディスレクシアには、全般的な知能には問題がないものの、読み書きに関する脳の処理機能の不全が生じていることがこれまでの研究で明らかになっています(樋口, 2018)。 このディスレクシアを持つ人のうち、日本語の学習以上に「英語学習」を苦手とする人がいます。 具

          英語学習に困難!?ディスレクシアって??

          保護者が子どもにうまく関わるための専門家サポートの重要性

          はじめに 自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもを育てる保護者にとって、日常のコミュニケーションや行動調整は大きな挑戦です。専門家が保護者にサポートを提供することで、親子関係の質が向上し、子どもの発達に大きな効果が期待できます。本記事では、保護者の介入がどのように子どもの発達を助けるのか、具体的な研究結果を交えて解説します。 親主導の介入の効果 多くの研究(Deb et al.,2020;Oono et al.,2013など)が、保護者が子どもとの関わり方を学び、実践

          保護者が子どもにうまく関わるための専門家サポートの重要性

          ワーキングメモリートレーニング(コグメド)のすすめ

          ワーキングメモリは、情報を一時的に保持し、操作する能力であり、学習において非常に重要な役割を果たします。夏休みは、ワーキングメモリートレーニング(コグメド)に取り組むのにも最適な時期です。 ワーキングメモリートレーニングのメリット 学習効率の向上: ワーキングメモリを強化することで、情報の保持と操作が容易になり、学習効率が向上します。 集中力の向上: ワーキングメモリのトレーニングは、集中力や注意力を持続させる能力を高める効果があります。 問題解決能力の向上: 複雑な

          ワーキングメモリートレーニング(コグメド)のすすめ

          夏休みを活用して子どもの発達検査を受けよう!

          夏休みは、子供たちが学校のスケジュールから解放され、自由な時間を過ごせる貴重な期間です。この期間を有効活用して、子供の発達に関する詳しい検査を受けることをお勧めします。多くの保護者から寄せられた声をもとに、検査がどのように役立つかをご紹介します。 保護者からの声 多くの保護者の方々が、検査を通じて自分の子供のことを詳しく知ることができたと話しています。 「検査を受けたことで、子供の強みや弱みが明確になり、接し方を見直す良い機会となりました」 「思っていた通りの結果が出

          夏休みを活用して子どもの発達検査を受けよう!

          大人になってからでも、セルフコントロールを獲得するのは遅くない!

          前回の記事では、幼児期のセルフコントロールがその後のQOLを予測する可能性について載せました。 幼いころからセルフコントロールを身につけることが重要であると示されていますが、大人になってからセルフコントロールを身につけるのは手遅れなのでしょうか? 2021年にPNASに掲載された「Childhood self-control forecasts the pace of midlife aging and preparedness for old age」では、興味深い結果

          大人になってからでも、セルフコントロールを獲得するのは遅くない!