英語学習に困難!?ディスレクシアって??
発達性読み書き障害と呼ばれる、特に文字の読み書きの学習に困難さがある限局性学習症(いわゆる学習障害)をご存知でしょうか。限局性学習症のなかで読みに限定した困難を示すディスレクシアの方がよく知られているかもしれません。
ディスレクシアには、全般的な知能には問題がないものの、読み書きに関する脳の処理機能の不全が生じていることがこれまでの研究で明らかになっています(樋口, 2018)。
このディスレクシアを持つ人のうち、日本語の学習以上に「英語学習」を苦手とする人がいます。
具体的には以下のような困難さが認められるかもしれません。
英語の文章を読むのが難しい
文章の意味を理解するのに時間がかかる
英語の話し言葉を聞いて理解するのが難しい
発音やアクセント、イントネーションが理解しにくい
英語と日本語の文法や表現の違いに戸惑う
英単語や規則を覚えにくい
英語の規則性や例外が多く、理解が難しい
Wydell & Knodo (2003)は、英語と日本語のバイリンガルの症例を報告しています。
対象の16歳の生徒は、家庭では英語、学校では日本語で生活をしていました。
診察を受けたときの検査では、日本語の読み書き能力は年齢以上でしたが、英語の読み書き能力と音韻認識能力は、同年代のネイティブスピーカーだけでなく、同年代の日本人よりも大きく下回っていました。
つまり、英語学習時のみ、読み書き困難が顕在化していたということです。
国や言語によって読み書き障害の出現率が異なる可能性も示唆されており(Wydell & Butterworth, 1999)、読み書きの躓きは学習者本人の認知的な特性だけでなく、対象となる言語の音韻体系や書記体系の影響も大きいことが考えられます。
以前の記事でも触れたように読むために必要な力を考慮するだけでも、複数の能力が関わっています。
英語学習においてもこのように複数の観点で評価と支援が必要となります。
英語学習以外の学習も含めて気になることがあれば、適切な評価と支援が必要です。
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