36.【番外編】傘無しで、雨の中をいかに移動するか〜茨城県日立市訪問記〜
前から行きたいと望んでいた場所を、やっと訪問できたのに、天気が悪かった。
しかも、雨具なしにー
このような悲劇に見舞われたお話です。
かねてから、日立駅のガラス張りの建物に興味があったのですが、そのカフェで素晴らしい眺めを楽しみたいと以前から考えていました。
訪問する機会をもてないまま数年が経過し、やっと、訪問できました。
下は、駅舎から眺めた太平洋です。
改札を出て、まっさきに駅内にあるカフェに向かいました。
こちらのカフェはパンケーキが有名らしく、注文後、焼きあがるまでの間、素晴らしい眺めを楽しみました。
日当たりの良い席で、太陽の光できらめく水面を眺め、水平線を画像に収めることにしました。
自席から左を見る。
うん、よい景色♪
せっかくなら、右も取ろうと、右側にレンズを向けました。
すると・・・。
ん…!?
なんだ、あの厚い雲は!?
雨雲レーダーを見ると、来てました。分厚い雨雲が。
雨雲レーダーの色が私に告げました。
「もうちょいしたら降りまっせ。」
慌ててパンケーキを食べ、駅舎から外に出てみました。
なんというきれいな雨雲の層でしょうか。
前線、っていうんでしょうか。
この厚みの違いは。
駅舎の出入り口で、どうするか悩みました。
「帰ろうかな・・・。」
天気予報は、それ以降、夕方まで雨。
前日確認した天気予報では晴れだったので、自宅出発時、雨具は持って出ませんでした。
コンビニで買えよ。
普通ならそう思うでしょう。
しかし、街中の傘置き場にあふれる透明のビニル傘を見ると、私は世の無責任さが傘置き場にあふれている感があふれてくるのです。
我が家に1本たりともビニル傘がないなら、躊躇なく買っていたでしょう。
しかし、我が家にはすでに透明のビニル傘が居座っていたので、多頭飼いをしない主義の私は購入をためらいました。
そのため、即刻、帰ろうかと思ったのですが、このまま引き下がると、私はただ単にパンケーキを食べるためだけに特急に乗って日立市を訪れたグルメな食いしん坊万歳的大人ということになります。
帰るか帰らざるか、そう迷っていると、強い雨が降り出しました。
駅舎には傘を持たない人々がキャーキャー言いながら屋根を求めて駆け込んできました。
私事ですが、旅先でその土地にある書店を訪問することを一つの楽しみにしているのです。
犬がマーキングするかの如く。
書店を訪れ、その店独特の品ぞろえに旅の情緒を深めるのです。
「日立市」「書店」でググると、紀伊国屋書店が駅から徒歩圏内にあるようでした。
紀伊国屋書店に行きたい。
しかし、傘を購入しないことを決めた私に行く道はありませんでした。
タクシーでも行くにはもったいない。
歩いていくと服が水浸しになる。
走ると水と汗にまみれる。
そんな微妙な距離でした。
スマホでいろいろ検索していたところ、目の前をバスが通りました。
「あ、路線バスか。」
幸い、紀伊国屋書店はデパート内に入っていたようで、デパート前直近にはバス停があるとの情報でした。
バス停からダッシュするしかない。
私の作戦は一択に絞られ、路線バス乗車に決定しました。
バスは40分後の発車。
ICカードは使えない。
この障壁を乗り越え、無事にバスに乗り、デパート前バス停に到着しました。
バスからデパート前の屋根まで数10メートル。
なんとか、ダメージを最小限に抑えて店舗に到達できました。
無事、紀伊国屋書店では面白そうな本を見つけることができ、購入いたしました。
およそ2時間後、店舗を出てみると、雨は小降りになっており、駅までダッシュすればなんとかなりそうなほどにまでおさまっていました。
雨が降った時どうするか。
路線バスに助けられた。
手短に言えばそんな話でした。
最近、重い文章が続いていたので、たまにはこんなくだらない話も入れて緩急をつけることにしました。
ちなみにですが、購入した外山滋比古先生の『新学問のすすめ』には、英語教育の金言が多く含まれていて、楽しみながら読ませていただきました。
日立市内を散策できなかったのは残念でしたが、またうかがいたいと思います。