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目玉焼き
誰でも綺麗な目玉焼きが焼けたら単純に嬉しい。
目玉焼きの作り方はいたってシンプルだ。フライパンを火にかけ、卵を割り入れる。あとは好みの硬さになるまで待つ。
目玉焼きを作るのにコツなどあろうか、とも思ってしまったがその工程の少なさが更に芸を極めるのかもしれない。私が尊敬しているガラス職人さんが言っていた。
「ひとつの作品の中に100のパーツがあったとしたら、7のパーツを失敗しても93の完成度になる。でも10のパーツでできた作品だったら完成度は3になってしまう。工程が少ないというのは、時間も短くなるし構成はシンプルで簡単なように見えるが、実は精度や質が求められる難しい事だったりするんだ。」
少ないからこその際立つ質。丁寧が表れる物体。
私も毎朝目玉焼きを焼いていた日があった。あまりに朝に活力が無さ過ぎた当時、いっそアニメのような朝食を食べようと思いたった。トーストを焼いてベーコンを買ってきて目玉焼きと一緒に食べていた。
綺麗な目玉焼きは、朝にささいな良かったことをもたらしてくれる。セルフコンパッションに繋がるそうだ。
セルフ・コンパッションは,自分の苦しみを避けたり,切り離したりせず,受け入れ,苦しみを和ら げ優しさで自分自身を癒そうという願いを生み 出すことで,さらに自分の痛みや,不十分なところや,失敗を判断せずに理解し,その経験がより 大きな人間の経験の一部と見なすこととされる (Neff, 2003, 2011)。
まだ私もよく知らない単語(ごめんなさい)。
人生の中で自分と向き合える時間は思ったより短いのかもしれない。自分と向き合える唯一の人は自分なのに。目玉焼きの向こうには自分の心が見えている。
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