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ウクライナ侵攻が資源秩序に与えたインパクト(Влияние вторжения в Украину на ресурсный порядок) その1
安倍ちゃん銃撃のショックを引きずりすぎてだいぶ間隔空いた。
EUによる石油輸入禁止とその余波
1-1. EUによる石油輸入禁止の合意
5月31日、EUはロシア産石油輸入に関するこれまでで最も厳しい制裁を発表した。まず、ロシアからの石油輸入の約65%を占める海上輸送が原則として禁止され、数ヶ月をかけて段階的に止められる。パイプラインを介する輸入は、石油輸入の約25%を占めるドルージバパイプラインか
ロシアに対する資源制裁の影響について(Влияние ресурсных санкций на Россию)その5
涼しくなってきて良かった。梅雨明けして嬉しい。早く海に行きたい。
5.ロシア抜きの世界は可能なのか?
・⻄側諸国がロシアからのエネルギー輸入を止めたとして、ロシア以外の国が埋め合わせることはできるのだろうか。結論から言えば、それは極めて難しいと言わざるを得ない。
・英国のオックスフォードエネルギー研究所(OIES)の試算によると、年内に⻄側諸国向けのおよそ 400 万バレル/日のロシア産原油
ロシアに対する資源制裁の影響について(Влияние ресурсных санкций на Россию)その4
フォロワーさんが増えてきて嬉しい。励みになる。
4.特に影響が大きいドイツと日本
・ドイツは、天然ガス・石油ともに輸入禁止の影響が特に大きい国である。例えば、ドイツ マンハイム大学のトム・クレブス教授によると、ロシア産天然ガスを即時輸入停止した場合のドイツ経済への影響は、自動車・化学工業等の二次的影響も加味すると、少なくとも 5.2%、最大で 12%の GDP を押し下げるという。また、ドイツ
ロシアに対する資源制裁の影響について(Влияние ресурсных санкций на Россию)その3
待たせたな。今日も張り切って書いていくぞ。
3.西側諸国内部での非対称性
・EU とロシアの非対称性に加えて、制裁を課す「西側諸国」の内部にも制裁の非対称性が存在する。先に述べたように、米国、英国、カナダといった国々は先行してロシア産エネルギー輸入の禁止を発表しているが、これらの国はエネルギー生産国であり、ロシア産エネルギーの輸入を禁止しても殆ど影響はない(一部、米国の重質油調達、英国の軽油調
ロシアに対する資源制裁の影響について(Влияние ресурсных санкций на Россию)その2
のってきたからもう一本書くぞ
2.石油とガスの制裁効果の違い
・ロシア側の視点ではなく、輸入禁止を図る EU側の視点に立ってみると、また見え方が変わってくる。EU における石油のロシア依存度は約 27%、天然ガスの依存度は約 45%である。この数字だけでも EU にとっては天然ガスの切り替えの方が石油より難易度が高いことがわかる。特に、多くがタンカーで運搬されている石油と異なり、ロシア産天然ガ
ロシアに対する資源制裁の影響について(Влияние ресурсных санкций на Россию)その1
今日もくそあちーな。だいぶ間隔空いたけど2本目投稿するぞ。
1.EU 石油禁輸が最後の制裁手段
・ロシアがウクライナを侵攻した直後から、米英を中心とした⻄側諸国、あるいは G7 や EUなどが、ロシアに対する様々な経済制裁を行ってきた。代表的なものは、ロシアの一部銀行を海外送金システムから排除するSWIFT 除外や、各国の中央銀行が保有する数千億ドルに上るロシアの外貨準備凍結などである。
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