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出会い。


あれほど咲き乱れた桜も、すっかり僕の元から離れていった。

近くの小学校の校庭からは、真新しい一年生と、ツツジが顔を出している。


年度末が過ぎ、職場でも大学を卒業したバイトが退職していった。

「ありがとうございました。マッツーさん、また福岡来たら飲みましょう。」

そんな言葉を置き土産に、それぞれの地元へ戻っていった。


別れがあるとはいえど、当然出会いもいっぱいある。
毎年のように、不可思議な気持ちに駆られるものである。


そうかと思えば、相変わらず同い年の独身の連中は「出会いがない」と異口同音に言う。


いやいや、ちょっと待て。

出会いがあるとかないとかじゃなくて、どこで人と出会うのか、でしょ?

出会いがないんじゃない。
既にある、広義な人との出会いを、出会いがあったと感じてないだけなのである。


他ならぬ自分も、そういう出会いを気づかずに生きてきた自負があるからこそ、言える部分があるのかもしれない。


新しく就職する子達にも、この気持ちが届いてくれたら幸いである。




先日、出勤すると、初出勤の大学生の子が来ていた。


「よろしく!俺はお手本にならんかもやけど、頑張っていこう!」



今日も僕はいつもの場所で仕事を始めた。

新しい出会いと共に。


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