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熊の飼い方 35
光 18
家に帰っても、あの『影』の主の声が鮮明に聞こえるように、頭の中を反芻した。僕は光ろうとしていたから辛い思いをしたのだろうか。いや、光ることを避け、人からも距離を取り生きてきた。しかし、その心の奥では、将来周りの人間を見返すため、誰よりも光るために生きてきたのかもしれない。
光らなくてもいいと言っていた。確かにそうかもしれない。蛍光灯が光るのには多くの電力と熱量が必要である。しかし、ロウソクの火はただ燃えているだけで、自分で光ろうとはしていない。そんな生き方でもいいのではないか。そう思うと少し気が楽になった。
テレビをつけ何気なくニュースを見ていると、一つのニュースが目に止まった。
「大阪府の公園で四日前、小学四年生の女の子が砂場で倒れているところが発見されました。首に何者かにより締められた後があり、横たわっているのを近くに住む住民が発見したようです。事件として捜査中です」
胸騒ぎが起こる。あの時の状況が、少しずつ浮かんでくるようだった。鼓動がどんどんと早くなってくる。僕はもしかして。
そんなはずない。そんなことをしてなんの役に立つのだろう。しかし、一週間前の映像が鮮明に浮かび上がってくる。汗が全身から吹き出し、頭がぼっーとしてきた。
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