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東大門卸売市場㉑ apM PLACE

東大門卸売市場の端に位置する「客足が途絶えた卸売ビル」が買収され、2016年にapM PLACEとして生まれ変わりました。1999年に誕生したapMを皮切りに、apM Luxe、apM PLACEの「apM系」の成功はとても有名です。時代の変化に合わせた挑戦を重ね、 買収した卸売ビルを大きく蘇らせました。

apM PLACEは、「World Wholesale Market」をコンセプトに運営しているレディースアパレル専門の卸売ビルです。 ホットスポットとして最新トレンドとデザインをリードし、価格ではなく「クオリティ」で勝負しています。

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2018年にはapMapM Luxe、apM PLACEを統合したグローバルサイト「apM Style」を立ち上げました。商品のリサーチと仕入れ代行、海外決済などに対応しつつ、中国のオンライン・オフライン卸売市場に奪われた海外のバイヤーを、再び東大門卸売市場へ呼び寄せる役割を果たしました。

さらには、中国の網紅(ワンホン。中国語で「インターネット上の人気者」の意味。ここでは動画生配信をおこなうファッションクリエイター)たちまで訪れる、グローバル卸売市場として飛躍させました。「apM系」3棟の卸売ビルは、大口の中国人ビッグバイヤーの人気スポットで、その中でも中国人バイヤーが最も多いのがapM PLACEです。

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9Fのショールームは、ファッションショーや新商品関連の展示会などを行う場所として使われています。5F〜8Fはダイヤモンドフロア(高級品フロア)で、レディースアパレルの中で最も価格帯とクオリティが高い場所で、 韓国の百貨店に納品するブランドも入店しています。

1F〜4Fではヤングカジュアル、クラシックなデザイン、ストリートファッションなどのシンプルなデザインからユニークなスタイルまで、店舗別に多様なスタイルのファッションを取り扱っています。

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B2〜B1は雑貨・アクセサリーの専門フロアです。ここに陳列されている多くは、apM PLACEだけの独自商品です。外国人バイヤーに対しては小売をおこなう店舗が多いので、サンプルとしての購入ではなく卸売の取引を希望するバイヤーは、必ず卸売価格であるかどうかを確認しましょう。代表的な商品は、革製品のバッグ・財布・手作り靴(ハンドメイド)、エコバッグ、パジャマ、アクセサリーなどです。

本革の商品が多く、靴もNUZZONの手作り靴のフロアでは見られない商品もあります。革(皮革商品)と手作り靴(ハンドメイド)に関心のあるバイヤーにおすすめです。

卸売ビル全体の大きさに比べると店舗数はそれほど多くはありませんが、常に大勢のバイヤーが集まる場所です。市場調査の最後に立ち寄ると、混雑も緩和されている時間帯なので回りやすいです。また、東大門卸売市場の中心部から離れているので、宿泊先の位置によっては帰りの動線がスムーズになります。


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記事の内容は、自著「東大門・南大門 卸売市場ガイド」の発行時(2020年4月)の取材・執筆内容にもとづきます。著書出版後の変更や臨時休業等によりご利用できない場合があります。ご利用の際には、あらためて事前にご確認ください。記事の内容の運用により生じたトラブルや損害等については、補償いたしかねますので、あらかじめご了承ください。

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