話にも鮮度がある
話にも鮮度がある。刺し身と同じ。
ネコリパ10周年記念パーティでスピーチした。大事なお役目なので、事前に何度もリハーサルしてた。
これがいけなかった。伝えたい内容は外さず言えたが、言ってる自分に鮮度がない。鮮度ないと自分が楽しくない。みんなは気づいてないのだが、ぼくはすべて「自分のためにやる」ポリシーなので残念。
人様の前でお話してギャラをいただく仕事、25年になる。その前の旭化成副業時代入れると30年近い。何度も「鮮度落ち」体験してきた。
同じネタでも、繰り返すと、なぜか受けない。それは、ネタの中身というより、話すぼくが「なぞる」姿勢になるから鮮度が落ちるんだろう。
そういう意味で、落語家はすごい。何年も前に生まれたネタを、しかも何回も、時には何百回繰り返し話す。それで笑いを生み出さないといけない。
ミュージシャンもそうだね。東京ドーム4DAYSとかやるわけやん。BE:FIRST大阪城ホール最終日だったけど、でも、彼らのライブは「ライブ」だった。「お決まりの順番になぞる」をしてなかった。また、セトリ(セットリスト、曲目)も日によって変えてた。
現代のライブは、照明(光線ビームなど)一つ取っても、すべてプログラミングされている。だから曲順やアレンジなども、事前にすべて決まってる。
ライブの最中に、「ちょっとあれやってみようか」ができない。それでもライブの達人はお客さんに喜んでもらうために「アドリブでやった」感を出す。
BE:FIRSTでは、いろいろな場面で「やっぱライブはいいね」の仕掛けがあった。ある曲では、RYOKI(りょーき)がたこ焼きの着ぐるみみたいなのを纏い、「熱っつあつやで!!」と一言叫ぶ。他メンバーも知らされてなかったらしく笑ってる。鮮度バツグンだ。
文章でもそうで、決まりきった表現をなるべく避ける。
エコノミスト記事で、サンフランシスコの家賃が高いことを
eye-watering housing costs
としていて、「目に水」というだけでわかるしニヤリとする。
お定まりのexpensiveと書くより鮮度出る。
ちなみに韓国語で「涙」は눈물(ヌンムル)といい、눈が目、물は水で同じ発想だ。
発想そのものも鮮度良くしたい。
毎日note書いてる。同じような内容にならないように気をつける。そのためにやってることは;
日常生活のルーティンを外す。
日常生活って、ルーティンで出来てるよね?
朝起きる、顔洗う、歯磨く、だいたい同じ時間に家出て、会社へ向かう。会社に到着したらまずパソコンの電源入れて・・・
これらを外す。ぼくは歩いて通勤しているので、ルートを変える。めがねをかけたり、かけなかったりして、世界を違うように見る。
・・・右目の視力が落ちてきているので、それまでの視力とは違う世界を見られるはずで、楽しみだ。
会社で使うパソコン、特に事務系のお仕事の人はたいていウィンドウズOSだと思うけど、あれ、気をつけたほうがいいよ。ウィンドウズは基本、「オレの言う通りにやれ」という思想で設計されている。つまり、枠にはめようとする。
パソコンとインターネットが普及してから世の中をひっくり返すような面白い商品がなかなか出てこないのは、「企画にウィンドウズ使うから」というのも、大きな原因の一つと見ている。
手書き・手描き
してみよう。特に企画段階では。
ぼくは新しい企画はできるだけスケッチブックを使うようにしている。
そして。
現場に行く。
コロナが明けて、リアルなイベントのアイデアがぷくぷくぽたりんこと湧いてきていて、しばらくお休みしていたJOYWOWトークライブやる。その会場として貸していただくカフェへ足運び、打ち合わせした。
若狭へ縄文ツアーに行く。特に気になっているのが若狭神宮寺、鵜の瀬。
4月、一日かけて、現地へ。
現地に行くことで、本だけでは得られない体感、むすぶ。
今日午後、ある企業さんからのご依頼で勉強会する。
スライドは一ヶ月以上前に完成しているのだが、昨日今日は敢えて見ない。
現場で、自分自身も新鮮な目で見て、話す。
観念の爆発がプレゼンなので、段取りは面白くない。
話にも、書くものにも、プレゼンテーションにも鮮度がある、というお話でした。ちゃんちゃん!
ここはそういう場ではないので、敢えて書かないようにしているのですが、「阪本に会いに行くにはどうすればいいですか」という嬉しくもありがたいご連絡をいただいているので、近々のイベントをリンクしておきますね。よろしければ。
JOYWOWトークライブ「その話、長い?;発想ぷくぷくぽたりんこ」
2024年3月27日14:00-15:00
MAIDO2024
2024年5月から10月まで月一回リアル勉強会
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