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日本の分厚い運営マニュアルは海外の現場で必要か?

日本で働いていた時、イベントの仕事ではプロダクションさんが懇切丁寧に運営マニュアルを書いてくれていました。
アメリカに渡ってから15年以上経ちますが、日本の代理店経由の仕事をすると今も同じ様に数十ページにおよぶ運営マニュアルが送られてきます。
アメリカ人のスタッフがいる時には英語バージョンも作られています。
恐らく海外の現場という事で色々な事を想定し、日本より更に詳しい情報が入っている場合が多いです。
例えば、
・ホテルから会場への行き方
・会場近くのFedExやホームセンターの地図と情報
・会場近くのレストラン情報
・受付時のシュミレーションと想定問答・・・等々
日本人の緻密な仕事の仕方には本当に頭が下がります。

日本でのマニュアルはクライアント~代理店~プロダクションという3社を交え、内容のチェック、文字校正等々相当な時間と労力がかかっていると思います。

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現地のスタッフに全ての情報が必要か?

僕はMCや運営スタッフを手配して欲しいという依頼も受けるので、自分の手配するスタッフにもマニュアルを渡しますが、正直言うとアメリカ人は自分の関係するパート以外読みません
アメリカの仕事の仕方は「現場でこのTaskを行う」という明快なJob Discriptionに基づきHireしているので、彼らは自分の仕事以外の情報は必要なく、何か必要がある場合には現場でのBoss(運営D)の指示に従います。
従って会場の裏導線とか、搬入出のオペレーション等の詳細情報は全く必要ないと思います。
また今はスマートフォンで簡単に現地の情報も入手できるので、店や地図等の情報もマニュアルに載せる必要は無くなっているのでは?と思います。

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詳細に決めこみ過ぎる為応用が利かない

以前に行った現場で、会場内でチケットが貰える受付カウンターの場所を施行の都合上急遽移動しなければならない事がありました。
そのチケット目当てで来ている人も多く、来場者にとって重要な場所です。
その事によりオペレーションが大きく変わってしまったのですが、その変更したオペレーション対応ができていないまま本番開始。我々サイドにも事前に情報が無かった為、質問を受けたスタッフの情報もバラバラで来場者はたらい回しされる事になってしまいました。
この様に詳細に決めこみ過ぎた場合、緊急時に応用が利かないケースが多々あります。

アメリカの現場では事前マニュアル作成時にセンチミリミリでオペレーションを固めるより大枠の流れを組んでおいて、あとはリハ時にシュミレーションをして変更したりというある程度余裕を持たせたプランニングをします。
その方が予定外のケースでも応用が利き早く対応ができます。

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海外で必要なマニュアル

プロダクション~代理店~クライアントの間ではビジネス上詳細な全体マニュアルが必要なのかもしれません。
僕は個人的には全体マニュアルはコアメンバーだけが持っていればよく、現地用には彼らの仕事内容に必要最低限のサマリー版があれば十分だと考えています。英訳するコストと印刷代もセーブできます。
僕が現地でのオペレーションマニュアルを作る場合は10-20ページ程度です。



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