見出し画像

【大河ドラマ】鎌倉殿の13人 第46回&第47回感想

最終回前にようやく追いついた大河ドラマ感想。
今回は12月4日放送の第46回「将軍になった女」、12月11日放送の第47回「ある朝敵、ある演説」の感想です。

第46回

「阿波局」の名で知られる

母親である実衣(阿波局)が煽ったかどうかはわかりませんが、息子の阿野時元が謀反の疑いで討たれたのは史実。
親王を将軍として迎え入れる上で邪魔だから消されたということで、謀反は冤罪だったんじゃないかなぁという気がしますね。
この時点で源氏将軍家は家格の上で摂関家と同格ですから、無位無官だった阿野全成の息子が鎌倉殿になるというのはやはり無理があったと思います。
脚本上、時元が亡くなって実衣が一人になったかのように語られましたが、時元の子が阿野氏を継承していますので孫がいます。こっちは武家としての阿野氏。
また、娘が貴族の藤原公佐に嫁いでいて、こちらの子孫も「阿野氏」を名乗ります。こちらは公家の阿野氏。公家の阿野氏からは鎌倉時代の末期、阿野廉子という女性が後醍醐天皇の側室となり、義良親王、後の御村上天皇を産むことになります。
後醍醐天皇は鎌倉幕府滅亡の中心人物になるわけですから、これも歴史の流れの中に生まれた運命的なドラマ。

ドラマ後半で後鳥羽上皇に仕える武士、藤原秀康がカッコよく登場しましたが、この人はおそらくこの時点で一度も戦場に立ったことがなく、歴戦の勇士である幕府の御家人と比べれば見掛け倒しと言わざるを得ない。
位階は義時と同格の従四位の下。
秀康については過去の記事で何度も書いてるのでここでは省略。

あとこの回で一番の衝撃は「尼将軍」の呼称を政子が自分で言い始めるところですね。「自分で言うんだ」とちょっと笑ってしまいました(笑)

第47回

やはり後鳥羽上皇の掘り下げが足りなかった

源頼茂の挙兵で炎上してしまう内裏。
頼茂は幕府の政所別当で実朝が殺害された右大臣拝賀式にも参加していました。
頼茂がなぜ挙兵したのかはよくわかっていないのですが、この人は摂津源氏なので鎌倉殿の地位を狙ったという考えにはちょっと慎重であるべきかなと思います。何らかの権力闘争があったのは事実なんでしょうけど。
後鳥羽上皇にとって、社会の平穏は絶対であり、自身のお膝元である京で騒動で起きるなど論外、内裏が燃えるなんてことは天地がひっくり返ってもあってはならない。
それは三種の神器なしに即位したから。
「神器なしに即位した天皇はダメだな」と誰にも言わせるわけにはいかない。だから後鳥羽院が治める日本国に乱れは許されない、そして、世を乱す元凶である北条義時は討たねばならない。
頼茂の挙兵がトリガーと言えるかどうかは難しいですが、後鳥羽上皇にとって北条義時が絶対に排除しなければならない存在であったのは間違いないと思います。

三寅(九条頼経)が政子の膝の上に乗ったり可愛らしい感じなんですけど、結局この子も将軍になったら北条家と対決する道を選ぶことになるかと思うとニヤニヤしちゃいましたね。
鎌倉の地獄は「13人」の後も終わらない。

良い演説でした

政子の演説は史学的観点で見ればツッコむ点は色々あるでしょうけれど、脚本としては完璧でしたね。
色々と対立もあった北条一門の結束が、鎌倉の結束となり、義時が涙する展開はとてもよかった。
演説の草案を考え、視力を失った両眼で政子を見つめる大江広元ですが、この時、息子の大江親広は上皇方に加わっており、自分の家のことも大変だったはず。

とてもいい表情しますね

北条一門の結束の輪の外にいるのがこの人。
最終回がどうなるのか、どの時点までを描くのかはわかりませんが、最後の鍵を握るのは義時の妻・のえなんでしょうかね。

関連記事

ここの関連記事が多く並ぶということは大河がそれだけ色々なエピソードを省略しているということ。残念ですね……


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?