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イスラエル・ハマス情勢を倫理観で見る(必見動画)

 上は川端寛海さんによる、今のイスラエル・ハマス情勢の解説、第二弾です。必見です。(第一弾はこちらから)

 私が、この記事で紹介したいと思った理由は、彼がキリスト者であるから、一般の国際政治学者や中東研究、軍事研究者のような分析以上に、「倫理観」を明確に述べられている点で、ユニーク(独特)であり、必見に値すると思ったからです。

 彼の情勢分析は、まず、ハマスの意図です。本当は停戦したいということです。自分は攻撃して、それで反撃させないために、世論を味方につけて「停戦」に追い込もうとしているということです。では、停戦すれば平和が来るか?というと、全くそうではなく、そもそも「平和」とは何なのか?と問います。

「平和」=強い者が弱い者に力を示さない

 ここからが非常に重要なのですが、平和とは「強い者が弱い者にその力を示さない」ことによって成り立っているということ。そうです、これは権威があってこその平和ということです。聖書は神という主権者がおられて、この方に従うことにとって平和がきます。例えば父親という権威があって、それで家に平和があるのと同じです。しかし、一般の人々の考えは、平等、あるいは対称であるから平和があるかのように話します。悪しき平等主義は、争いが絶え間なく起こる原因であります。

 この考えは、専門家も含めて、世の中が唱えているのと真っ向から対立します。彼らの考えの背後には、弱者が強者に抵抗することによって平和が来るとします。むしろ、それでによって争いが来るということです。

日本の報道:成功しているユダヤ人への妬み(ヘイト)

 そして、日本の報道についての意見は、「ユダヤ人ヘイト」であると、ばっさり切ります。ユダヤ人への憎悪の種が見えているとのことです。なぜなら、「ユダヤ人は成功している」からです。私の言葉で使うなら、「妬み」です。弱い立場にメディアは感情移入しているということ。

 そして、そもそも「メディアを見る時の心」を取り上げています。それは、メディアで情報を得たい以上に、自分の普段感じていることを感情移入させたいから、と言っています。これは、すごい洞察です。確かにそうですね。

 そこで「ユダヤ人への共感」が大変難しいと指摘しています。ここは、私もものすごく感じていたことです。日本人は、原爆も落とされたし、北朝鮮による拉致被害者もいる中で、黒焦げになった赤ちゃんの遺体が出てきたり、人質が240人いるなかで、すぐに共感できて、当たり前のはず、なのです。ところが、逆に冷めているというか、心が離れています。それを寛海さんは、「成功している人に共感することは難しい」と言っています。

言論の自由の保障の有無での報道の非対称化

 それから報道の問題として、ガザでの報道はハマスの許可が必要ですが、イスラエルのほうはいくらでも批判できます。これは、私も自由のない国に住んだことがあるので、よくわかります。民主主義にしか生きていない人たちは、ここが非対称になっていて、批判の自由の背後には、その自由が与えられていることへの深い感謝と献身が必要だということは、私は骨身にしみているあのですが、一般の他の方々とは大きなずれを感じます。だから、独裁的な勢力がどんどん利用していくのです。

弱者至上主義というヒューマニズム

 話を戻すと、「実は弱者が悪者だった」ということが、想定外なので、盲点になっているという指摘もまったくその通りなのです。弱者至上主義というヒューマニズムは、唾棄すべきだと私も思っています。なので、私はハマス批判はがんがんするのですが、それは共感がなかなかできない、とのことです。(なるほど!)

倍返し?いのちは、数で数えられない!


 そして、ものすごく感動したのは、「倍返し」についての説明です。ハマスに対して、百倍にして返すということは、おかしいのではないか?という意見です。これは、軍事専門家もどんどん批判している内容ですね。

 ここで深遠な回答を寛海さんはしています。「いのちに対して、等価で返すことなどできない」であります。ハマスは死んだ人の「数」で勝負しているし、一般ではそれが当たり前だと思っていますが、「いのちは物ではない」とばっさり、切りました!これはすごいです。

 例えば、自分の肉親をテロリストが殺して、自己防衛で、テロリスト二人を殺したとします。あるいは十人殺して、結果的に「1対10」になります。でもこれが十倍返しとは言えないということです。いのちというのは、数の天秤にかけられません。逆に、一人のテロリストを十人殺したからといって、そのテロリストを一人殺すのであって、他に9人殺すのではありません。

いのち(ハイ)を大事にする民


 私もイスラエルの人々について感動するのは、彼らは「いのち」の中身をとっても大切にする人々なのです。人質一人一人の紹介をしたポスターをいたるところに貼っています。そして、安息日には、なんと人質の分の食事のテーブルを用意して、彼らのことを覚えているのです。

 そして「倍返しするのか」という質問自体が、ハマスの考え方にはまってしまっていると、ばっさり言っています!ハマスは、人数ばっかり言っていますから。

喧嘩両成敗の粗悪さ


 そして、日本政府の立場、「すべての当事者への自制」ですが、喧嘩両成敗ですが、これは、「悪い者が褒美、正しい者に罰」という、最も悪い考えであると、ばっさり批判しています。ソロモン王が、赤ん坊を二つに切って二人に分けるという喧嘩両成敗をするとき、自分の赤ちゃんでないでいったほうが、「それでいいです」と言いました。

 そして、国民を守れなかったイスラエル国は、今回は「ハマスを滅ぼす以外に国民を守る方法がない」と考えているという説明をしています。一般市民の犠牲を最小限にした上での壊滅です。

停戦をすれば、世界大戦の火種にもなりかねない


 停戦については、避けるべきだということですが、それは先に話した、「強者が弱者に暴力を振るわないことによって平和が来る」という考えに基づいています。イスラエルが強かったので、今までの平和があったけれども、ハマスが強かったら、とうの昔にイスラエルは滅んでいました。

 だから、イスラエルが強いことが平和の鍵なのですが、「世論が、イスラエルの反撃を止めている」ことによって、争いが続いているのだということです。

 それから最後にイラン関与の問題について話していますが、イランが出てくるとアメリカが噛んできて、そうすると中国が動きます。ロシアもそう。そうすると、中国が台湾を攻めやすくなります。核開発も、トランプ政権の時は制裁で止められているのですが、バイデン政権の時に緩められて、それで促進していると。だから、小さな火種が第三次世界大戦になるという、聖書のエゼキエル戦争の様相を帯びてしまいます。

 私たちにできることは、①ハマスの味方をしないこと、②正しい情報を広めること、ハマスだけが滅びるように、ということです。そして、祈りは、①イスラエルの命が守られるように②反ユダヤ主義から守られように、ということです。③キリストの平和で守られるように、ということです。ハマスのしていることは、神に反抗していること、とのこと。

 そして個人的には、パレスチナの一般市民が守られるように、というのも祈りの課題に挙げられると思いますし、ハマスの戦闘員のためには、私はキリストが幻で現れて、回心して、暴力を捨てるようにと祈り続けています。

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