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ドキュメント72時間出張の旅

NHKで毎週金曜10時より放送中の『ドキュメント72時間』のやや強火ウォッチャーであるため、隙あらば72時間ロケ地に行ってみたくなる。

今月はここ2週間の間に愛知、静岡、東京、滋賀、埼玉、千葉と出張の連続で、もはや住所不定な働き方をしていることもあり、全国各地の72時間のロケ地(聖地)に訪れている。

それゆけチャンス到来!とばかりに仕事の合間に突撃した場所もあれば、たまたま通りかかった場所もある。

滋賀・草津 巨大パーキングエリア(2018)

滋賀の大学での仕事に向かう途中に高速で一瞬前を通った。
「草津」という字が見えて、お!ここは!と思っただけで特に寄ってはいない。

わりと地味な回だが、ヒッチハイクな若者がいたり、旦那さんの祖父母と旅行している女性がいたりと、ギリギリコロナ前の、移動に対してまだ寛容な時代の空気感が感じられる、個人的に結構好きな回だ。

神戸 小さなお好み焼き屋にて(2023)

こちらは出張ではなく、先週末に家からチャリンコで買い物に出掛けた際に寄ってみた。

新長田の下町お好み焼き屋「いろは」さんである。

老若男女がこぞってお好み焼きを買いにくる。
おしゃれ港町だけじゃない、こういう下町神戸の顔が好きだ。
でかでか鉄人28号の下で神戸名物「すじ玉」
ソースの味がしっかり濃いめで大満足。

72時間では「これ食うたら家帰って韓ドラ見るわ」と言ってたおっちゃんがやたら幸福そうだった。

名古屋 地下街・聖なる夜の忘れ物 (2015)

名古屋の大学での仕事の帰り、バスの系統を間違えて名駅ではなく栄に到着してしまった。
地下をうろちょろしていたら、たまたまあの忘れ物センターを発見。

何度も再放送されている、言わずと知れた大名作。
最も印象的なのは、鍵を探しに来た幼い兄妹。自宅の鍵をなくし、失意の底にいるお兄ちゃんをしっかり者の妹がリードし、忘れ物センターにて無事奪還。

先日、滋賀の出張先で家の鍵を忘れるという大失態を犯して大いに自信をなくしていた私。(後日、往復4時間かけて取りに行った)
思いがけずあの兄妹が蘇り「私だけじゃない」と、記憶に心を救われた。

赤羽・おでん屋エレジー(2015)

東京での仕事後、赤羽といえば!ということで寄ってみた。こちらもまた、不朽の大名作。

下戸の私にまで、うわぁ美味しそう…と思わせてしまう、カップ酒をおでんの出汁で割るという魔の『出汁割り』でおなじみの名店。

そこに居合わせた誰かと黙々とおでんを頬張る。
ひとりだけどひとりじゃない。

16:30という微妙な時間に食べる大根は背徳の味がした。

なぜか大宮 喫茶店は待っている(2017)

これは本日。
埼玉にある大学での仕事を終えて電車に乗っていたところ聞こえてきた、大宮〜大宮〜のアナウンス。
大宮…大宮といえば…アレやんか…!と急に閃き、飛び降りた。

初めて降り立った大宮は、ニッポンのチェーン店というチェーン店を駅前の通りに全部ぎゅうぎゅうに詰め込んだ街!という感じ。

そんな駅前通りを一本脇に入ると現れる、そう、唯一無二の24時間営業喫茶店『伯爵堂』。
横綱級の大名作、まさに72時間フリークの聖地である。涙。

案内してくれる店員さんはご年配のイケおじたちと、東南アジア系のお姉さん。
雰囲気はバッチリ昭和だけど、雇用環境はある意味日本の最先端を行っている感じが、さすがというかなんというか。

大宮ナポリタン、2.5人前くらいあった。
お昼は駅ホームで爆速で食べた握り飯だけだったので本日初のまともな食事。
無心で麺を口に運ぶという動作を繰り返しすうち、神聖な心地すらしてくる。

 *

こんな短期間に、ドキュメント72時間屈指の名作ロケ地を巡れているなんて、やはり今月は異常な月である。 

私の出張の行き先はほとんどが大学であり、すなわち、都心部から絶妙に"外れて"いる場所に行くことが多くなる。
それはつまり、自然と72時間が取材に入るような場所に近くなるのかもしれない。

そんなちょっとしたワクワクを組み込みながら、過酷な出張ライフを楽しみたい。

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