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心が温かくなるかもしれない思い出

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心が温かくなるかもしれない思い出を書いてます。
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2018年10月の記事一覧

辛かった「ひとり○○」 トップ3

私は20代前半から今まで友達も彼女もいなかったため、どこかに行くとなると必然的に「ひとり○○」になります。 「ひとりでどこまで行けるか?」みたいなことがたまに話題になりますが、私はひとりでどこへだって行くことができます。というか、ひとりで行けないとどこへも行けなくなってしまう。 しかし、そんなひとり○○マスターである私も、辛かった「ひとり○○」がいくつか存在します。ということで、トップ3を紹介します。 ちなみに「ひとり映画」とか「ひとり焼肉」「ひとり夏祭り」とかは論外で

バラバラになった野田君のミニ四駆

私は1987年生まれ。ゆとり世代であるが、もっと細かく分類すると、「第二次ミニ四駆世代」である。 私たちが小学生だったころ、『爆走兄弟レッツ&ゴー』が流行っており、勉強もせずひたすらミニ四駆に明け暮れていたものだった。 しかし、コースを持っていた人が少なく、走らせることはほとんどなかった。 なので私が「ミニ四駆」で思い出す光景と言えば、「児童館で皆集まって、黙々と『ボディの肉抜き』をしている」というものだった。 「肉抜き」とはミニ四駆を速くするために、ボディに穴をあけ

見知らぬ女性との世界一不毛なやりとり

日雇い派遣で洗剤の工場に行ったときのこと。 その工場で働く女性とパートナーを組み、作業にあたることになった。30代後半くらいの少しふくよかな、おっとりした綺麗な女性だった。 その女性は物静かでほとんど話すことはなく、人付き合いの悪い私にとってはベストパートナーと言えた。 静かな部屋で、私たちはふたりっきりで黙々と作業に励んでいた。 「……………」 「……………」 「……………」 「……………」 「あの、きよさん、ちょっと聞いていいですか?」 「はい。どうぞ」

日雇い派遣で出会った変なヤツ

日雇い派遣で電子機器工場に行ったときのこと。 8時間、延々と同じ作業を続ける地獄のような時間が終わり、スカッとした気持ちで外に出てみると、ビックリするほどのドシャ降りだった。 「イヤやなあ、もう」憂鬱になりつつも、駐輪場へ向かう。一応傘は持ってきていた。 屋根つきの駐輪場で自転車のカギを出そうと、カバンをごそごそとしていたら、うしろから怒鳴り声が聞こえてきた。 「おい! お前!」 誰か絡まれてんのかな? と思いつつ、無視しながらカギを探しているとまたうしろから声が聞

きよさんの楽しいお友達作り 下巻

きよさんは毎日のルーティーンのごとく職場で怒鳴られ、凹んでいますとラインメッセージが入ってきました。 カフェ会で知り合った佐伯さん(仮名)からでした。この人は黒縁メガネが大変良く似合う優しい男性でした。 「今度皆で飲み会するんで、来ませんか?」 前回は失敗していますが、今回は何人か集まるようで、「これならひとりぐらい友達はできるだろう。その後は出会った女の子と夜の街に繰り出したりして。ぬふふふふ」 きよさんは調子に乗り、すぐに「行きます」と返事をしました。 こうして

きよさんの楽しいお友達作り 上巻

きよさんは少し禿げ始め、腹も出てきたアラサーのオッサンです。 ブラック企業の仏壇屋から大阪の優良企業に転職し、「人生が上向いてきた」と思うと同時に、ふとこんなことをつぶやきました。 「友達が欲しい……あわよくば彼女も欲しい」 きよさんは元引きこもりなだけあって、友達がまったくいないのです。もちろん彼女もいません。 「ジッとしていても始まらない。行動だ!」 「行動がなにより大事」きよさんはこんなことを司馬遼太郎先生の小説で学んでいました。 「今こそ、学びを活かすとき

「部落出身じゃねえなら、あっち行ってろ」

私が通っていた小学校はかなり左寄りの反日教育をおこなっていた。 天皇陛下をなによりの悪とし、君が代も歌わせない。音楽の教科書の君が代の歌詞には黒塗りがしてあった。 「人間皆平等」の精神で、特に力を入れていたのが、「部落差別問題」だった。 部落差別とは住んでいる地域で差別することである。 その小学校の生徒の約六割が、部落出身だった。 しかし、私たち生徒はそんな差別が存在することも知らず、先生に教えられて初めて知った。 知ったときの感想は「住んでる場所で差別? はあ?

カフェに誘ったら、セミナーに連れて行かれそうになった話

不特定多数の人が集まる飲み会で、メガネの女の子とカフェの話で盛り上がった。私は30歳のオッサンで、元仏壇屋だが、オシャレなカフェや雑貨屋が大好きなのである。 私は意を決して「今度カフェに行きませんか?」と言ってみた。OKだった。さっそくラインを交換し、後日、カフェの聖地である大阪市北区中崎町に行くことになった。 駅で待ち合わせて、さっそくオシャレなカフェへ。二人とも温かいココアを注文し、話を始めた。 始めは他愛もない雑談、趣味の話をした。すごく楽しかった。私はこのような