忍術とプロダクトデザイン 前編 -忍者の道具のデザインポイント-

忍者の発明品「創意工夫を凝らした忍器」

忍術秘伝書である万川集海や忍秘伝には、忍器や忍具(または陰具)と呼ばれる忍者の秘密道具が載っています。

忍器は、忍者が城に忍び込むなどの目的を達成するために、いろいろな知恵を巡らして考えられた発明品です。

この、忍者の発明品を元に、忍術的プロダクトデザインのあり方について考えます。

道具のマルチな活用性を求めた忍器

万川集海の忍器のページ冒頭には、「一器を持って諸用に達するを巧者の忍びとする。」と書かれています。

現代訳すれば、「1つの道具を多用途に使える忍者が優秀である」ということです。

たくさんの道具を持ち歩くと、便利ではありますが移動が不便になります。そのため、道具は必要最低限にとどめ、かつそれを万能に使いこなすようにしています。

これは、道具を使うときの意識でもありますが、道具をデザインするときのポイントでもあります。

状況や環境に応じてデザインされる忍器

道具をたくさん持ち歩くなと説いているわけですが、万川集海には「忍び込む場所の環境や状況に応じて適した忍器を選ぶ、または制作して持っていくように」とも書いてあります。

万能に使える道具をデザインしたとはいえ、それを使う環境によってその道具が有益に使えるかどうかは変わってしまいます。

どんな城に忍び込むか?どこから侵入するか?警備状況はどうか?道具を使用後の処理はどうするか?など使用する場所の情報を細かにリサーチして、その上でどんな道具が必要になるのか?どう道具を使えばいいのか?などをポイントにデザインします。

続き→「忍術とプロダクトデザイン 後編 -モノに縛られないというデザイン思考-」https://note.mu/kiyo_design/n/n20b5af64a32f

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