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サステナブル ファッション ②

サステナブル(持続可能性)なファッション産業を目指して、どの様に私たちは行動していくべきかを考える「Fashion Revolution Day」

第二回は、「VOGUE JAPAN」編集長とKering Group Operation and Technology Material Innovation Laboratory(MIL) のCecilia TAKAYAMA氏によるトークセッション。

この回はモード界をリードするトップ企業として、どの様な取り組みを行っているか、という内容にフォーカスされていました。

【Kering】

まずMILとはなんぞや、という話ですが以下の様に説明がありました。

「ラグジュアリー業界最高水準の品質を満たすサステナブル な原材料を特定し、ブランドがそれぞれのコレクションにこれらの原材料を取り入れる事を可能にするために設立されたのがMIL。外部基準とMIL独自の評価基準に基づいて評価された3,000点を超える認証ファブリックのコレクションをイタリアに収蔵しており、また製品にこれらの原材料を使用できる様、MILの専門チームがグループのメゾンやサプライヤーへのサポートに取り組んでいます。」

つまり、Keringにおけるサステナビィティの推進役&監督役、という事ですね。

HP(https://www.kering.com/)を見ても分かる様に、Keringはサステナビリティに非常に力を入れています。代表的な取り組みのうちの一つがEP&L(環境損益計算書)。これはKeringが開発した、原料〜消費者の手に渡るまでの全サプライチェーンの過程でどの程度環境へ負荷がかかっているかを可視化したものです。これを活用する事で製造過程〜販売経路の間のどこが大きく環境負荷がかかっているのかが一目瞭然となり、より効果的な対策を練ることが可能になります。こうして可視化する事でまずは物事の本質や根本を見つめ直し、そこから対策を考えていくということは問題解決の方法として基本的かつ重要なことだなあと感じました。ちなみにこのEP&L、オープンソースらしいのでアパレル会社は積極的に活用すべしですね。使わなきゃ意味ないしそこから何かしらの対策を実行していかなきゃ意味がない、、前回のお話の時にも書きましたがこれからはサステナビリティに取り組んでいない企業は将来社会から淘汰されていきますので、、

ちなみにKeringはLondon College of Fashion(LCF、ジミーチュウやJW Andersonを輩出しているロンドンのファッションの大学)との協業でオンラインコース(Fashion & Sustainability  Understanding Luxury Fashion in a Changing World)を開講しています。https://www.futurelearn.com/courses/fashion-and-sustainability

ちなみにこれは私も受講しましたが(無料です!)、動画や記事が見られるだけでなく、課題が与えられたりロンドンを中心に活動事例が多々紹介されていたりとかなりボリュームたっぷり(6週間構成のコースです)ですのでめちゃめちゃ勉強になります。私もこのオンラインコースを通して環境問題や労働環境の問題に関心を抱く様になったので是非ともチェックしてみてください。まずはこれで問題を認識し、当事者意識を持つことが大切かと。どうしても環境問題とか規模の大きい話って実感湧きづらいですしね。

【Vogue】

Vogueは、ファッションの製品を作っている会社ではないので活動内容がイメージしづらかったのですが、そうかそういうやり方もあるよね、と納得する内容でした。物を作る側の人間ではない私としては、自分がやるべきことはこっち方面のことかもなあと思いながら話を聞いておりました。

まずは当然雑誌媒体としての活動から。やはりここ最近「サステナブル ファッション」をテーマに特集を組んだり記事を掲載したりする機会は多い様で、昨年ドイツ版Vogueで一冊丸々サステナブル ファッションの特集を組んだ号を発行したそう。さらには雑誌を包むビニール(日本の雑誌にはそもそもビニールが存在しませんが)再生ビニールを使用したとのことで話題になったそうです。日本で丸々特集するまでやった雑誌は今の所聞いたことがないのでやはり欧州の方が取り上げるタイミングは早いですね、

またFashion Night Out(FNO)についても触れられておりましたが、今年のFNOはサステナブル ファッションをメインテーマに開催されるそうです!そもそもFNOは「ファッションから出来る社会貢献」が目的のイベントなのだそうです。なのでこのテーマは流れ的に当然とのこと。商品の売り上げを団体に寄付したり衣料品回収ボックスを設置したりと様々な企画がなされる様です。やはりこういった体験を提供し話題を作ることで問題認知を高めるとともに、環境に配慮しているブランドや会社がかっこいい、イケているという認識を作り上げていくことがトレンドを作り上げていく会社・立場としては重要だなあと感じたしぜひとも当日は表参道に繰り出して空気感を体感したい!と思ったのですがその頃には私ロンドンにおりますので(6月から留学します)、あちらのFNOをしっかりチェックしてこようと思います!



【まとめ】

今回はモード界の二社との対談でしたが、会社・ブランド側は問題の根本を抑え、そこから考えうる対策を愚直に実行していくほかないかと思います。また、消費者に対してはサステナビリティへのポジティブなイメージを発信し、認識を作っていきファッションを楽しみながらも環境に配慮している、という状態を作り出すのが理想かと思います。やはり物事を徐々にマス層へ広げていく為には社会の模倣性質上、ピラミッドの上層から変え、発信していくことが必須だということを再認識しました。

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