ゲームの企画書を用紙1枚で書いてみる
以前、Chat GPTとEMS Frameworkを使ったゲーム企画のアイデア出しについて記事を書きました。
今回は、ゲームのアイデアを企画にまとめてみたいと思います。
ゲーム開発のプランナーを希望する学生の中には、企画書を書くのに苦労している人もいるかと思います。
企画書としてアイデアを形にしていく作業はコツをつかむまでが大変です。
コツをつかむには何度も企画書を書くのが早道ですが、しっかりとした企画を書くと仕上げるまでに時間がかかります。
そこで、今回は比較的手軽に作成できるPERACONのフォーマットに従って、企画書作成の練習をしてみたいと思います。
PERACONは、CEDECの開催に行われるゲーム企画のコンテストで、プロ・アマ問わず参加できます。
このコンテストの特徴は、企画のコンセプトをA4用紙1枚にまとめたもので競うことです。
A4用紙1枚なので、比較的少ない作業で企画書をまとめることができるので、企画書作りの練習に向いてます。
なかなか企画書をまとめることができない方は、ぜひ一度お試しください。
それでは、企画書を作っていきましょう。
企画内容を考える
まずは企画のアイデア出しですが、何もない状態からだとアイデアが出しにくいので、今年の日本ゲーム大賞アマチュア部門のテーマを元に企画内容を考えてみたいと思います。
日本ゲーム大賞アマチュア部門は、アマチュア向けのゲームコンテストで、年に1回行われています。
今年のテーマは「こだわり」ですので、このテーマにあった企画内容を考えてみたいと思います。
ブレストとして「こだわり」に関するキーワードを出すなどしてアイデアを練っていくわけですが、今回はChatGPTを使ってこだわりを感じる趣味を20個リストアップしてもらいました。
出てきたリストを見ると、「作る」ことや「コレクション」に関する趣味が多くあるようです。
「作る」ことや「コレクション」の要素があるとこをコンセプトにすると、「こだわり」のテーマにあった企画ができそうなので、この方向性でさらにネタ出しを進めていきます。
その際に、意外性のあるキーワードを組み合わせた方が面白い企画になるので、以前の記事に書いたChat GPTとEMS Frameworkを組み合わせた手法や、ブレインマップなどでのブレストで色々と案を出していきましょう。
企画のコンセプトを決めて、ゲーム内容を考える
色々とアイデア出しをした結果、「ボディービル」と「盆栽」を組み合わせたゲームを考えてみました。
EMS Framework 的にコンセプトを書くと「ボディービルで理想の体型を作り、盆栽のようにコレクションしていく 育成シミュレーションゲーム」となります。
「理想の体型を作る」だけだとコレクション要素が弱いので、ボディービルダーのポーズをとった姿を盆栽に見たてて、コレクションする要素を強めたゲームにしてみました。
コンテストに出す場合は、普通にまとまった企画よりも、ちょっと変な企画の方が審査員の目にとまりやすいです。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、多少違和感を感じるぐらいのコンセプトがいいと思います。
コンセプトが決まったら、ゲーム内容を詰めていきましょう。
今回は、ボディビルダーの育成シミュレーションが主なゲーム内容で、体の特定の部位を鍛ええる器具を購入したり、トレーニングメニューや食事の管理をすることで、自分の思い描く体系やポーズを作り上げていきます。
それを盆栽のように並べて見れるようにすることで、コレクション要素を追加したいと思います。
色々なポーズをとったマッチョ姿を盆栽がズラッと並べて鑑賞できるようにすると面白そうです。
内容がだいたい固まったので、企画書にまとめていきたいと思います。
アイデアをA4用紙1枚にまとめる
コンセプトをもとに、企画書を下記のようにまとめてみました。
PERACONでは用紙の向きに指定がないのですが、今回は、はったり重視でボディービルダーの姿をでかく載せたかったので、A4用紙を縦に使いました。
画像はMidjourneyで作った物といらすとやの画像を使わせてもらっています。
そのほかの素材はPowerPointの機能を使ってます。
1枚の用紙で企画書をまとめる場合、最低でも下記の要素が必要になります。
タイトル:ゲームの名前や仮タイトルを記載します。
概要:ゲームのコンセプトや目的を簡潔に説明します。
ジャンル:アクション、パズル、シミュレーションなど、ゲームのジャンルを明示します。
対象プラットフォーム:PC、コンソール、モバイルなど、どのプラットフォーム向けのゲームかを明記します。
対象年齢層・ユーザー層:ゲームの対象となる年齢層やユーザー層を明確にします。
ゲームプレイの概要:プレイヤーが何をするゲームなのか、基本的なゲームプレイや目的を説明します。
ゲームシステム:ゲームの進行方法やルール、特徴的なゲームシステム(例:戦闘システム、成長システム、アイテム管理)を紹介します。
タイトルはインパクト重視で「マッチョ盆栽」としてみました。
今回は、「ゲームプレイの概要」や「ゲームシステム」についてさらっと書いてますが、ゲーム内容によってはゲーム画面を入れるなどして丁寧な解説を入れた方が良いかもしれません。
また、シナリオやキャラクターを重視する場合は、その要素についても追加が必要です。
まとめ:練習として企画書を書く際の注意点
A4用紙1枚というのは、意外と載せられる情報量が少ないので、どの情報が重要なのかをよく考えてまとめていきましょう。
情報の重要性・優先順位を考えることは、企画内容をまとめる良い練習にもなると思います。
企画書の第一の目的は、自分の考えているゲームの内容を他人に伝えることです。
まずは、ゲームの企画内容が確実に読み手に伝わるように、情報を整理しながらA4用紙1枚にまとめる練習をしていってください。
補足:コンテストに出す際の注意点
今回は「こだわり」をテーマに企画の内容をまとめましたが、日本ゲーム大賞アマチュア部門に応募する場合は注意が必要です。
コンテストのサイトを見ると
とあります。
コンテストの応募内容としては、「遊び手側がこだわれるゲーム」ではなく「作り手側のこだわりを感じるゲーム」ですので、注意が必要です。
今回作った企画内容の場合、「理想の体型を作る」「盆栽のようにコレクションする」という点をこだわりの要素としたのですが、コンテストの主旨とはずれています。
制作者がこだわったところがわかる内容にしましょう。
今回書いた企画書の場合は、「独自シェーダーを使った筋肉表現」の要素が重要になります。ほかにも「体表のテカリ」や「発刊の表現」「ライティング」などでマッチョをテーマにしたことが生きるように表現をこだわると、コンテスト的にも評価されることでしょう。将来的にはZiva VFXを使った筋肉表現なども面白いかもしれません。
筋肉表現以外では「鶏ささみを使ったこだわりのメニュー100個」などのボディビルに関連したコンテンツを追加するのも良いかもしれません。
日本ゲーム大賞アマチュア部門はプレイアブルの提出が必須なので、企画書だけでは応募できないので注意してください。
PERACONについては企画のインパクトが重要になるようです。
特に、例年一般審査員の票がインパクトの強い作品に集まるようですので、タイトルやイラストに気を配りましょう。
プロの審査委員についてはゲーム制作の現場に近い人が多く、面白いコンセプトを提示すれば、ゲーム性の部分が多少説明不足でも「自分だったらこういうゲームにする」と審査委員が脳内補完してくれるようなので、こちらについてもまずはインパクト重視で企画書をまとめてみてください。
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