腰椎疾患の病態把握について
今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます
今日は腰椎疾患の病態把握についてです
まずは問診です
いつ、どこで、何をして、痛くなった、この際に、冷え、下肢の痺れ、歩きにくさ、歩行時間(間欠性跛行など)の有無確認しています。
重要なのが、神経痛なのか、血管の症状なのか、それ以外なのかの情報を聞き出すことですね
わかりやすいのが、間欠性破行ですね。
歩ける距離 1Km以上歩ける 数m歩くと休憩 など
休憩する際に、前屈すると楽なのか、変わらないのかなども確認しています
これは狭窄症なのか、血管の問題なのかを確かめています
動作による痺れでは
前屈で痛み、痺れ ヘルニア
伸展で痛み、痺れ 狭窄症
腰の所見なくて、冷えや足背動脈や後脛骨動脈が触知できない 閉塞性動脈硬化症
とざっくり予想を立てています
実際、狭窄症でも閉塞性動脈硬化症でも冷えを訴えることが多いんですが、皮膚温を測ってみて、冷えているのが閉塞性動脈硬化症が多いということでした
どっちか見分けるのが難しい時は、皮膚温を測ってみるのもいいかもしれません
次は視診です
アライメント(骨盤腰椎含む全体的なもの)を評価しています
次は触診です これから外れることももちろんありますが主に3パターンで考えています
①椎間関節痛、筋痛
動作時痛→神経学的所見、SLR、FNSテスト
→ 問題なしで筋、関節圧痛
→ 椎間関節痛、筋痛(訴える痛みは関連痛の可能性あり)
②腰椎椎間板ヘルニア、狭窄症(神経根症)
動作時痛→神経学的所見、SLR、FNSテスト
→ デルマトームに一致した所見(知覚異常、筋力低下など)
→ 腰椎椎間板ヘルニア、狭窄症(神経根症)
③閉塞性動脈硬化症、末梢神経障害
動作時痛→神経学的所見、SLR、FNSテスト
→ デルマトームに一致しない知覚異常や筋力低下
→ 脈の確認、末梢神経のチネル確認
→ 閉塞性動脈硬化症、末梢神経障害
頚部の時もでしたが、神経学的所見をとって、問題ある、ないをしっかり評価するようにしています。
パターンには書いてませんが、要注意なのが、圧迫骨折ですね
65歳以上の女性の腰痛は、圧迫骨折の可能性が高まります
僕が判断している所見が
①疼痛により体動が遅い
②棘突起の圧痛がある
③前屈での痛みがある
これがあれば、はっきりとした受傷機序が不明でも可能性があると考えて、病院をご紹介しています
僕自身、病院で勤務していた時に見逃したこともあります
理由は受傷機序が明確でないから骨折はないだろうと判断していたからです
思っている以上に簡単に骨折するので、注意していますね
圧迫骨折を見逃すと、後弯変形を残し、骨盤が後傾することによって、大腿骨頭の前方の被覆率が減少して骨頭への局所的な関節応力が増大することによって、変形股関節症のリスクが高まると言われています
運動器疾患のなぜ?がわかる臨床解剖学 P90から引用
僕は失敗して注意するようになりましたが、失敗しないのが一番いいと思うので気をつけましょう
見逃したら、どうなる可能性があるのかを知ることも重要だと思います
みなさんの臨床に少しでも役に立てれば幸いです
また来年から書き始めますのでよろしくお願いします
じゃあね。
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